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船の神様「船霊様(ふなだまさま)」


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2020.7.20_船霊さん解説1

2020.7.20_船霊さん解説2

2020.7.20_船霊さん解説3

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船霊様(ふなだまさま)  

「船には船の神様「船霊様」がおいでになる」
船霊様は漁師を守る、船の神様。
ふなだま=船玉・船霊・船魂と、表記はそれぞれ。

船大工が念を込め、密かに祀(まつ)っている。漁師、船大工以外には知られていない。船に女性が乗れないのは船霊様が女性で、嫉妬するからだといういわれがある。


「船大工が作り、念を入れて、密かに船に祀(まつ)る」
地域によって異なるが、船霊様は、木造船の頃は、帆柱を支える筒柱か
船梁(ふなばり)に四角い穴を掘ってご神体を納めていた。

機械船になってからは、四角い角材に穴を四角く彫って、同じく船霊様のご神体を納めて、船の操縦室か船槽(ふなうけ)に打ち付けて、祀(まつ)っていた。


「船霊様のご神体」
・男女一対の人形
・麻のひも
・サイコロ2個
・五穀(米、麦、ひえ、あわ、大豆)
・銭12枚(近頃は10円玉を12枚)
・船大工の伴侶の髪の毛


「サイコロ2個の意味合い」
蓋を開けて正面に数時の3、お互いが2が合わさる様に置くと、
このような呪文が生まれる。

『天一、地六、表三(見)あわせ、梶四あわせ(幸せ)、櫓櫂(ろかい)五と五と、中に二(荷)がどっさり』
このようにして縁起をかつぐ。

海に完成した船を初めて下ろす「船おろし」や「進水式」の前に、
船大工が誰にも見せず一人で船霊様の念を入れて、船に祀(まつ)る。


「船霊様は漁師に危険を知らせてくださる」
西日本の広い範囲にわたって、嵐の前触れや、
危険な場所に近づく時、船霊様が
『チチチ・・・』などと鳴いて、危険を教えてくれるといういわれがある。

「船板一枚下は地獄」といわれる大海原で、これで最期かと思うような怖い目にあった時に、神仏に一心に手をあわせていると、荒れ狂う海が一瞬静まり、天空に一筋の光明が差し、日頃から信心している神様や船霊様が白雲に乗って現れたという体験談がある。


不漁が長く続いたり、船乗りの不幸があった時は、船霊様を入れ替え、祀(まつ)り直す。


「船霊様のまつり」
我が身を守ってくれる船霊様を、漁師は手厚く信仰してきた。
暮れにはお神酒と塩で船を浄め、門松を建てて、一年の感謝の意を示す。

正月の二日の零時を回ると、船霊様に『乗り初め』という儀式を行う。お神酒、塩、洗い米、ひし餅、のし餅、串柿などのお供え物を持って船に乗り込む。

文:矢田勝美

※参考文献・・・ #言霊論 (こだまろん) 家・船・橋の民族 / 神野義治 著(白水社刊)引用

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【企画展】矢田勝美 展 「船霊といのり」

【日程】2020年7月20日~10月11日

【会場】鳥羽市立 海の博物館

【住所】〒517-0025 鳥羽市浦村大吉1731-68

【開館時間】9:00~17:00

【TEL】0599-32-6006

【入場料】大人800円/大学生以下400円

※コロナウィルスの感染拡大の影響により、変更の可能性有

1枚目の写真:高田沙織


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