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1分読書メモ:これからの「正義」の話をしよう

幸福の最大化(功利主義)、自由の尊重(自由至上主義)、美徳の涵養(共通善に沿っているか)という3つの視点から、正義とは何かを考える内容。

幾つもの思考実験が登場し「自分だったら何を正義とするか」を深く考えることができるので非常に面白い。

本書に出てくる思考実験の中で有名なのはトロッコ問題だが、考え抜いて自分なりの正義で答えを出したとしても、「死ぬのが自分の友達だったら?」「死ぬのが5人ではなく1000人だったら?」「暴走したトロッコを止める方法が目の前にいる人を突き落とすことだったら?」と条件を変えると途端に回答が変わってしまう。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/トロッコ問題

自分の正義の脆さと、唯一の正義はないということに気付かされる。

本書の最後に「大切なのは正義に対する議論をやめないこと」と締めくくられているように、正解がないからこそ常に考え続けることが大切であるし、「もしかしたら自分は偏った見方をしているかもしれない」という視点も持ちつつ、しっかりと自分の意見を持って世の中を眺めるべきだと改めて感じた。

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