見出し画像

2024年イギリスワーキングホリデー定員6000名に。ご飯が不味い、と言わずにきてほしい件

日本人が世界平和の鍵だと思っているので

「イギリス不味い飯」に心痛めながら

 フィッシュアンドチップス、キドニーパイ、うなぎゼリー。
 イギリスの不味いご飯で必ず上がってくる料理です。
「イギリス行きたいけど、ご飯がまずいからやめておく」
 と何度言われたことでしょう。
  一番、文句を言われるのがフィッシュアンドチップ。イギリスの代表料理がこれか!と魚好き日本人から一千万年光年上から目線で叱れます。
 確かに、繊細な胃袋で上品なサイズの揚げ物を召し上がっている日本人には野蛮なサイズのポテトと魚の揚げ物です。しかも胃薬を飲んでも解消できない胃もたれを起こします。
 20年間の胃もたれを抱えながら私は思いました。
 それでもやっぱり日本人にはイギリスに来て欲しいなと。

英語のハードルは高くない

 日本のブラック企業とかやばいですよ。格差社会が進んで日本は終わりですよ。
 そんな居心地悪いなら、いっそ海外来てみてよ、と思う。
 
 英語は心配ない。ロンドンの人は外国人の英語に慣れている。
 こんな英語力でカフェの店員できるんだ、って自信がつくほど。
 人種差別的な言葉や聞きたくない言葉は、集中力を切ればあら不思議、何を言われているのかわからない。
 要するに、聞きたいことだけ一生懸命聞くだけでいい。悪口や罵りなど、勢いにびっくりすることはあるが、日本語のように心に刺さらない。
 日本人同士だから助かることもあるけれど、日本人同士だから辛い時もあるわけです。

ロンドンいいこと、挙げてみよう



ヤン・ファン・エイク
「アルノルフィーニ夫妻像」

 イギリス、特にロンドンがいいのは、「日本食が手に入りやすい」「アートが充実」が一番。
 今、日本の米から調味料まで、Amazonやオンラインで入手することができます。刺身や持ち帰り寿司も、たい焼き、抹茶アイス、日本のケーキ、なんでも揃っているお店もある。
 つまり、自炊できる環境であれば、「予算内で自分の口に合う食べ物」を摂取することは十分可能なのです。外食は高いし、ハズレが多い。だけど、なんかイマイチだった冷凍魚のフライも、自分好みに味を整えたタルタルソースをかければ「イギリスの不味いご飯で3キロ痩せました」みたいなことない。
 自分で作ったご飯を食べて、ナショナルギャラリーで「アルノルフィーニ夫妻像」を中央からガン見し、小さなお気に入りのコーヒーショップに立ち寄る。
 ちょっとおしゃれなロンドンライフ、意外とハードルは高くない気がします。

TATE BRITAIN
オフィーリア
名画が見放題

海外生活で得るもの「しょうがない」マインド

 朝起きたら電車がストライキで動かない。
 今日来るはずの荷物や郵便が届かない。
 折り返しますという電話がいつまで経っても返ってこない。
 一つ予定が狂い、その日1日丸ごと潰される、のはあるある。
 最初は怒りが込み上げます。「日本じゃあり得ない」と大の日本贔屓になります。次は勇気を出してカスタマーサービスなどに文句を言います。でも、インド人のオペレーターが何を言っているのかわからず撃沈します。
 そして最後、諦める心と、多分来ないだろうというプランBを立てて1日潰れるのを阻止する術を身につけます。
「しょうがない」んですから。

もっと日本の人に頑張ってほしい、なぜなら

 前を見ればインド系、後ろは中国系、右と左はアラブ系、斜めはイギリス人かと思ったらフランス、スペイン人という職場環境はロンドンではよくあります。
 ダイバーシティーといえば聞こえはいいですが、不法労働者や難民の方も多く、イギリス人が少数派という地域もたくさんあります。
 数年前にはロンドンで一番ポピュラーな赤ちゃんの名前が「モハメッド」だったという笑い話があったくらい。
 それに対してイギリス在住の日本人というのは、少なくはないけれど、多くもない。でも、日本人がいると、なんとなく職場や学校の雰囲気が良くなる気がします。
 自己主張の塊で自分の意見だけ吠える人たちの輪にあって、結局話をまとめるのは要領と論理的思考に長けた日本の人だったりします。
 全部の日本人がそうとは言いませんが、たくさんの国籍が集まる場所で、日本の人の「空気を読む」「忍耐強く人の話を聞く」そして「目標に向かって結束力と団結力を大切にする」国民性というのはこれからますます必要とされてくると思うのです。英語さえ身につければ、日本人って最強なんじゃない?と海外20年歴の私は思うのです。

ブロンテ姉妹の小説味が変わります

慣れない国際問題に疲れたら

 多国籍の人たちの間にいるのは、疲れます。
 この疲れは、日本では感じたことのない種類の疲れです。
 分かり合えたのか、分かり合えてないのか、「通じる」感覚がないのです。
 そんな時、イギリスのガーデンは心に沁みます。マラソン後にキューっと飲む冷たい水のように心と体に沁みます。
 人に疲れたら、霧にボヤけるオークが立ち並ぶくらい公園を歩きます。心に蘇るブロンテ姉妹やジェーン・オースティンの小説の世界。ターナーがなぜあんなもやった絵画を描けたのか、その光の揺らめきの中へ自分が溶け込むような不思議な何かととの一体感。
 イギリスは感じる国です。
 ぜひ来てほしい国なのです。

今日もいい花が摘めました。carpe diem.

 



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?