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漫画のための!Claudeで映画分析100本ノック:はじめに

いい漫画を描くにはいい絵だけじゃダメ(あたりまえ)

私は趣味で漫画を描いています。主にAIを使っていますが、中にはAIがあれば簡単に作品が描けると思っている人も多くいます。
ただ、実際に描けばわかるのは、いい絵が並んでいても面白い漫画には到底ならないということです。

シンプルな絵だってストーリーや構成次第で超絶面白い漫画になります。

嘘だと思ったらこれ読んでください。

絵自体は結構シンプルでギャグよりなのですが、ストーリーは重厚。数ページめくるだけで「ちょっとちょっとどうなっちゃうの!」と引き込まれること請け合いです。天才です。

どうやったらこんな漫画のストーリーをかけるのでしょうか?第一線の方は何をインプットしているのでしょうか?

ということを調べていると、だいたい映画という結論になります。

映画に影響を受けている漫画

映画はそのビジュアルスタイル、テーマ、ストーリーテリングの手法において、多くのメディアと文化に深い影響を与えています。

特に漫画は、映画から多大なインスピレーションを受けることが多いジャンルの一つです。以下に、映画の影響を顕著に受けているいくつかの漫画家とその作品を紹介します。

荒木飛呂彦

『ジョジョの奇妙な冒険』で知られる荒木飛呂彦先生は、西部劇やホラー映画といった多岐にわたる映画ジャンルから影響を受けています。

先生の作品には、映画的なフレーミングや独特の色使い、ドラマティックなキャラクター造形が見られ、これらが物語性を強化しています。

承太郎のモデルはクリント・イーストウッドというのは有名ですね

この本は本当に勉強になることばかりですが、引用元がほとんど映画。映画愛に溢れた漫画術本です。

藤本タツキ

『チェンソーマン』の作者藤本タツキ先生は、エクスプロイテーション映画やカルト映画の影響を受けたスタイルで知られています。

先生の作品は、過激なビジュアルとオマージュとひねりを加えた物語構造で、ぱっと見ジャンプらしくない、でもある意味王道ジャンプ(デビルマンもそんなかんじですよね)な漫画です。

漫画の中の構図もそうですが、アニメのOPのオマージュ祭りは話題になりましたね

浦沢直樹

浦沢直樹の作品、特に『MONSTER』や『20世紀少年』は、ヨーロッパの映画やスティーブン・キングの作品からの影響が見て取れます。

彼の漫画は、複雑なキャラクターの心理描写と緻密なプロットで、映画的な深さとリアリティを漫画にもたらしています。

MONSTERより。この見せ方もぞっとしますよね・・

大場つぐみ、小畑健

『デスノート』の大場つぐみ先生と小畑健先生は、クライムスリラー映画から強い影響を受けています。
『セブン』や『ザ・シルエンス・オブ・ザ・ラムズ』のような映画が、この漫画の緻密なサスペンス構築と心理戦に影響を与えています。

心理戦はめっちゃ疲れますが、こういうほっこりシーンに癒やされます

なぜ映画が参考にされるのか

映画は「第七芸術」とも称され、その表現力は他の多くのメディアよりも豊かで多様です。映画は視覚的な情報と音響を駆使して感情を喚起し、短時間で強烈な印象を観客に残すことができます。

ときわ荘では彼らは漫画の話はほとんどしなかったと言います。主に映画の話で盛り上がっていたそうです。手塚先生は完全にディズニーの影響を受けていますよね。

鉄腕アトムはピノキオ説

このため、漫画家たちは映画の手法を借りることで、漫画という限られた枠内でより効果的な物語を展開させることが可能になるのだと思われます。

(まあ、あとは予算めっちゃかけられ、多くの人に見られて結果が一目瞭然なので、時の試練に勝っている映画は相当ふるいおとされた作品だと言えますね)

生成AIによる映画脚本分析、どうやるか?

というわけでたくさんの映画を分析して、漫画に活かせる部分を抽出していきたいと思います。このシリーズでは特に脚本に注目して分析していきます。

本当は構図なども参考にしたかったのですが、こちらは画像分析が相当しんどいと思ったので今回は対象外にしました。

生成AIに適したフレームワーク

映画の脚本はその構造が非常に精緻で、明確なフェーズに分けて物語が進行します。三幕構成、ブレイク・スナイダーのビートシートはその中でもメジャーなものです。

特にビートシートはハリウッド生まれなので映画分析にはもってこいなのですが、応用先が漫画で個人的には登場人物の心理描写を中心に分析したいので別のフレームを使うことにしました。

フレームワーク:金子満 物語13フェーズ理論

金子満の提唱する物語13フェーズ理論は、物語を13の段階に分け、各フェーズで何が起こるのかを詳細に定義します。この理論により、物語の骨組みを明確にし、効果的なストーリーテリングを行うための基盤を提供します。

三幕構成の発展系でブレイクスナイダーのシートとも似ているのですが、特にキャラクターの葛藤や成長、苦難を克服していく様を追いかけていくので、群像劇でも一人一人をおいかけて分析することも可能です(ブレイクスナイダーのものはあくまで一つの脚本を対象としている)

生成AI:Claude

今回使うツールはClaudeにしました。いくつか試してGPT4よりも映画の知識量が多い印象だったのが選定理由です。GPT5になったらこっそり変えているかもしれません。

Claudeを使用することで、映画のどの要素が成功に寄与しているのか、またその要素がどのように観客の感情に影響を与えるのかを詳細に理解することができます。


このシリーズでは、これらの理論やツールを用いて、具体的な映画分析を通じて、映画がどのように漫画の創作に影響を与えるかを考えていきます。

こちらに作品を追加していますので、是非フォローしてくださいね!


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