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焚き火は、人と人をつなぐ媒介者

僕はキャンプ中、だいたい火の番をしている。

細い薪をくべて、火を起こす。火が安定し始めたら、徐々に太い薪を入れていく。火加減を調整しながら薪を追加していく。そんな静かでゆっくりとした作業が大好きだ。

それに火つけが終わった後もまたよくて、薪の赤身が空気に沿って揺れるように変わる様だったり、静かな環境の中でパチパチと鳴り響く音だったり、薪が燃えつきてガサッと崩れる瞬間だったり、本当に見ていて飽きない。

ただ、僕の焚き火の一番好きなところは他にある。それは火を囲む人たちの顔をめちゃくちゃ素直に照らしてくれることだ。

焚き火を囲むと、みんな目がそこに向かう。そうすると、自然と笑い話も辛い話もいろんな話がでてくる。肩の荷をおろして、溜まっていた気持ちを焚き火に投げ込んで、心がすごく柔らかくなる。そしてその瞬間は決まって誰もが素になっていて、いい顔をしているのだ。

だから焚き火は、媒介者だ。本当にそう思う。人を真っ直ぐにしてくれて、人と人を繋いでくれる。無心でそこに自分を預けられる橋渡し役だ。

美味しいお酒やご飯も人と人の関係を深めてくれるものだけど、焚き火はちょっと違う。もっと肩書きや立場を超えて、素と素で向き合える。そんな感じが、またいい。

夏がピークを迎えている。でもきっとあっという間に秋になるだろう。年を越すまでに、あと何回、誰とどんな焚き火ができるだろう。一緒に焚き火がしたい人を思い浮かべながら、ゴロゴロする。そんな日曜の夜だ。

#ブログ #コラム #エッセイ #日記 #焚き火 #人

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