(新)三つ子の魂百までも(23) 1 ボーン 2023年8月14日 18:47 23松田夫妻が帰った後、事務所には僕と裕美さんと修と美乃と林田さんが残っていた。直美さんは、松田夫妻を見送りに駅に出向いた。久しぶりに修と会う。「公ちゃん。この前公ちゃんから聞いた公園に行ってきたよ。公ちゃんの云う通りベンチが曲がっていたね。あれは、高温の熱で曲がったんだね。何の熱かな?」と、修らしくなく興奮した言い方だった。林田さんは、僕と修が双生児とは知らなかったみたいで、少し驚いている。「皆さん、鯛焼き 買ってきました」と、美乃が自慢そうに言った。「林田さん、この女の人は、僕の姉で美乃と言います」と、僕が紹介すると、「お姉さんって、えっ〜。」と、林田さんは驚いている。「実は私たち二卵性の三つ子なのです。」と、僕は林田さんをもう一度驚かせた。「そうなんだ!三つ子ちゃんなの。」と、感心しているかのようだ。鯛焼きをみんなで、和気あいあいに頂きながら、先程とは違い和やかな雰囲気の中、裕美さんが言った言葉に場が凍りつく。「 妖怪に男性は気をつけ無いといつ被害者になるかも知れないよ、これは本当だよ。いつ蒸発させられるか解らないよ!」と、稲垣淳二ばりの低い声で脅かす様に言った。「この妖怪って男だけ狙うのですか?」と、修が聞いた。「そうみたいね。男を誑かして誘って、蒸発させるの。死体も残さないから、警察も捜査出来ないって云うか、事件性を感じてもそれ以上どうしようもない。」と、裕美さんが警察の気持ちを代弁するかの様に言った。「今度、あの女刑事に事実を言ってみます。」と、僕は決意を込めて言った。裕美さんの言った通り、この恐ろし事件は、まだ続くのである。警察ではこの事件をどの様に捉えて良いか解らずにいた。ホテルに男女で入っているのは目撃されているのは間違が無いだが、防犯カメラに写っているのは男だけで女はいない。そして男も行方不明になっている。この様な事件が、相次いで起こるのだ。全く手掛かりが無いし、犯人の動機が解らない。男の持ち物はいっさい盗まれておらず、お金もそのままになっている。雲を掴む様で何も出来ない。僕は岡光子さんと、この前会った喫茶店で待ち合わせをした。もちろんこの事件の事を伝える為である。でも、彼女は笑っているだけで、信じてくれなかった。当然といえば当然だが、この事件は終わる事が無いであろう。「人間には解決する事は不可能である。誰か助けてくれ!」と、僕は叫んでいた。その声は、霊界に聞こえたのか、聞こえなかったのかは解らないけど、この妖怪に対して怒りを持つ正義感溢れる霊がいた。その名は貞子では無くて、皿子!「生前は人柄も良く、皆んなから愛される存在だった」と、皿子は思っていた。人の嫌がる事は積極的に行い、人には優しくいつも親切な人だった。正義感にも溢れ虐められている人を助け、悪と戦う女。皿子はその様な人だった。だが、不幸にも皿子は死んだ。当然天国に行ったのだが、そこの神は美人だけを愛する神であった皿子の容姿は醜かった。神は無慈悲にも皿子を天国から追放したのだ。皿子は決意を固めていた。人間界で悪霊と戦う事を誓ったのだ。そして、神を見返す!その事が皿子の生きる支え?となっていった。この次からは、皿子VS妖怪のお話し になります。https://note.com/yagami12345/n/n083e34ebd3e4 ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #写真 #連載小説 #妖怪 #売れないKindle作家 #どうでもいいこと #蒸発 #鯛焼 #裕美 #役にも立たない話 #皿子 1