24/6/17 📚『孫子の兵法』要約


1.本書の概要

 本書は、中国の「孫武」の戦いを分析し、戦争に勝利するための手法を示した本「孫子」について、現代に活かせるように読み解いた本である。現代では、戦い=新しい取組、勝利=成功、と言い換えることができる。本書では「孫子なら、こんなときどうするか」というポイントを80ほど紹介しているが、今回はそのうち特に印象に残った内容を記述する。

2.勝ち組と負け組の境目とは

 勝ち組には、負け組とは異なる特徴がみられる。
 1つ目に、常に不満をもっていることがあげられる。不満はマイナスなものと思われるかもしれないが、不満や何かを失う恐怖があるからこそ、人はそれをエネルギーに変えて目標を達成できる。
 2つ目に、過去に学び、失敗を避けるという特徴もある。圧倒的に勝つことよりも、「不敗」を目指すことが現実的である。
 3つ目に、そもそも勝利しやすいような環境を作ることがあげられる。勝利につながる5条件は、①自分が狙うことができるかを検討する、②身の丈に合っている目標にする、③同じ目標をもつ味方を作る、④常に万全の態勢を固める、⑤仲間には有能なものを選び、実力を十分発揮できるようにする、というものである。③味方を作るためのコツは、自分の目標の達成が、独りよがりではなく、大切な人の幸せにもつながるように、目標を考えることである。
 4つ目に、意図を見せずに攻撃し、意図を見抜いて守ることである。常に周りを観察することが重要である。
 5つ目に、機会のあるときに攻撃し、機会のないときには体制を整える、という使い分けができることである。

3.脆い人の特徴

 脆い人の特徴として、周りに依存しがちであることがあげられる。自分の都合のいいように解釈して、期待してしまう。反対に、どんな環境にも対応できる人は、勝利しやすい。
 依存を排除する方法としては、①別案の用意をすること、②前日までにリスクを減らすこと、③複数の目標をもち、落ち込みすぎないこと、④速く動いてリスクを見つけること、⑤複数の強みを育てること、などがある。
 ほかにも、脆い人の特徴として、能力がないことを自覚していない、勘に頼る、感情に任せて判断する、選択肢を狭める、真正面から戦おうとする、などがある。

4.時間に勝つ

 選択肢のある時は、たったの一瞬。例えば、事業のリーダーを決めるにしても、一度決まってしまうとなかなか動かせない。物事を変えることができるチャンスのあるタイミングには、それが貴重であることを自覚し、全力で戦うことが重要である。スタートダッシュが大事。長期戦になると、目ざといひとに奪われてしまう。
 組織において、時間が経過すればするほど、柔軟な発想は出なくなる。柔軟な頭かどうかを確かめるためには、他人の優れた点が見つけられているか、を内省しよう。柔軟な頭を作るには、意識的に新たなものを取り入れるべし。

5.組織マネジメントに勝つ

 リーダー(トップ)の役割は、機会を獲得し、人を成長させること(正しい舞台を用意すること)、攻撃効果の高い場所を見つけること、リスクへの対処法を示すこと、メンバーに自信をつけさせて「勢い」を作ることなどである。つまり、リーダーシップに勝つためには、メンバーが最大限力を発揮できるよう、サポートすることだといえる。

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