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高島康司「日本人が知らないグレートリセット・6つの連鎖 2029年までに起こる本当のこと」

高島康司「日本人が知らないグレートリセット・6つの連鎖 2029年までに起こる本当のこと」(徳間書店)。電子書籍版はこちら↓
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 日本や欧米各国のマスコミ報道は、欧米に都合の良い情報だけが流されている。そもそもロシアやプーチンが全ての紛争原因ではない。米国の対露封じ込め施策を軍需産業が後押しして、バイデン政権がその担い手となった。ゼレンスキー政権は米国の指示に沿っているだけ。実際には欧米の制裁によって、ロシアは打撃を受けるどころか、逆に新たな市場を得て、経済活性化している。著者の指摘する6つの連鎖とは、以下の通り。
1️⃣ウクライナで戦う極右の「アゾフ連隊」に実戦訓練された白人至上主義者の集団の母国への帰還で世界中が内乱テロ必至。
2️⃣対ロシア制裁がユーラシア経済圏の自立性を加速度的に捉進し、中ロが主導する新国際決済通貨の導入に至る道。
3️⃣対ロシア制裁は、ロシア国内のナショナリズムを高め、ロシア国民をプーチンの元に結集させている。
4️⃣ユーラシア圏における新国際決済通貨の導入で、現在のドルベースの金融システムの前提を揺さぶる金融危機となる。
5️⃣ユーラシア経済圏vs.ドル陣営は、新冷戦という言葉を超えて、米ソの冷戦構造以上の鋭い対立関係になる。2029〜2032年には第三次世界大戦が起こる。
6️⃣ユーラシア圏の欧米圏からの分離と緊張の高まりは、中国に台湾を武力統一する機会を与え、シーレーン封鎖が日本の食糧危機を引き起こす。
 この本はかなり大胆かつユニークな国際関係論であり、未来予測である。また欧米批判の立場からの分離独立を説いている。ここからは私見であるが、今後の世界は欧米主導から中印主導に移ってゆくことは大勢が認めるところ。ただロシアの国力の消耗で、中印露の世界主導とはならないのではないか。またインターネットの普及でグローバル化した世界が、大陸毎の独自性を確立することは時代の流れからしてあり得ない。それにしても対露制裁の効き目の薄さやユーラシア大陸構想を聞くと、時代が中印とBRICS主導に置き換わってゆくことは実感させられる。また今後の日本でのテロ多発やスピリチュアル志向の台頭など社会現象分析も注目に値する。そして何よりここまで第三次世界大戦をキッパリと予見している本も初めて。なかなか読み応えのある本だったので、各章の内容にも触れておきたい。
①パンドラの箱を開けた ウクライナ戦争
・2022年のロシア🇷🇺によるウクライナ🇺🇦侵攻を引き起こしたのは、ウクライナによるロシア挑発による。
・そもそも米国の軍需産業のニーズによってバイデン政権は、ウクライナによるロシア挑発を促している。紛争の長期化は米国🇺🇸の望むところ。
・安倍首相の殺害で、ニートによる無差別テロの頻発の恐れ。そして米露仲介の最適人物がいなくなった。
②2024年までに凋落する欧米
・ウクライナ軍のアゾフ連隊の1〜2割はネオナチ集団で、世界の同種組織と連携。彼らが欧米の最新兵器に熟練して、世界各国に散って叛乱を起こしかねない。
③2023年にも出現する 新国際決済通貨
・欧米のロシア制裁に対抗基軸として露中印やBRICを中心とした経済圏が勃興する。
・もはや民主主義vs.専制主義という勧善懲悪的な視点ではなく、欧米vs.非欧米の経済二極化の様相を呈し始めている。
④2025年までに 金融危機は起こる
・ロシア制裁によって引き起こされた物価高対策の欧米の利上げによって、欧米各国はコスト高による債務超過の危険を孕んでいる。
・ロシアは天然資源決済をルーブルで求めることによって、これまでのドル決済が前提であった資源流通が独立して機能し始める。
⑤高まるロシアの ナショナリズム
・古くはナポレオン、ナチスドイツ、そしてNATOにカラー革命(ジョージア、キルギス、ウクライナの親欧米政権樹立)、マイダン革命(ウクライナ)。欧米はいつもソ連・ロシアを追い詰めている。弾圧慣れしているロシア国民はプーチン大統領への共感で支持率が高い。
⑥2023年以降の対立激化、2029年に世界大戦
・世界は欧米圏とユーラシア圏という2つに分裂し対立する。そして衰退する欧米圏を、伸びしろがあって管理体制が強固なユーラシア圏が凌駕する。これは経済、文化、軍事全てで、アメリカの描いたグローバリズムが破綻して、大陸単位の独自の主権が確立してゆくことになる。
⑦2023年からの台湾有事と 日本の食糧危機
・ロシアのウクライナ侵攻は、中国が台湾併合を視野に入れた実証実験になっている。ペロン下院議長の訪台は、中国の大規模軍事演習の絶好の口実を与えた。そしてシーレーンが中国によって封鎖された時に起こることは、食糧自給率の低い日本の食糧危機と飢餓である。
⑧大戦争に至るタイムライン、 第8章 日本は大丈夫か? 2023年以降の激変期
・安倍晋三元首相の殺害から、ネット難民「無敵の人」のテロ多発やスピリチュアル志向の台頭。かつての日本は神道的神秘体験から政変に走った暴徒の歴史があった。自由主義は破綻を迎え、むしろ専制的な管理主義がSNSによるテロ暴発を食い止める。日本が欧米の手下で終わるのか、ユーラシア圏に近づいてゆくのか、これからが正念場である。


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