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読書「渓の旅、いまむかし」 高桑信一著 山と渓谷社 沢旅の語り継ぎ・読み継ぎ

本書との出会い
ここ数年、読まない本はヤフオクで売り、なるべく新しく本を買わないようにしています。
それでも買いたい時は、電子書籍でなくリアル本を買います。高桑さんの新しい本が書店にならんでいたのを見つけ、じっくり読みたいと思い、購入しました。

語り継ぐ・読み継ぐ
noteの別の記事で、川崎精雄さん(1907年生まれ)の「藪山・雪山」と本書の関係を書きました。二人は、年齢の差が42年ありますが、共通しているのは群馬県、福島県・新潟県の県境域山などの山々を愛し、沢登りと残雪期の雪山歩きを中心に活動している(していた)ことです。
二人と並べられない私ですが、同じ山域で長く遊んでいます。川崎さん、高桑さんが語られていることと、私の経験で、この90年、語り継がれた山と沢に関して、変わってしまったこと、失われてしまったこと、反対に変わらずに残っている(残されている)ことを読み継いでいます。

本書の使いかた
本書では、高桑さんの活動のうち、あるていど経験がある人なら、楽しめるルートが厳選されてガイドされています。ガイドブックのなかには、複数の登山者の原稿の寄せ集めなものがあり、ルートごとに記述のブレがありますが、この本は、全て高桑さんの経験で書かれていてブレがないです。いくつかのルートは、過去の記憶で書くのでなく、ここ二三年に実際に歩かれた紀行文になっているのが、いいですね。
紀行文になっている、宝川のナルミズ沢、偶然、今年の7月に20年ぶりに、遡行しており、このページは2ヶ月前を思い出しながら、読みました。


写真1 天国のつめなんて、言う人もいうナルミズ沢の源頭
写真2 上部のナメ滝、正面は越後烏帽子岳
写真3 本書の表紙(著者撮影)

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