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PPP的関心【オープンデータ。オープンの意味について】

良識の府である参議院に送り込む代表を決める選挙が終わりました。自身の思惑や価値観との同異は別として、自身の主義・主張だけを正しいとするかのような、勝ち負けに終始するかのような議論に時間と力を費やす姿ばかりを見せられるのは決して良識の選択期間とは思えなかったというのが個人的な感想です。
「良識=社会で一般的に承認されている健全な物の考え方、偏らない適切・健全な考え方やそういう態度」という期待のもとに、選ばれた人々には良い社会に導くための是々非々の態度を見せてくれる代表であってほしいと思います。
と、ここまでの話とは全く関係ないのですが、今回はデータは開かれているがその活用(使い勝手)には課題があるという記事を目にしました。今回はそれに関して考えたことを書きます。

*写真は先日訪問した「花巻おもちゃ美術館」で撮った1枚。
データの話を考えていて、ブドウのクラスター(房)を模った木のおもちゃのように、個々のデータが集積されてその塊の中で一定の役割を持つというイメージが湧いたので・・・(謎)。

オープンデータ。オープンの意味

人口統計や公共施設の場所など自治体が持つ様々なデータを二次利用が可能な形で提供する「オープンデータ」の取り組みが急速に広がっている。公開する市町村は2022年で7割に迫り、5年前に比べ4倍強となった。域内全ての市町村が公開した岐阜県や静岡県では公共交通の利便性向上やビジネス創出につなげた。ただ、依然として自動処理しにくいPDFファイルでの公開が中心で「質の向上」に向けて課題も多い。

記事より抜粋

#日経COMEMO #NIKKEI

オープンデータの意義・目的と定義(総務省)

総務省のホームページによれば、オープンデータとは

■①国民参加・官民協働の推進を通じた諸課題の解決、経済活性化、②行政の高度化・効率化、③透明性・信頼の向上
を目的として
■国、地方公共団体及び事業者が保有する官民データのうち、国民誰もがインターネット等を通じて容易に利用(加工、編集、再配布等)できるよう、次のいずれの項目(①営利目的、非営利目的を問わず二次利用可能なルールが適用されたもの、②機械判読に適したもの、③無償で利用できるもの)にも該当する形で公開  
されたデータ、とあります。

参照:オープンデータ基本指針(平成29年5月30日高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部・官民データ活用推進戦略会議決定)

記事と定義を参照すると、記事が指摘する「課題」とは、主に「容易に利用(加工、編集、再配布等)できる」というあたりに対する不満足ということになります。
確かに地域で起こっていることの背景や傾向を確かめようとする時に、セルの不揃いといったレベルに始まり「使い勝手の悪さ」を実感した経験は個人的にも少なくありません。

オープンデータとEBPM

オープンデータ化の推進背景には様々な狙いがあると思いますが、その一つに、政府の行政改革におけるEBPMの推進があると思います。
EBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング。証拠に基づく政策立案 )については今更述べるまでもないと思いますが、事実に基づく問題認識や課題設定をし、問題の発生過程の仮説に基づき解決策を定め、定量的変化を確認することで政策効果を測るというプロセスを経るということです。
その際、行政におけるデータ利活用の必要性については、行政内のデータを公開・利活用するだけではなく民間にあるデータも利活用すること、つまり「よりオープン」なデータを使うことが前提となっています。

活用すべき既存のオープンデータの例

冒頭の記事のようにまだまだ公開はできているけれども形式や二次利用の使い勝手においては途上という中でも、以前にも書いたように(リンク参照)既に公開されている情報の中には、使い勝手の良い(或いは一覧性の高い)情報整備が進んでいるものもあります。その一つがRESASです。

施策(政策)を企画・実施する側だけでなく、自ら地域に必要な取り組みを提案、実践する民間企業のいずれにおいても、オープンデータ活用、ビッグデータ活用など「従来は集めにくかった情報、使い勝手の悪かったに情報」を使って新しいサービスの創造やプロセス改革、結果検証と価値(効果)の判断を正しく回すために、オープンデータを使いこなしたいものです。


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