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ママンに送る詩㉚『骨とゆく旅』

妻と母との三人旅

それがぼくの夢だった

結婚後まもなく

母が亡くなり

一度たりとも叶うことはなかった…

だから

ほくは妻と母の骨と旅にゆく

山の頂 一緒に見たくて

町を一緒に巡りたくて

料理を一緒に味わいたくて

3人の時間を

一緒に楽しみたかったから

ぼくは妻と骨とゆく

【あとがきのようななにか】
母は旅行が好きでした。ボクが成人したのちにも、国内・海外、どちらも何回かふたりだけで旅行に行ったことがあります。

旅行中は、母とふたりで旅行なんて恥ずかしいという感情が拭いきれず、楽しめないこともありました。そして、そんな気持ちのボクと一緒でも母は楽しくないだろうと思っていました。

こんな時に母にも娘がいたらもっと楽しめるのに…なんて思っていました。

だから結婚後、母にとって娘となった妻との三人旅がボクにとってはなによりもの夢だったわけです。

結婚後ほどなくして、母は亡くなってしまったわけですが、今となっては母との二人旅はボクにとっても大切な思い出です。とにかく暑かった台湾、とにかく暑かった香港、とにかく暑かった北海道などなど。母と行く旅行は、どこへ行ってもとにかく暑かった…。やっぱり、一度だけでも、妻と一緒に海外旅行に連れて行ってあげたかったなぁ。

そんなことを考えながらも、今日を生きながらえさせてもらいました。

あなかしこ、あなかしこ…


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