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中国語を学んだ日々、思い出。そして少しの学びのコツ(1)

まだまだ年明けからのショックで気持ちが沈む日々。
重すぎて今もまだ急に涙が出るけれど、その理由を言えないでいても、中国の友人は ”最後はなんとかなるから大丈夫”、という中国4000年らしい励まし方で力をくれる。

そんなこんなで、いつかはと思っていた中国語を学んだ日々と彼らにまつわる思い出を記しておこうと思う。

私が中国語の勉強を始めたのは27歳の時。
仕事も遊びも一通り慣れてきて、特に夢もなく目的もなくで、何となくの日々だった。更には当時の彼と別れて、ますます人生がぼんやりしてた。

とはいえ20代、飲み会も多かった。でもその日はキャンセルして帰ることにした。何も変わらないいつもの会社の帰り道、いつも通過する駅。
ただこの日、ふと目を上げるとホーム先に見えるビルに中国語学校の看板が見えた。あ、こんなところにこんなのあるんだ。衝動的に電車から降りたのが全ての始まりだった。

大きな雑居ビルだったからあの看板は何階なのか?、名前すら憶えていない。でもおずおずビルに足を踏み入れ、表示を見ながらそれらしい階で降りた。
突き当りにあったその学校の受付は事務所と一緒になっていて、雑然としていた一角にスタッフが1人いた。でも忙しいのかこちらに見向きもしない。
受付そばのいくつものドアからは授業の声が漏れ聞こえてくる。

しばらく受付でチラシを見たりしながら、チラチラ彼を見るがこちらを見る気配もない。一瞬、帰ろうかとも思ったけれど思い切って「興味があるのでパンフレットを頂けますか?」聞いてみた。
彼はそこでようやく顔を上げて、「後期の募集は終わったから、次は半年後からですよ」、と言ってパンフレットをくれた。

今はまだ夏だった。あと半年か、、と思いながら、でも折角だから聞いてみた。私はこれまで中国語に全く接したこともないけれど大丈夫か、どんな方々が通っているのか。
彼はその時私が本気で入学すると思っただろうか?
「入門班はみんなその程度ですから大丈夫ですよ。でも下手に独学はしないでくださいね」とだけ言って、また机に顔を下ろし仕事に戻っていった。

私はまたポツンと残され、でもこれ以上居ても仕方がないのでパンフレットを手に帰ることにした。
旅行でも行ったこともない中国の写真を他人事のように見ながら、あと半年か・・、そもそも本当に私はやりたいのかな?、でもこのままだと人生どうなるのかな?などと、20代後半らしい悩みと不安をぼんやり抱えて、ラッシュアワー込み合う電車であれこれ考えたことをまだ覚えている。

今、中国語を使い仕事をしている私には忘れられない、中国語に触れた、人生が大きく変わる第一日目の終わり。

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