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不埒な昔話 雪女編(400字の小説)

ある日、美しい女性に出会う。
だが、彼女は妖怪だった。
彼女は全ての物を一瞬にして、
凍結させる能力を持っていた。
何故か彼女は私の家に住みついた。

私は、彼女を利用しようと考えた。
それは、瞬間冷凍するビジネスだ。

依頼の多くは食品であるが
不治の患者の依頼があった。
それは未来の医療に期待して
冷凍保存するのである。
生きたまま、瞬間冷凍される患者。

人間を瞬間冷凍する記事がネットに
流され大炎上。

冷凍の方法は秘密にしていたのだが、
あるジャーナリストに冷凍の真相が暴露された。
その男は彼女の正体を
「妖怪雪女」と断定したのだ。
彼女は批判を浴びた。

そして彼女は去って行った。
私と子供を残して、
悲しげに去って行った。

彼女は誰にも迷惑を掛けてはいない。
むしろ人の役に立っていた。
なのに、あのジャーナリストは彼女を
「妖怪」として暴露し、
妖怪は悪い者と言うイメージを利用し
彼女に汚名を着させた。

彼女の苦しみは如何なるものだろうか?









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