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BIRDER編集部「とことんカラス」

 BIRDER編集部「とことんカラス」(文一総合出版)。電子書籍版はこちら↓
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 知人が紹介されていて、面白そうだったので読んでみた。とってもビジュアルな本である。本のあちこちにカラスたちの愛らしい姿が掲載されている。おそらくは高い機材と高度な撮影技術と入念な準備によって、表情豊かな接写である。
 もちろんこの本は単なる写真集ではなく、カラスの生態や人との関係などを解説した楽しい読み物になっている。われわれが主に目にするのはハシボソガラスとハシブトガラス。水道栓を開ける、車に轢かせて胡桃を割る、道具を使って捕虫するなど知能が高い動物である。人間の顔や表情も認識でき、数量も知覚している。ゴミ漁りをしているようで、水浴びを日課とする綺麗好きで、家族思いで情愛深い。一方で屍肉を貪り食べることで不吉な印象も持たれた。ちなみにカラスは「狩猟鳥獣」に指定されているので、捕獲飼育しても通常の野鳥のようには罪には問われない。
中でも都市伝説の検証は笑えた。カラスが賢く、不吉に思われたことからの、いずれも迷信や思い込みである。
①お金を渡すと自販機で物を買う
②カラスの死骸はどこにも見当たらない
③カラスはネズミ算式に増えてゆく
④カラスが騒ぐと地震が起こる
⑤東京のカラスは進化している
⑥光る物が好き、嫌い
⑦黄色が見えない、嫌い
⑧目をつついて攻撃する
⑨屋根で鳴くと、その家に死人が出る
⑩協力してゴミネットを持ち上げる
⑪ ひとたび目をつけられるとどこまでも追われる 


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