台湾のマンション販売関連事情（１）

今日は台湾の客変についてお話したいと思います。

• まずは台湾での新築マンション販売事情をお話いたします。
  台湾では、デベロッパーの新築マンション販売方法には、「預售屋」と「 新成屋」という２つの方式があります。簡単に説明すると建物完成前に販売するのが「預售屋」、建物完成後に販売するのが「 新成屋」です。
  
  一般的な「預售屋」案件では、日本で言う建築確認申請許可取得後から販売を開始し、およそ半年から９ヶ月程度の時間をかけて住戸を販売します。
  なぜ一般的にそうなのかは下記の要因が絡んでいます。
  
  １）建築確認申請許可を取得しないと正式販売できない
  ２）販売関連費用節約のために販売センターを建設予定地に建設する
  ３）台湾では建築確認申請許可後、半年以内に着工申請を提出しなければならない（３ヶ月の延長可）
  ４）着工申請を申請するためには工事用の仮囲いを設置しなければならない
  
  ですので、仮にこの期間に売り切れない場合は、他の場所に販売センターを移して販売を継続するか、一旦は販売を中止して「 新成屋」として建物完成後の販売開始を選択する形となります。

購入者にとって「預售屋」と「新成屋」のどちらを購入するのが良いかは一概には言えませんが、「預售屋」のほとんどは客変サービスが提供されます。

客変サービスは簡単に言うと、「比較的安い価格で自分好みの間取りに変更できる」サービスです。客変サービスが提供される期間はデベロッパーによって様々ですが、最も遅い場合は、購入階の床コンクリート打設３ヶ月前ぐらいまで提供される場合もあります。
そして購入者はこのサービスを利用することにより、引き渡し後の内装コスト及び工事にかかる時間を大幅に節約できます。

日本ではあまり想像できないかもしれませんが、住戸引き渡し後半年ぐらいはマンション全体が住戸内の内装工事を行っているような状態です。
ですので、台湾に来てマンションを借りる際には、できるだけ新築マンションは避けたほうが良いです。場合によっては昼間はずっとどこかの住戸から内装工事の騒音が聞こえてきます。また、マンション自体も初期トラブルが発生しやすいです。

話が少し逸れてしまいましたが、客変時に一般的に変更できる内容は下記の内容になります。

　・住戸内の間仕切壁及び建具の移動及び変更（新設・取消）
　・コンセント、照明スイッチ等の移動及び変更（新設・取消）
　・床材、建具、キッチンの色の選択
　・各種建材、設備の変更（取消、アップグレード等）
　・水廻り配管の位置変更

この客変を行うために多くの購入者は、インテリア設計師に設計を依頼します。設計の契約内容は様々あると思いますが、客変のために設計する内容はおおよそ下記の内容の図面になります。

　・平面配置図（間仕切配置図）
　・コンセント等電気配置図
　・照明、スイッチ配置図
　・水廻りの配置図
　・空調機器配置図

上記の内容がおおよそ決まれば、デベロッパーに対して客変サービスを受けるための図面を作成できます。
この段階でどこまで細かく決めるかは各購入者によって様々ではありますが
多くの購入者及び設計師はこの時点では大まか方向性までしか決めない場合が多いです。
その理由としましては大きく下記の２つがあります。

１）客変サービスを受けてから住戸引渡しまで一定の時間が空くので、考え方が変わる可能性が大きい（多くの案件では２～３年の期間が空く）
２）台湾のマンションは施工精度があまり良くないので、インテリア設計師は引渡し後に現場測量をして、その寸法を持って初めて詳細設計を開始する

私自身はデベロッパーとしてもインテリア設計者としても、どちらの立場とも経験したことがありますが、周りの住民とは違う間取りや内装に住みたい、自分オリジナルの住居に住みたいという欲求の強い台湾の人達にはとても適しているサービスだと思います。そして、日本人と違って台湾人の人達が自分の住居に凄いこだわりを持っていることがすごく伝わってきます。

なんだか内容がグダグダになってきましたので、最後にAIにまとめてもらいました。

□まとめ

台湾の客変サービスは、購入者が自分好みの間取りや内装にこだわることができるサービスであり、日本とは異なる新築マンション販売方法を持っています。これにより、購入者は引渡し後の内装コストや工事時間を節約できます。ただし、新築マンションに住む際は、内装工事の騒音や初期トラブルが発生しやすいことも考慮する必要があります。
客変サービスは、台湾の人々が自分だけのオリジナルな住居を手に入れることができる魅力的な選択肢であり、住宅市場において独特の文化を形成しています。インテリア設計師の役割も重要であり、デベロッパーや購入者と連携して、理想的な住まいを実現するために必要な図面や設計を提供することが求められます。これにより、台湾の新築マンション市場は、購入者のニーズに応える多様な選択肢を提供しています。