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オレ流 撮影時の露出パラメータの考え方(鉄道写真において)

最近友人がカメラを買って、撮影時のパラメータやセンサについて質問されることがありました。ふと、自分でも設定する時何考えているだろう?というのを言語化しておきたかったので記事にしました。

前提の考え方

最悪編集で救えるものの優先順位を下げ、編集で救えないものの優先度をあげます。少なくとも私の撮影用途において、JPEG撮って出しの品質の高さはそこまで重要ではないので、「綺麗なデータ」を作ることを重視して露出を決めます。

 撮影時の露出決定

撮影時の露出は一番明るい部分の適正露出で撮るようにします。デジタルセンサーの特性上、明るい部分の白飛びと暗い部分の黒潰れであれば黒潰れの方が編集で救えるので、EVFや警告表示で確認しながら白飛びを出さないことを優先します。ただ、夜の場合は暗く撮りすぎると後から黒潰れを持ち上げた時にノイズが多すぎて使い物にならないこともあるので、バランスをとる必要があります。

明るいところが飛びすぎないよう、暗いところも潰れすぎないよう、やや暗めの設定で撮影。ここでは窓がいちばん明るいので、つり革が見える程度まで明るさを絞った。
編集で暗部を持ち上げてイメージ通りの写真に仕上げていく

各パラメータの優先順位

シャッタースピード、F値、ISO感度は上で決めた適正露出の範囲内で決定するので、その場の光量によって設定の幅は決まってしまいます。そのため、各パラメータに対して優先順位をつける必要があります。
私の場合、まず最も重視するパラメータはシャッタースピードです。モードでいうとTv(シャッタースピード優先)ですね。手ブレや被写体ブレは画像処理でどうにもならないため、まずここを決めます。
シャッタースピードについて考える時、「シャッターが開いている間にセンサー上をどのくらいの距離移動するか」を意識します。たとえば、列車が真横に横切る場合は移動距離が長くなります。さらに線路の近くから列車を引きつけて撮る場合も、見かけの速度が上がるので移動距離は長くなります。

ほぼ真横に動く列車を線路の近くで広角レンズで捉えた。写し止めるなら最もシャッタースピードが必要な場面。

逆に正面がちに撮ったり焦点距離が長いレンズで撮ったりすれば、移動距離は短くて済みます。これらの考え方を前提に、流したいのか止めたいのかを考えてシャッタースピードを決めます。列車自体の速度にもよりますが、止めにかかる場合、横切るなら1/2000、斜めなら1/1600、正面がちなら1/500を一つの目安にします。

列車の大きさは小さいですが、ほぼ真横に動くので1/2000程度の高速シャッターになるように設定しました(Tough TG-6にはシャッタースピード優先がないので、高速シャッターになるよう絞りとISO感度を指定)

次に重視するのはF値です。ボケ具合もまた、編集ではどうしようもないからです。ただし撮影時の明るさが暗い場合、希望のシャッタースピードを出そうとすると、優先順位3のはずのISO感度の制約で絞り解放付近しか選択肢が残らない時もあります。そういう時は迷わず解放付近を選ぶので、あくまで優先順位は2番です。

 列車はぼかすが列車とわかる程度までしかぼかしたくない、という時は結果を見ながら絞りを変えていく必要がある

最後にISO感度を決めます。というより、希望のシャッタースピードとF値を決めたら自ずと決まります。昔はISO800を超えたりISO50に落としたりするとノイズが増える、なんてこともありましたが、今はカメラ側、後処理ともノイズリダクションが優秀になったので、基本的には撮りたい設定に合わせて躊躇なく上げ下げしてしまいます。ただし、多くのカメラにおいて最大のISO感度はざっくり100〜25600という制約がありますから、現場の光量によっては思い通りの絞りやシャッタースピードで撮れないこともあります。

 私が持っているカメラは実用レベルだとISO16000辺りが限界です。当然、感度の限界による設定の制約はあります。

露出の話だけで1000文字ほど書けてしまいましたが、現場で身体で決めていることを言語化するのは難しいなと改めて思いました。感覚の言語化もまたやってみたいと思います。

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