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NHK「スポヂカラ!」正代と熊本の絆

7/3のNHK-BS1「スポヂカラ!」では大関正代と熊本県の絆がテーマに取り上げられた。
https://www.nhk.jp/p/ts/LNMQ4YZN77/
 熊本県は2016年の大地震に続いて、2020年の豪雨災害が続き、多くの死傷者と建物の倒壊被害を受けた。宇土市出身の大関正代は、そんな熊本県の苦難に寄り添うようにして、消極的な相撲を前に出る相撲に改めて、初優勝して大関に駆け上がっていった。熊本県の住民の方々はそんな正代を自らの家族のように愛して応援して、心の支えとした。それを正代もわかっていて、熊本県の人々の心に応えようと精進した。もともと引っ込み思案で、人見知りの正代。十両昇進時には「誰とも当たりたくない」とテレビインタビューで答えて、当時の時津風親方に「バカじゃないの」と笑われ、「ネガティヴ力士」と綽名された性格だった。それが熊本県の災害を機に変わった。諦めのいい相撲から、胸から当たって前に出る相撲に転じた。心境の変化が取り口に進化をもたらせた。
 今、正代と共に相撲に取り組んでいた同級生も、違った形で活躍している。例えば、熊本農業高校相撲部で、正代と人生の苦楽を共にした片山大誠さん。熊本農業高校から東京農大に進む時も、一人で熊本県を出られない正代に、一緒に行ってくれるように頼まれて行動を共にした。今は、南陵高校総合農業科の教諭である。田んぼを遊水池化する「田んぼダム」で水害を防止するプロジェクトに参加している。水害を起こした球磨川流域の田んぼ3,300haで、500万m3=TOKYO DOME4つ分の貯水量をプールできる。片山大誠さんも正代の相撲を心の支えとしている一人だ。今でも親しいつきあいは続いている。「気は優しくて力持ち」。そんな力士のイメージを、いつも目を伏せている気弱な正代が担ってくれるギャップがまた初々しく愛らしい。

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