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【船霊といのり】エピソードトーク『酔っ払う亀』と『ふなだまさん』

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【酔っ払う亀】
父親は部類の酒飲みで無骨。照れもあり私とは話さないし、本当のことは私に言わないので酒飲みの友人知己を挟まないと様々聞き出せない。

漁の話は人に酒飲みながら話してることを私がメモる。

漁の仕掛けの話は奥深くて、山と海を繋ぐ境目に魚がいる話や、鳥の動き潮の流れ地形の考察踏まえた上で魚ををどうやって仕掛けて獲るかは博打でもあり、場所とりと仕掛けの事は当然ながら毎日考えていた。

しかも誰よりも早くその狙った場所に行かないとならないから緊迫してる。とはいえ、自然相手なので毎日沖には出れない。
それとは関係ないが海の博打だけではなく丘に上がっても博打はひっきりなしにやってる。先祖(親)に教えててもらった「山立て」の技術は奥が深いらしい。今は魚群探知機あるけどやはりそれだけではないキャリアによる詠みが必要なのだろう。

そうそう、漁の網に亀がたまに引っかかってくるらしい。亀は長生きで縁起物。賢くてしてもらったことを覚えてるらしく、酒を飲ませて海に返してあげると大漁を授けてくれるらしい。父親は、亀が網にかかると酒を飲まして「ようけ魚とらせてくれよ」語りかけては海に返して上げるらしい。

で、中には酒に酔っ払う亀もおったとな🐢

ほんまやろか。


亀が網に引っかかってきて酒を飲ましてあげると言う話は父の漁師友達や弟からも同じ話を聞いた。亀は海の神様でお神酒を上げるようなもんなんやろな。


あ、昔は弁当を持参してたが、船の上では四つ足物を食すのは御法度、弁当のおかずにも入れたらあかんのやと父親は言ってた。



【ふなだまさん】

どんなに酔っ払っても父親は「ふなだまさん(船霊様)」への年末年始の御挨拶は欠かさなかった。

年末には漁船に門松立てて塩とお神酒でお浄めと一年の締めくくりのご挨拶、年始にはお神酒と塩、のし餅等お供えを持参しては乗り初めのご挨拶をする。

年末年始になるとしきりに「ふなだまさん」のワードが実家に飛び交っていた。まさかふなだまさんが船の神様だどは、やはり大人になるまで知らなかった。

そして、漁船に女を乗せることを許さなかったのも女の神様とされる船霊様への儀礼で、漁船で四つ足を食べるのは御法度だと父親が話してたことがあるが、全ては穢れるからだ。あと、女が漁網を跨ぐと魚が獲れないも言われてたとな。

先代からもいい伝えてこられたこのようなしきたりはじめ人間がつくりだした信仰が私にはとても興味深かった。

今展示中の「船霊といのり」のテーブル席に展示されている船霊様は、知り合いの亡くなられたお父様の漁船から出てきた御神体だそう(写真4.5.6)。

この場に展示していただいて感謝だと娘さんから経緯とほんの少しお父様の思い出話を伺った時は胸がじんとした。

私にはどの船霊様も喜んでるように視えた。

〜【船霊といのり】エピソードトークより〜


【企画展】矢田勝美 展 「船霊といのり」 
【日程】2020年7月20日(月)~10月11日(日) 
【会場】鳥羽市立 海の博物館
@sea_folk_museum
【住所】〒517-0025 鳥羽市浦村大吉1731-68
【開館時間】9:00~17:00
【TEL】0599-32-6006
【入場料】大人800円/大学生以下400円 
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【いのりの映像公開中】
2020年9月5日(金)~10月11日(日)
▷映像制作:#戸高翼 @tsubasa_syouten 
▷音源:#津田貴司
▷協力:#海の博物館
▷写真:#高田沙織 @saori0031 
(写真2 : 矢田勝美)

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