ヤダヤムクン

お笑いやってます。ニュースタッフプロダクション。埼玉県川越市出身。よろしくお願いします。

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最近の記事

【いくつかご報告】

こんにちは。ヤダヤムクンです。読んでいただいてありがとうございます。 いくつかご報告が重なってTwitter、いやX(Xのことどう呼んでいいかわからないから毎回こんな感じになる。みんなはどうしてる?)に書き切れなそうなのでこのnoteに書かせてもらいます。 ご報告① 「コンビ組みました」 今までユニットとして活動してきたエビヤムクンですが、正式コンビになりました。ようやくコンビ組みました。やっとです。 2021年の8月に前のコンビ解散してから2年ちょっと。新しいコンビを

    • #650「狙ってくる教官」

      ジュンイチは修了検定を受けるために、指定された教習車の前に向かった。 教習車の前には髪の短いおばさんの教官が立っていた。 「え、やだ!!!」 ジュンイチの顔を見るなり女の教官は叫んだ。 「え、なんですか!?」 「………どタイプ!」 「は!?」 「どうしよう!!髭が生えてる顔の濃い30代来ちゃった!大好物来ちゃった!」 「え、あ、」 「あ、あの!今日担当させてもらう…教官のマツイです。気軽にクミコって呼んでください///」 「え?クミコさんって呼んだらいいんで

      • #649 ずっと一口目みたいな男

        「っっあー!!うめえ!!」 後輩はジョッキの飲み物を豪快に一口飲んだ。 「本当今日みたいな日は飲むに限りますよね!」 「まあ、そうだな。」 「俺思うんですよね。あの部長さえいなくなれば、今の職場すごいいい環境になるのになーって!」 「まあ、そうだな。」 「だって今日だって元はと言えば部長のミスですよね?」 「そうだな。部長の指示で俺たちは動いたわけだからな。」 「それなのに自分のことは棚に上げて俺たちに偉そうに怒りやがって。っっあー!!!うっま!!!」 後輩

        • #648 手応え感じた男

          「後ろこんな感じになってます。」 美容師の男は鏡を見せた。 「はい。ありがとうございます。」 「いやー、すごいいい感じです!」 「ですよね!すごいイメージしてた通りの感じです!」 「え、ですよねえ!やっぱりそうですよね!お客様的にもすごいいい感じですよね?」 「はい、いい感じです。」 「ですよねえ。いや普通ね、こんな綺麗にパーマかからないですよ。」 「そうですか!」 「うわあ、傑作だ!」 「はい?」 「お客様、僕の美容師人生の中で一番の傑作です!」 「

        【いくつかご報告】

          #647 コーヒーを飲みに来た男

          ノブオは喫茶店の扉を開けた。 「おかえりなさいませ、ご主人様!」 メイド服を着た若い女が出迎えた。 「あの、1人なんですけど。」 「かしこまりました!おかえりなさいませ!」 「おかえりなさいませ?」 「では今からお屋敷の方にご案内しまーす!お屋敷の中にどうぞ!」 「お屋敷?あ、すみません。お屋敷とかは別に大丈夫なんですけど。」 「はい?」 「席に案内していただけませんかね?普通にコーヒー飲みに来ただけなんで。」 「私たちの世界では、お席ではなくお屋敷となっ

          #647 コーヒーを飲みに来た男

          #646 怖がられる男

          仕事終わりの24時、ノジマは疲れ切った様子でフラフラと家に向かって歩いていた。 酒屋の角を曲がって神社の前の通りを歩いていると、雑木林から何やら物音がした。 ノジマは足を止めて、音の方へ振り向いた。すると雑木林から、白い服を着て青白い顔をした髪の長い女の霊が出てきた。 「うわっ!」 思わずノジマは声を上げた。 「ギャーーーー!!!!」 そんなノジマの姿を見た女の霊は悲鳴を上げた。 「え?」 「ギャーーーー!!!なに、え、ちょ!怖い!怖い!」 「え?なんで?あなた

          #646 怖がられる男

          #645 笑ってほしい男

          「あー、どうも!本日担当させていただくカメラマンのヤマキです!」 カメラを持った感じの良さそうな男が、カトウのキャベツ畑にやってきた。 「いやー、立派な畑ですね。」 「ありがとうございます。」 「今回は店内のポップに掲載される、生産者の写真撮影ということでよろしいですかね?」 「あー、はい。なんかプロのカメラマンさんに撮られるのって緊張しますね。」 「緊張しなくていいんですよ。普段通りリラックスしていただければ。」 「はい。」 「じゃあ早速撮っていっちゃいまし

          #645 笑ってほしい男

          #644 しまってほしい男

          「こちらの物件なんかいかがでしょうか?」 女の店員はそう言って物件情報が書かれた紙を机の上に置いた。 「こちら駅前ビルの一階で、以前も飲食店が入っていた物件なんですね?立地にしては家賃も高くないですし、非常におすすめなんですけれども。」 女の店員の提案に、男は黙って考え込んだ。 「んー、やっぱりここも違いますかねえ。」 「あ、あの…。」 女の店員が次の物件を探そうとした時、男が言った。 「あの…一回その胸の膨らみしまえます?」 「………はい?」 「あの…真面

          #644 しまってほしい男

          #643 寝てほしい男

          夜遅くの電車に揺られながら、男はウトウトしていた。 自然とまぶたが閉じ、意識が遠のいていった。そして男の体は次第に傾き、隣の男の肩にもたれかかってしまった。 「わ!ええぇ!?」 もたれかかられた男は声を出した。 「え、あ、すみません。」 眠っていた男は、隣の男の声で目を覚ました。 「ごめんなさい!」 「あぁ‥。うわぁ…。」 もたれかかられた男の目にはうっすらと涙が浮かんでいた。 「え、ごめんなさい。なんか泣いてません?そんなに嫌でした?」 「いえいえ!全然い

          #643 寝てほしい男

          #642 諦めないでほしい男

          ピンポーン 日曜日の午前中、マサルの部屋のインターホンが鳴った。 「はい。」 マサルが部屋を開けると、そこには白髪の男が立っていた。 「あ、あなたは…。」 「もうワシのことを忘れてしまったかな?」 「いいえ。雲龍先生ですよね?なぜここに。」 「いやあの〜…最近うちの工房の前に立ってないから。」 「は?」 「この前まで毎日うちの工房の前に立って、ワシの仕事終わりに弟子入りさせてくれって頼みに来てたじゃないか。それなのに、なんか急に姿見せなくなっちゃったから。」

          #642 諦めないでほしい男

          #641 撮られる男

          「じゃあ今日から撮影の方初めて行きますので、よろしくお願いします。」 カメラを持ったディレクターが言った。 「普段通り、仕込みやってればいいんですよね?」 シェフが尋ねる。 「はい。お店紹介のVTRで使う素材を撮りたいので。まあカメラ持ってうろうろしてますけど、気になさらず。自然な画を撮りたいので。」 「わかりました。」 「じゃあお願いします。」 ディレクターはカメラの録画ボタンを押した。 「どうぞ。もうカメラ回ってるので。もう本当に普段通り自然な感じでお願い

          #641 撮られる男

          #640 忘れない男

          「そうなの!俺ね、タバコだけは忘れたことない!俺結構忘れ物とかするんだけど、タバコだけは絶対右ポケット入ってる!」 「へえ、そうなんだ。」 閉店間際の居酒屋で男と女が話を続けていた。 「あ、あとイヤホンね!イヤホンも絶対忘れない!音楽聴きたい欲強すぎて、絶対忘れないの!俺音楽ないとマジで無理でさ…」 男は話ながらグラスを傾けたが、中には氷しか入ってなかった。 「あ、すみませーん!」 「ハイ。」 中国人の店員がやって来た。 「レモンサワーもらっていいすか?」

          #640 忘れない男

          #639 辞めたい男

          「やっぱり気持ちは変わらないか?」 上司は部下に尋ねた。 「そうですね。今月いっぱいでこの会社を辞めさせてもらいます。」 「まあお前の気持ちが固まってるなら仕方ないけど。できれば辞めないでほしいんだよな。お前はうちの会社の若手のエースだし。」 「そう言ってもらえるのはすごいありがたいんですけど。僕の気持ちは固まっちゃってるんで。」 「なあ、なんで辞めちゃうんだよ。何か他にやりたいことがあるのか?」 「いや、特には。」 「じゃあなんだ?何か会社に不満があるのか?俺

          #639 辞めたい男

          #638 アドバイスを聞く男

          「じゃあ、お疲れ様です。」 カトウは少し遠慮がちに、タナベのジョッキに自分のジョッキを合わせた。 「いやー、タナベさんと飲めて本当に嬉しいです。ずっと色々お話聞いてみたかったので。」 「そんな風に言ってもらえて嬉しいよ。」 「タナベさん、営業の成績が毎月すごいじゃないですか。僕全然ダメなんで、営業のこととか色々聞いてみたいなーって思ってて。」 「ああ、まあ俺でよければ。答えられる質問は答えるよ。」 「タナベさんて、普段どうやって営業してるんですか?」 「どうやっ

          #638 アドバイスを聞く男

          #629 臨場感のある男

          ノグチが休憩室に入ると、イシバシが椅子に座ってうなだれていた。 「おい、どうした?」 ノグチは心配そうに声をかけた。 「ああ、お疲れ。」 「なんかあったのか?」 「聞いてもらえる?」 「うん。なになに、どうした?」 「さっき部長にすごい怒られてさ。」 「えー、なんでなんで?」 「呼び出されて部長のところ行ったら、その時点ですごい怒っててさ。」 「うん。」 「イシバシお前さ、俺が昨日頼んだ資料コピーしといてくれた?って。」 「うわあ・・。」 「昨日頼ん

          #629 臨場感のある男

          #628 インドカレー屋の男

          「ナン、オカワリ、ダイジョウブ?」 頭にターバンを巻き、口髭をたくわえた店員が片言の日本語で客に尋ねた。 「あ、もうこれだけで大丈夫です!」 「ダイジョウブネ?」 「いやー店員さん。ここのカレーめちゃめちゃ美味しいですね。僕が探し求めてた味ですよ。」 「ホントニィ?ウレシイネ!」 「実は僕ね、大学時代に自分探しの旅でインド行ったことあるんですけど。その時に食べた本場のインドカレーの味がどうしても忘れられなくて、似たようなカレーをずっと探してたんですけど。ようやく見

          #628 インドカレー屋の男