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フュージョン・ミュージックの名盤100作 ( + ちょっと) 【熊谷美広 : 選】

1970年代後半に一世を風靡した、ジャズに、ポップス、ロック、R&Bなどの音楽の要素を取り込んだ“フュージョン"と呼ばれる音楽。今では“オワコン"扱いもされていたりもしますが、コッソリと生き残ってますし、サンプリングのネタとして多用されたり、コード進行やサウンド・メイキングがポップスなどに影響を与えたもしてます。
ということでここでは、フュージョン・ファンの眼から見た名盤というのをワタシなりに挙げてみました。もし興味が湧いたら、ぜひ聴いてみてください。じっくり聴くととてもステキで楽しい音楽ですから。
ちなみに掲載順はアーティスト名 (ソロ・アーティストはファミリー・ネーム) のアルファベット順で、レーベル名はリリース当時のものです。

1. Rise / Herb Alpert

(A&M, 1979年)
かつてはラテン・ジャズ・バンド“ティファナ・ブラス”で一世を風靡し、当時はA&Mレコードの副社長でもあったハーブ・アルパートが、1979年に発表した大ヒット作。タイトル曲はインストゥルメンタルにもかかわらず、ビルボードの総合シングル・チャート1位を記録した。そのけだるいビートはグランド・ビートの元祖か?

2. Duster / Gary Burton

(RCA, 1967年)
1967年にリリースされ、音楽シーンに大きなショックを与えた、ヴィブラフォン・マスターであるゲイリー・バートンの問題作。ジャズにロック・ギターの方法論を持ち込んでゴリゴリと弾きまくるラリー・コリエルのギターは、今なお衝撃的だ。

3. Beck / Joe Beck

(Kudu, 1975年)
ギタリストのジョー・ベックが1975年に発表した初リーダー作。ベック自身のプレイはもちろん素晴らしいのだが、それ以上に聴きものなのが全曲に参加しているデヴィッド・サンボーン(as)のプレイ。若さにまかせて、バリバリと吹きまくっているソロが感動的。サンボーンの“裏リーダー作”という評判もあるほど。ウィル・リー(b)とクリス・パーカー(ds)のタイトなリズム・セクションもカッコいい。

4. Breezin' / George Benson

(Warner Brothers, 1976年)
ジョージ・ベンソンがプロデューサーのトミー・リピューマと作り上げた、フュージョンのひとつの原点ともいうべき名作。そのソフィスティケイトされたサウンドは当時の音楽シーンを席巻し、ビルボード誌の総合アルバム・チャートで1位を記録した上、グラミー賞まで受賞した。また「This Masquerade」でベンソンはヴォーカリストとしても開眼する。ギターとのユニゾン・スキャットもすごい。

5. Give Me The Night / George Benson

(Warner Brothers, 1980年)
当時乗りに乗っていたクインシー・ジョーンズがプロデュースを手がけた、ベンソン最大のヒット作。ベンソンとクインシーの個性のぶつかり合いが、ポップでハイ・クォリティなサウンドを生み出している。この上なくゴージャスなプロデュースの元、ブラック・コンテンポラリーとジャズが高次元で融合しており、その高密度なサウンドは見事の一言に尽きる。“エンターティナー”としてのベンソンの神髄が見事に表現された傑作。

6. Manhattan Update / Warren Bernhardt

(Arista, 1980年)
マイク・マイニエリなどとのセッションで知られていたキーボード奏者のバーンハートが、1980年にリリースした知る人ぞ知る名盤。瑞々しいピアノのタッチとこの上なく美しいメロディが、とても気持ちのいい音空間を作り出している。個人的にはキーボード・フュージョンのベストの1枚。「Sara's Touch」はフュージョン史上に残る名曲だ。

7. The Brecker Bros. / The Brecker Brothers

(Arista, 1975年)
ランディ(tp)とマイケル(ts)の兄弟によるブレッカー・ブラザーズの記念すべきファースト・アルバム。「Some Skunk Funk」や「Rocks」などで聴かせる、テクニカルでメカニカルなホーン・アンサンブル、若きマイケルやデヴィッド・サンボーン(as)のアグレッシヴなソロ、ウィル・リー(b)とハーヴィ・メイソン(ds)のハードにドライブするリズム・セクションなど、彼らの音楽がここから始まったことを印象づける名作。

8. Heavy Metal Be-Bop / The Brecker Brothers

(Arista, 1980年)
ブレッカー・ブラザーズが1978年にリリースし、フュージョンはもとより、ロック・シーンにまで大きな衝撃を与えた歴史的ライヴ・アルバム。タイトなホーン・アンサンブル、圧倒的なテクニックによるソロ、ヘヴィメタも真っ青のハードなサウンドがひとつになって、まさにタイトルどおりの世界を展開している。テリー・ボジオのドラムも壮絶。

9. Black Byrd / Donald Byrd

(Blue Note, 1973年)
それまではアコースティック・ジャズを演奏していたドナルド・バード(tp)が、1970年代に入って突然ファンキーなエレクトリック・サウンドに転向し、1973年に放ったヒット・アルバム(全米36位)。マイゼル・ブラザーズがプロデュースを手がけ、いわゆる“ブラック・ファンク”が市民権を得るようになった記念碑的アルバムの1枚でもある。ファンク・ビートと、突き抜けたようなトランペット・サウンドが気持ちいい。1990年代に入ってクラブ・シーンで再評価され、その人気は時代とともに高まっている。

10. Larry Carlton (夜の彷徨) / Larry Carlton

(Warner Brothers, 1978年)
ザ・クルセイダーズで活躍していたラリー・カールトン(g)が、グループ脱退後の1978年にリリースしたソロ・アルバム。「Room 335」はフュージョン・ギターの大名曲として当時のギター少年たちはみんなこの曲を必死でコピーしていた。ジャジーなフレーズとロック・タッチのギター・サウンドの融合は、当時としてはとても新しいアプローチだった。

11. Sleepwalk (夢飛行) / Larry Carlton

(Warner Brothers, 1982年)
それまでのロック・フィーリング溢れるサウンドから一転して、彼のルーツでもあるブルースやメロディアスな側面もフィーチャーした作品。サント&ジョニーのヒット曲であるタイトル曲はまるでオリジナル曲のようにはまっているし、他の曲でもメロディアスなギターがたっぷりと楽しめる。デヴィッド・サンボーン(sax)、スティーヴ・ガッド(ds)、ジェフ・ポーカロ(ds)といったメンバーたちの、抑えたプレイもいい。

12. Larry & Lee / Larry Carlton & Lee Ritenour

(GRP, 1995年)
ラリー・カールトンとリー・リトナーという、1970年代後半からフュージョン・ギター・シーンの人気を二分してきたスーパー・ギタリストの初共演が、1995年に実現した。といっても丁々発止のギター・バトルにはならずに、ギター2本のアンサンブルを大切にした、洗練されたサウンドになっているところがいかにも1990年代の作品らしい。“対決”ではなく“共演”なのだ。“味”のカールトンと“切れ”のリトナーの対比も興味深い。

13. School Days / Stanley Clarke

(Epic, 1976年)
チック・コリアとともにリターン・トゥ・フォーエヴァーのリーダーとしても活躍していたスタンリー・クラーク(b)が1976年にリリースしたソロ・アルバム。ロックの影響をストレートに出したサウンドが耳に心地よく、ギターのようにベースを弾きまくる超絶技巧プレイもすさまじいの一言。タイトル曲は多くのベーシストにコピーされた。

14. The Clarke/Duke Project / The Clarke/Duke Project

(Epic, 1981年)
キーボード奏者のジョージ・デュークと、ベーシストのスタンリー・クラークという2人の大御所が組んだユニットのファースト・アルバム。2人の持つポップな面がうまく表現されて人気となり、特に「Sweet Baby」は全米総合チャートで19位を記録するヒットとなった。彼らのヴォーカル・チューンの作り方のうまさが光る快作だ。

15. Spectrum / Billy Cobham

(Atlantic, 1973年)
マハビシュヌ・オーケストラ出身の爆弾ドラマー、コブハムが1973年に発表した名作。彼の重量級超絶技巧ドラムはア然とするほどすごいし、後にディープ・パープルに加入することになるトミー・ボーリンのギターも泣かせる。たたみかけるようなビート感覚はこの頃のフュージョンならではだ。「Taurian Matador」「Red Baron」は名曲・名演。

16. "Live" On Tour In Europe / The Billy Cobham - George Duke Band

(Atlantic, 1976年)
ビリー・コブハム(ds)とジョージ・デューク(key)という大物2人が1976年に結成したユニットは、結局ヨーロッパをツアーしただけで解散してしまったが、これはその貴重なライヴ・アルバムだ。“重量級”のふたりのぶつかり合いは、フュージョン史上に残る名演となった。若きジョン・スコフィールド(g)、ウェザー・リポートを脱退してこのユニットに参加したアルフォンソ・ジョンソン(b)のプレイもはつらつとしている。

17. Return To Foever / Chich Corea

(ECM, 1972年)
名ピアニストのチック・コリアが1972年に結成した“リターン・トゥ・フォーエヴァー”のファースト・アルバム。通称“カモメ”。メロディアスで、リリカルで、ラテンのリズムを効果的に取り入れたサウンドは、まさに“楽園の音楽”ともいうべき心地よさに満ちている。フローラ・プリムの透明感溢れるヴォーカルも印象的だ。当時の人気はすさまじく、ジャズ喫茶では“リクエストは1日3回まで”なんていう張り紙が出されたほど。

18. The Mad Hatter / Chich Corea

(Polydor, 1978年)
1970年代後半、チックは独自の感性によるソロ・プロジェクトを展開していたが、これは童話『不思議の国のアリス / 鏡の国のアリス』をモチーフにしたロマンティックでファンタジー感覚溢れる傑作。ホーンやストリングスも導入しためくるめくサウンドはチックならでは。ハービー・ハンコックもピアノでゲスト参加。

19. The Chick Corea Elektric Band

(GRP, 1986年)
1986年にチックが、ジョン・パティトゥッチ(b)、デイヴ・ウェックル(ds)を中心に結成した“エレクトリック・バンド”のデビューは衝撃的だった。“なんでもできる”若き超絶技巧メンバーを得て、チックが“やりたいこと”をすべてやってしまったのである。どんな複雑なフレーズもちゃんと弾けるということを前提にして、そこから先に何ができるか、を実践したのがこのバンドだった。そのテンションあふれる演奏はまさに圧倒的だ。

20. Scratch / The Crusaders

(Blue Thumb, 1974年)
ブラック・ファンクの雄、ザ・クルセイダーズの1974年のライブ・アルバムで、フュージョン史に残るライヴの大傑作。こんなにカッコいいライヴにはちょっとやそっとではお目にかかれない。メンバーのプレイはもちろん、お客の反応からメンバー紹介にいたるまで、すべてが“完璧”だ。特に「So Far Away」は絶品。

21. Those Southern Knights (南から来た十字軍) / The Crusaders

(Blue Thumb, 1976年)
ベースのロバート・ポップウェルが加入し、最強の布陣ともいうべき6人組となったザ・クルセイダーズの1976年の傑作。スティックス・フーパー(ds)とポップウェルのリズム隊によるグルーヴは強力で、彼らがひとつになってうねりまくる、ポップだがファンキーなサウンドはまさに圧巻。

22. Street Life / The Crusaders

(MCA, 1979年)
ザ・クルセイダーズは、1979年にジョー・サンプル(key)、ウィルトン・フェルダー(sax)、スティックス・フーパー(ds)の3人体制となって制作したこのアルバムは、タイトル曲でランディ・クロフォードのヴォーカルを大きくフィーチャーして、その後のフュージョンのひとつの流れを作った重要な作品となった。

23. Live At Fillmore West / King Curtis

(Atlantic, 1974年)
R&Bサックスの巨人キング・カーティスは、実はフュージョン・シーンにも大きな影響を与えている。特にスタッフのメンバーやデヴィッド・サンボーンなどは彼がアイドルだったそうだ。これはそんな彼の1971年の大傑作ライヴ。レッド・ツェッペリンも、ジミ・ヘンドリックスも、彼が吹くとイケイケのファンキー・ナンバーに変身してしまうからすごい。

24. Bitches Brew / Miles Davis

(Columbia, 1969年)
マイルス・デイヴィス(tp)が1969年に作り上げた画期的一大音楽絵巻。ジャズにエレクトリック・サウンドとポリリズムを大胆に導入し、後の音楽シーンにハンパじゃないほど大きな影響を与えた。20世紀で最も重要なアルバムの1枚。多くの重要ミュージシャンたちがこのアルバムのセッションから飛び立っていった。

25. Aghrta / Miles Davis

(Columbia, 1975年)

1975年の来日公演の模様を収録した怒濤のライヴ・イン・ジャパン。『Bitches Brew』から始まったマイルスのアプローチが、ここでひとつの完成を見せる。圧倒的な2時間。インプロヴィゼイションとファンク・ビートがこの上なく美しくエネルギッシュな融合を見せている。ちなみにジャケットは横尾忠則。

26. TUTU / Miles Davis

(Warner Brothers, 1986年)
1950年代からシーンをリードし続けてきたマイルスと、1990年代以降のニュー・リーダーとして台頭するマーカス・ミラー(b)の才能がぶつかり合って作られた、“時代の必然性”を見事に封じ込めた傑作。1980年代後半以降のブラック・ミュージックの様々な元ネタやベクトルが、この中に凝縮されている。黒人解放運動の指導者であるツツ司教に捧げられたタイトル曲は、ジャズ / フュージョンにゴー・ゴーを取り入れた最も初期の成功例のひとつでもある。

27. Prelude (ツァラトゥストラはかく語りき) / Deodato

(CTI, 1972年)
1972年、ブラジル出身のアレンジャーであるエウミール・デオダードが、クラシックを素材に一大フュージョン・アルバムを作り上げた。当時としては画期的なこのアルバムは大ヒットを記録。クラシックを取り入れたフュージョンの最も初期の成功作の1枚で、タイトル曲のサウンドは今でも新鮮だ。

28. Elegant Gypsy / Al DiMeola

(Columbia, 1977年)
19歳でデビューした驚異の天才ギタリスト、ディメオラの最高傑作。その目にも止まらぬ速弾きはギター・ファンを点目にさせた。伝説のフラメンコ・ギタリストであるパコ・デ・ルシアとの火の出るようなバトル「Mediterranean Sundance (地中海の舞踏)」はゾクゾクするほどの名演だし、今から考えるとこれはワールド・ミュージックのはしりだったともいえる。

29. Brazilian Love Affair / George Duke

(Epic, 1979年)
キーボード奏者であり、名プロデューサーでもあるジョージ・デュークが1979年にリリースしたブラジリアン・フュージョンの名作。ブラジル出身のミュージシャンたちも大勢参加している。今でこそ当たり前になったブラジリアン・フュージョンだが、このアルバムが発表された当時は画期的だった。ブラジル音楽を土台にしながらここまでポップなサウンドを作り上げた彼のの手腕は見事の一言に尽きる。ブラジル音楽の至宝ミルトン・ナシメント(vo)も参加。

30. Dream On / George Duke

(Epic, 1982年)
1982年のヒット作。当時流行していたディスコ・サウンドに乗せて、デュークのファルセット・ヴォーカルが大活躍している。またアコースティック・ピアノを効果的に使ったアレンジも印象的だし、マイケル・センベロ(g)とバイロン・ミラー(b)のファンキーなプレイもとても気持ちいい。シングル・カットされた「Shine On」が全米41位のヒットとなった。

31. Teasin / Cornel Dupree

(Atlantic, 1974年)
後にスタッフのギタリストとして人気者となるコーネル・デュプリーが1974年に発表したブルース・フュージョンの名作。ブルースとR&Bを基調に、彼のエモーショナルなギターが“いなたく”歌い上げていく。こってりと粘りまくるブルース・ギターがカイカンだ。まさにワン&オンリーの、ギター職人のシブ味全開アルバム。

32. Sax-a-Go-Go / Candy Dulfer

(Ariola, 1993年)
キング・カーティスやメシオ・パーカーに通じる1970年代ファンキー・サックス・サウンドを1990年代の感覚で再生した、女性サックス奏者キャンディのセンスの勝利ともいうべき画期的名作。それまでありそうでなかった、ストレートでカッコいいサックス・アルバムが誕生した。それを当時24歳の“小娘”がサラリとやってしまったのもとても痛快だった。

33. The Inside Story (ギターに愛を) / Robben Ford

(Warner Brothers, 1978年)
L.A.エクスプレスなどで活躍していたギタリスト、ロベン・フォードの実質的初リーダー作。ブルースを基調としながらも、ジャズの要素を巧みに取り入れて、まさに歌うようなフレージングを駆使したギター・ソロがカッコよかった。またこのアルバムのレコーディング・メンバーが、この後イエロージャケッツを結成したという意味でも重要な作品。

34. Fourplay / Fourplay

(Warner Brothers, 1991年)
ボブ・ジェームス(key)、ネイザン・イースト(b)、ハーヴィ・メイソン(ds)、リー・リトナー(g)というトップ・プレイヤー4人によって結成されたスーパー・ユニットのデビュー作。アコースティック楽器を効果的に使ったソフィスティケイトされたサウンド、センスの良さがあふれるアンサンブル、そしてトップ・アーティストの集合体らしいクォリティの高いプレイはその後のフュージョン / スムース・ジャズのひとつの方向性を示し、ビルボード誌のコンテンポラリー・ジャズ・チャートで33週間1位を記録した。

35. Fuse One / Fuse One

(CTI, 1981年)
“フューズ・ワン”は、フュージョン・シーンのトップ・プレイヤーたちが集結した、CTIならではのセッション・ユニット。アレンジをジェレミー・ウォール(key)が手がけ、ジョン・マクラフリン(g)、ラリー・コリエル(g)、ロニー・フォスター(key)、ジョー・ファレル(sax,fl)、スタンリー・クラーク(b)、ウィル・リー(b)、トニー・ウィリアムス(ds)、レニー・ホワイト(ds)などといった大物たちが参加し、それぞれ個性的なプレイを聴かせている。「Grand Prix」は日本のテレビCMで使われて話題となった。

36. Breathless / Kenny G

(Arista, 1993年)
スムース・ジャズの大スター、ケニー・G(sax)の1993年の作品で、なんと4年間もチャート・インし続けて全世界で1,500万枚以上売り上げたという驚異の大ヒット作。ソフィスティケイトされたサウンドと、美しいメロディ、そして澄んだソプラノ・サックスの音色はスムース・ジャズの基本スタイルを作り上げた。またウォルター・アファナシエフというプロデューサーを世に送り出したという意味でも重要な作品。

37. Hearts and Numbers / Don Grolnick

(Hip Pocket, 1985年)
“いぶし銀”ともいうべき名キーボード奏者の傑作。マイケル・ブレッカ(ts)をフィーチャーし、彼のじっくりと歌い上げるようなソロと、グロルニクの繊細でリリカルなピアノとアレンジが絶妙にフィットし、この2人でしか出せないサウンドを見事に構築している。彼のプロデュースの手腕も素晴らしく、名曲「Pools」でのマイケルのじっくりと歌い上げるプレイはまさに絶品。

38. One Of A Kind / Dave Grusin

(GRP, 1978年)
『卒業』『黄昏』などの映画音楽でも知られ、その後GRPレーベルを興してフュージョン・シーンを席巻することになるデイヴ・グルーシン(key)が、1977年に制作した名作。ジェントルでゴージャスな彼のサウンドの原点がここにある。名曲「Modaji」はフュージョンのプロト・タイプのひとつであり、彼のセンスが凝縮された重要曲。

39. Harlequin / Dave Grusin & Lee Ritenour

(GRP, 1985年)
1960年代からの盟友であるデイヴ・グルーシン(key)とリー・リトナー(g)が1985年に制作したヒット作。ブラジルのシンガー・ソングライター、イヴァン・リンスのヴォーカルフィーチャーし、デイヴの繊細なピアノとリーの巧みなギター・ワークが絶妙にミックスされた極上のブラジリアン・フュージョンを構築している。グラミー賞3部門にノミネートされた。

40. Head Hunters / Herbie Hancock

(Columbia, 1973年)
1973年、ハービー・ハンコック(key)が突如ブラック・ファンクに目覚めてレコーディングした問題作であり、大ヒット作。ビルボード誌の総合アルバム・チャートで最高13位を記録し、ブラック・ファンクのスタンダード・アルバムとなった。畳みかけてくるかのようなファンキーなリズム隊とハンコックの多彩なキーボード・プレイは、後の音楽シーンに大きな衝撃を与えた。「Chameleon」「Sly」など名曲揃いだ。

41. Flood (洪水) / Herbie Hancock

(Columbia, 1975年)
ハービー・ハンコック(key)が1975年に行なった来日公演のライヴ・アルバム。『洪水』というタイトルそのままの迫力満点の演奏が繰り広げられている。リズム・セクションを中心に、これでもかこれでもかと迫ってくるグルーヴの津波はまさに圧倒的だ。特に「Actual Proof」のハンコックのソロは、彼の1970年代のベスト・プレイのひとつ。

42. Future Shock / Herbie Hancock

(Columbia, 1983年)
1983年リリースの問題作。ニューヨークの新進プロデューサー・チーム“マテリアル”を起用し、最先端テクノロジーだったデジタル・シンセサイザーも導入して、当時はまだアンダーグラウンドだったヒップ・ホップやスクラッチの要素を大胆に取り入れたサウンドはシーンに大きなショックを与えた。またシングル・カットされた「Rockit」はブキミなビデオ・クリップも話題を呼び大ヒットした。ヒップ・ホップ黎明期の衝撃作。

43. J-BOYS / Jamaica Boys

(Warner Brothers, 1990年)
マーカス・ミラー(b)を中心に、レニー・ホワイト(ds)、バーナード・ライト(key)ら、ニューヨークのジャマイカ地区出身の仲間たちによって結成されたのが“ジャマイカ・ボーイズ”。これは彼らの2作目で、マーカスのプロデューサーとしての手腕と、メンバーたちのはじけた音楽性と圧倒的なプレイがひとつとなって、パワフルなファンク・サウンドを作りあげた。フュージョン系ミュージシャンによるファンク・アルバムとしては最高の1枚。

44. Heads / Bob James

(Tappan Zee, 1978年)
キーボード奏者/アレンジャーのボブ・ジェイムスが、自己のレーベル“タッバンジー”を設立して1978年にリリースした作品。キラ星のごときミュージシャンたちを絶妙に配し、ゴージャスで躍動的なサウンドを完璧なまでに作り上げている。ボズ・スキャッグスやピーター・フランプトンなどのヒット曲が、まるでオリジナル曲のようにキラキラときらめいていてる。

45. One on One / Bob James & Earl Klugh

(Tappan Zee, 1979年)
ボブ・ジェイムス(key)がアコースティック・ギターの名手アール・クルーと共演した1979年の名作。ソフィスティケイトされたサウンドがこの上なく美しく、まさにソフト&メロウの教科書のような心地いい作品になっている。美しいメロディ・ラインとアコースティック感覚あふれるサウンドは今の時代にこそ、じっくりと聴きたい。

46. Double Vision / Bob James & David Sanborn

(Warner Brothers, 1986年)
ボブ・ジェイムス(key)とデヴィッド・サンボーン(as)という、フュージョンの大物2人の共演作。とてもリラックスした雰囲気の中、ボブの洗練されたアレンジ・センスが見事に発揮されており、その上で歌心満点のソロを聴かせるサンボーンのアルトもとても魅力的だ。アル・ジャロウ(vo)がゲストとして参加し、マーカス・ミラー(b)、スティーヴ・ガッド(ds)、エリック・ゲイル(g)といった名手たちのツボを押さえたプレイも絶品。マーカスの作曲による「Maputo」は名曲だ。

47. Walking In Space / Quincy Jones

(A&M / CTI, 1969年)
その後大物プロデューサーとなったクインシー・ジョーンズが、1969年にリリースしたフュージョンの原点ともいうべき1枚。それまで“裏方”だったスタジオ・ミュージシャンをフィーチャーし、ジャズとR&Bの要素が絶妙に融合した音楽を作り出した。そのサウンドは現在でも十分通じるものだし、クインシーのアレンジ・センスも素晴らしい。

48. Sounds... And Stuff Like That!! (スタッフ・ライク・ザット) / Quincy Jones

(A&M, 1978年)
クインシーが1978年にリリースしたヒット作。“スタッフ”のリズム・セクションを中心に、ハービー・ハンコック(key)、マイケル・ブレッカー(ts)、チャカ・カーン(vo)などをはじめとする超豪華なメンバーが参加して、ポップでファンキーでゴージャスなサウンドを展開している。ハービーのピアノとストリングスが延々とユニゾン・ソロを取る「Tell Me A Bedtime Story」のアレンジは驚異的。

49. Back On The Block / Quincy Jones

(Qwest, 1990年)
クインシー・ジョーンズが1990年代の幕開けを告げるべく作り上げた大作。ブルース、ビ・バップからヒップ・ホップまでのすべてのブラック・ミュージックの要素を融合して作り上げた、真の“ブラック・フュージョン・アルバム”だ。ジャズマンも、ゴスペル・シンガーも、ラッパーも、“ブラック・ミュージック”というキーワードの元で、それぞれのサウンドを楽しんでいる。それをここまで完璧にまとめ上げたクインシーの手腕もすごい。

50. Eyewitness / Steve Khan

(Trio / Polydor, 1981年)
セッション・ギタリストだったスティーヴ・カーンが、アンソニー・ジャクソン(b)、スティーヴ・ジョーダン(ds)、マノロ・バドレーナ(perc)というメンバーで結成したグループのファースト・アルバム。キーボードレスで空間を見事に活かしたサウンド、ギターとベースが有機的に絡み合うインタープレイなど、それまで誰も聴いたことがなかったサウンドを提示し、ジャズ・シーンに衝撃を与えた。カーンはこのグループを結成したことによってジャズ史に名を残すといっても過言ではない。

51. Finger Paintings / Earl Klugh

(Blue Note, 1977年)
今でこそアコースティック・ギターによるフュージョンなんて珍しくないけど、元祖はこの人。これは1977年リリースの彼の初期の傑作で、ファンキーなビートと、指弾きによるソフトなアコースティック・ギター・サウンドの融合が耳に心地よい。まだまだアコースティック・ギターのピックアップなども発達していなかった当時、これだけクォリティの高いサウンドを作り出していたのは画期的だ。プロデュースはデイヴ・グルーシン。

52. Touch / John Klemmer

(MCA, 1975年)
ジョン・クレマーは、コルトレーンに大きな影響を受けたサックス奏者だが、1970年代後半からはメロウなサウンドを展開して人気を博した。これは1975年の作品で、ラリー・カールトン(g)、デイヴ・グルーシン(key)などとともに、スウィートでスケールの大きなテナー・ソロを聴かせてくれている。フュージョン隠れ名盤の筆頭ともいうべき名作。

53. Jungle Fever / Neil Larsen

(A&M/Horizon, 1978年)
1978年にシーンに突如登場し、レトロなオルガン・サウンドと哀愁を帯びたメロディでファンを驚かせたのがニール・ラーセン。オルガンという楽器をフュージョンに溶け込ませることに成功した彼の功績は大きい。また僚友バジー・フェイトンの絶妙のリズム・ギター、マイケル・ブレッカーの豪快なテナー・ソロも聴きものだ。

54. Larsen-Feiten Band / Larsen-Feiten Band

(Warner Brothers, 1980年)
1970年代の後半に彗星のごとくデビューしたニール・ラーセン(key)と、彼の旧友であるバジー・フェイトン(g,vo)が1980年に結成したのがこのバンド。ニールのオルガン・サウンドと、バジーのキレ味のいいギター・プレイが絶妙のマッチングを聴かせている。まさにフュージョン / AOR史に残る名コンビのひとつだといえるだろう。このデビュー・アルバムからは、バジーのヴォーカルをフィーチャーした「今夜は気まぐれ」が全米29位のヒットを記録した。

55. The Rite Of Spring (春の祭典) / Hubert Laws

(CTI, 1971年)
元々クラシック奏者としても活躍していたフルート奏者のヒューバート・ロウズが1971年にリリースしたアルバム。フォーレ、ストラビンスキー、ドビュッシー、バッハといったクラシックの作曲家たちの作品が、ドン・セベスキーのアレンジによって新しいフュージョン・サウンドとして生まれ変わっている。ヒューバートのフルートはもちろん、ボブ・ジェームス(key)、ロン・カーター(b)、ジャック・デジョネット(ds)なども新鮮なプレイを聴かせている。

56. Sun Goddess (太陽の女神) / Ramsey Lewis

(Columbia, 1974年)
ファンキー・ピアノの巨匠ラムゼイ・ルイスの1974年の作品。アース・ウインド&ファイアのモーリス・ホワイトが2曲でプロデュースを手がけ、EW&Fファミリーも参加して、ラムゼイの持っているファンキーな面をポップに引き出すことに見事に成功している。そのグルーヴィーでダンサブルなサウンドはシーンに大きな衝撃を与え、結果的に全米総合チャートの5位を記録するヒット作となって、グラミー賞も受賞した。

57. Wizard Island / The Jeff Lorber Fusion

(Arista, 1980年)
プロデューサーとしても活躍しているジェフ・ローバー(key)が1970年代後半から率いていたグループの、1980年リリースの最高傑作。リズミックなサウンドと個性的なメロディは、特に日本のフュージョン系ミュージシャンたちに大きな影響を与えた。また注目は若きケニー・G(sax)が本名で参加していることだろう。現在の彼とはひと味違ったパワフルなブロウを聴かせている。もちろんジェフのキーボード・プレイもカッコいい。

58. The Path (回帰) / Ralph MacDonald

(T.K., 1978年)
名パーカッション奏者でありプロデューサーでもあるラルフ・マクドナルドが1978年にリリースした渾身の大作。タイトル曲は17分を超える3部構成の組曲で、様々なアフリカン・リズム、陽気なカリビアン・サウンド、そしてニューヨークのトップ・プレイヤーたちによる現代のリズムと、ブラック・ミュージックのリズムの変遷を彼自身のパーカッションとともに聴かせている。他の曲もサンバからファンクまで、現代のポップ・リズムの様々なスタイルを聴かせており、参加メンバーも超豪華で、彼だからこそ作ることができた画期的アルバムだ。

59. Love Play / Mike Mainieri

(Arista, 1977年)
1977年にリリースされた、フュージョンという音楽ジャンルの中での最高傑作のひとつ。ヴィブラフォン奏者/プロデューサーであるマイニエリを中心に、デヴィッド・サンボーン(as)、マイケル・ブレッカー(ts)、スティーヴ・ガッド(ds)などといったキラ星のようなミュージシャンたちを自由に使い、完璧なサウンドを作り上げてしまった才能は驚異的だ。フュージョンの“粋”がつまったマスト・アイテム。

60. Feels So Good / Chuck Mangione

(A&M, 1978年)
フリューゲル・ホーン奏者であるチャック・マンジョーネの1977年の大ヒット作。ビルボードの総合アルバム・チャートで2位まで上がり、日本でもテレビのCMで使われてヒットした。彼の吹くフリューゲル・ホーンのサウンドは、聴き手を本当に「フィール・ソー・グッド」にしてくれる。ポップなメロディと軽快なリズムが見事に溶け合い、さわやかな世界を作り出している。

61. Memphis Underground / Herbie Mann

(Atlantic, 1969年)
ファンキーなサウンドでフルートという楽器のイメージを変えたハービー・マンが1969年にリリースした、R&Bフュージョンのプロト・タイプともいうべき問題作。レア・グルーヴの基本スタイルともいうべきサウンドが、このアルバムに凝縮されている。ラリー・コリエルとソニー・シャーロックという全く相容れないような個性を持つミス・マッチなツイン・ギターも強力だ。

62. Baked Potato Suoer Live! / Greg Mathieson Project

(CBS, 1982年)
セッション・プレイヤーとして活躍していたグレッグ・マシソン(key)を中心としたセッション・ライヴ。スティーヴ・ルカサー(g)、ロバート・ポップウェル(b)、ジェフ・ポーカロ(ds)という強力なメンバーで、フュージョン、ロック、ポップスなどの垣根をヒョイと跳び越え、4人の男たちがそれぞれの持ち味を十分に発揮しながらひたむきにプレイしている。まるで何かに憑かれたかのように弾きまくるルカサーのギター、熱くなって歯止めが利かなくなったようなポーカロのドラムが壮絶。

63. Birds Of Fire (火の鳥) / Mahavishnu Orchestra

(Columbia, 1972年)
イギリスからやってきた、当時としては画期的だったジャズのフレーズをロックのディストーションで弾く超絶技巧ギタリスト、ジョン・マクラフリンが作ったマハヴィシュヌ・オーケストラの1972年の傑作。5人編成なのに“オーケストラ”と名乗っているところにこのグループの本質がある。これでもかこれでもかと迫ってくる音のパワーは圧倒的。

64. Electric Guitarist / John McLaughlin

(Columbia, 1978年)
1978年に制作された、スーパー・ギタリスト、ジョン・マクラフリンのそれまでの活動の集大成ともいうべき作品。マハヴィシュヌ・オーケストラのメンバー、カルロス・サンタナ(g)、トニー・ウィリアムス(ds)などといったミュージシャンたちとの再共演を通して、様々なフォーマットの中で彼の“エレクトリック・ギタリスト”としてのアイデンティティを見事に表現している。

65. Still Life (Talking) / Pat Metheny Group

(Geffen, 1987年)
1980年代以降のジャズ・シーンをリードし続けてきたスーパー・ギタリスト、パット・メセニー率いるグループの1987年リリースの傑作で、彼らがフュージョン界のスターから、もっと幅広いファン層に支持されるきっかけとなった作品。音楽的にメチャクチャ高度なことをやっているにもかかわらず、聴きやすくポピュラリティのあるサウンドに作り上げているところがすごい。ヴィジュアル感覚あふれるサウンドと完璧な構成、そしてメンバーの演奏力のすごさがひとつになった、1980年代最高のアルバムの1枚だと断言してしまおう。

66. Secret Story / Pat Metheny

(Geffen, 1992年)
パット・メセニー(g)が60人を超えるミュージシャンたちと作り上げた、壮大なる音楽絵巻。彼のそれまでの人生のすべてを、世界各地のサウンドを取り入れながら表現したサウンドは、ジャズやフュージョンなどといった枠を超えた壮大な音世界を表現しており、深い感動を呼ぶ。特に後半の組曲風の展開は圧巻だ。インストゥルメンタル・ミュージックの可能性を極限まで追求した究極の音楽芸術。

67. Tales / Marcus Miller

(PRA, 1995年)
1990年代以降のフュージョン・シーンをリードしてきたマーカス・ミラー(b)が、音楽的蓄積、経験、感性、人脈、技術などのすべてをそそぎ込んで作り上げた1990年代フュージョンを代表する傑作。ブルースからヒップ・ホップまでが有機的に絡み合い、彼の考える21世紀の“ブラック・ミュージックとしてのフュージョン”のあり方が、ここでイキイキと展開されている。

68. A Day In The Life / Wes Montgomery

(A&M / CTI, 1967年)
1967年にリリースされた、いわゆる“メロウ・サウンド”の元祖ともいうべき傑作。ウェスの歌心溢れるギター、クリード・テイラーのプロデュース、ドン・セベスキーのアレンジがひとつとなり、極上のサウンドを作り上げた。当時は“イージーリスニング・ジャズ”といわれていたが、フュージョンという音楽の原点ともいうべき1枚である。

69. Jaco Pastorius (ジャコ・パストリアスの肖像) / Jaco Pastorius

(Epic, 1976年)
1976年、ジャコ・パストリアス自らが改造したフレットレス・ベースで、チャーリー・パーカーの「ドナ・リー」が奏でられた瞬間、エレクトリック・ベースの歴史が変わった。こんなベース・サウンドはそれまで誰も聴いたことがなかった。ここでジャコはまったく新しいエレクトリック・ベースの語法を提示し、世界中の音楽ファンがこの作品に詰め込まれた“ジャコという天才”に驚き、心を奪われたのだった。エレクトリック・ベースという楽器の未来がこの1枚に凝縮されていたといっても過言ではない歴史的傑作。これを聴いて人生が変わったベーシストは後を絶たない。

70. Word Of Mouth / Jaco Pastorius

(Warner Brothers, 1981年)
ベースの歴史を変えた天才ジャコが1981年に発表した永遠の問題作。ベーシストとしてだけではなく、総合的な音楽家としても並外れた才能の持ち主であることを証明したこの作品では、“天才”と“狂気”がギリギリのところで均衡しており、繊細なオーケストラ・アレンジと暴力的なリズムとの対比は、凡人の常識の範囲をいとも簡単に超えてしまっている。ストイックなまでに自己の内面を追求しているかのような音世界は、痛いほどに聴き手のハートに突き刺さってくる。「Three Views of A Secret」は20世紀で最も美しい音楽のひとつ。

71. The Chuck Rainey Coalition / Chuck Rainey

(Skye, 1969年)
エレクトリック・ベースのパイオニアともいえるチャック・レイニーが、1969年に仲間たちと作ったセッション・アルバム。それまで縁の下の力持ち的存在だったスタジオ・ミュージシャンたちが初めて自己主張したアルバムとして、その歴史的価値は大きい。これもフュージョンの原点の1枚。また彼のベース・プレイは、後のエレクトリック・ベースの基本スタイルとなった。

72. Romantic Warrior (浪漫の騎士) / Return To Forever

(Columbia, 1976年)

チック・コリア(key)とスタンリー・クラーク(b)を中心とした“リターン・トゥ・フォーエヴァー"の活動はざっくりと3期に分けられるが、これはチック、スタンリー、アル・ディメオラ(g)、レニー・ホワイト(ds)による“第2期”の最高傑作。ハードなサウンドと繊細なメロディ、そしてチックの持つロマンティシズムが融合して独特の音世界を作り出している。変拍子や超高速フレーズも難なくこなす、ある意味“最もテクニックのあったロック・バンド”だったといえるかも知れない。

73. Gentle Thoughts / Lee Ritenour & His Gentle Thoughts

(JVC, 1977年)
セッション・ギタリストだったリトナーを中心に結成されたグループの、1977年のファースト・アルバム。当時としては画期的だった“ダイレクト・カッティング”という方式でレコーディングされている。スーパー・テクニックを披露するリトナーと鉄壁のリズム隊は当時のフュージョン・シーンに大きな衝撃を与え、この1枚で彼はギター少年のヒーローとなった。

74. RIT / Lee Ritenour

(Elektra, 1981年)
フュージョンとAORが最も美しい形で出会った名作。デヴィッド・フォスターとハーヴィ・メイソンがリトナーとともにプロデュースを担当し、前半がエリック・タッグのヴォーカルをフィーチャーしたAOR色の強いサウンド、そして後半がポップなインストゥルメンタル・サウンドとなっている。センス溢れるサウンドは今聴いてもすごくカッコいい。「Is It You」は全米15位を記録した。

75. Straight From The Heart (ハート泥棒) / Patrice Rushen

(Elektra, 1978年)
セッション・キーボード奏者だったパトリース・ラッシェンの名前を一躍音楽シーンに知らしめたヒット作。全米14位を記録し、シングル・カットされた「Forget Me Nots」も全米23位を記録、その後多くのDJたちにサンプリングされた。彼女自身のヴォーカルを大きくフィーチャーし、フレディ・ワシントン(b)、ジェイムス・ギャドソン(ds)、アル・マッケイ(g)などの実力派たちと共に、フュージョンとR&Bを絶妙のセンスで合体させたポップでキュートな快作。

76. Rainbow Seeker (虹の楽園) / Joe Sample

(MCA, 1978年)
ザ・クルセイダーズのキーボード奏者だったジョー・サンプルが1978年に発表したソロ・アルバム。ザ・クルセイダーズのファンキーなプレイとは一線を画したメロディアスで繊細なピアノ・ソロは、その後のピアノ・フュージョンの定番スタイルのひとつとなった。名曲「Melodies Of Love」は女性ファンの間で絶大な人気を誇った。

77. Carmel (渚にて) / Joe Sample

(MCA, 1979年)
『Rainbow Seeker』と並ぶジョー・サンプルの代表作であり、タイトル曲は彼の楽曲の中でも特に人気の高い代表曲のひとつ。彼のアコースティック・ピアノのメロディが際立った内容になっており、その美しいメロディ感覚とハートフルなプレイが、ワン&オンリーの世界観を作りあげている。

78. Heart To Heart / David Sanborn

(Warner Brothers, 1978年)
そのあまりにもエモーショナルで個性的なアルト・サックス・サウンドで、その後のシーンに大きな影響を与えたデヴィッド・サンボーンが、1978年にリリースした初期の名作。ファンキーなゴスペルからバラード、そしてジャズまでをエモーショナルにプレイしている。ギル・エヴァンス・オーケストラと共演した「Short Visit」も聴きものだ。

79. Hideaway / David Sanborn

(Warner Brothers, 1980年)
1980年にリリースされ、映画『アメリカン・ジゴロ』の挿入歌「The Seduction (Love Theme)」を収録していたこともあって、アメリカ国内で20万枚を超えるヒットとなり、リーダー作としては初めてゴールド・ディスクを獲得した。スタジオ仲間だったマイケル・コリーナとレイ・バーダニがプロデュースを手掛け、深くかかったエコー、自身の多重録音によるサックス・セクションなどといった実験的な要素も積極的に取り入れ、結果的にとてもオリジナリティにあふれた、それまでのフュージョン作品にはなかった音世界をクリエイトすることに見事に成功している。

80. Straight To The Heart / David Sanborn

(Warner Brothers,1984年)
収録を前提とした1984年のスタジオ・ライヴで、映像作品もリリースされている。ハイラム・ブロック(g)、ドン・グロルニック(key)、マーカス・ミラー(b)、バディ・ウィリアムス(ds)という理想的なメンバーとともに、サンボーンがハートフルで歌心溢れるソロをタップリと聴かせている。ライヴということもあって、スタジオ盤よりもさらに熱く力のこもった演奏になっている。ドンの繊細なハーモニーや、ハイラムのロックなソロも気持ちいい。

81. A Change Of Heart / David Sanborn

(Warner Brothers,1987年)
1987年リリースの、デヴィッド・サンボーン最大のヒット作。マーカス・ミラー(b)、マイケル・コリーナ(key)、フィリップ・セス(key)、ロニー・フォスター(key)という複数のプロデューサーたちとともに、ファンキーでありながら、より幅広いサウンドを展開している。グラミー賞を獲得した「Chicago Song」をはじめとして、「Summer」「The Dream」など、後の彼のライヴの定番曲が数多く収録されている。

82. Tom Scott And The L.A. Express / Tom Scott And The L.A. Express

(Ord, 1972年)
フュージョン・シーンを代表するサックス・プレイヤーであるトム・スコットが1974年に結成したグループによるアルバム。ポップなナンバーをファンキーに、そして豪快にブロウする彼のサックスはいつ聴いても気持がいい。当時クルセイダーズのメンバーでもあったラリー・カールトン(g)やジョー・サンプル(key)のプレイも聴きもの。

83. Intimate Strangers / Tom Scott

(Columbia, 1978年)
1978年リリース。LPでいうA面全体を占める、3パート全7曲からなる「Intimate Strangers (Suite)」は、彼の作曲家/アレンジャーとしてのセンスが遺憾なく発揮された名作だ。ジャズやファンクの要素を巧みに融合し、ファンキーだけどスケールの大きなサウンドを見事に構築している。ジャコ・パストリアス(b)をはじめ、スティーヴ・ガッド(ds)、リチャード・ティー(key)、エリック・ゲイル(g)など、豪華ゲストたちも多数参加している。

84. Light The Light / Seawind

(A&M / Horizon, 1979年)
ハワイとロサンゼルスで活動していたミュージシャンによって結成されたグループの1979年のアルバム。ポーリン・ウィルソンのキュートなヴォーカルと、タイトなホーン&リズム・セクションは、他のグループにはない魅力に溢れていた。ジェリー・ヘイ(tp)とラリー・ウィリアムス(sax)という、後に超売れっ子になるアレンジャー2人を輩出したということでも重要なグループだ。当時学生バンドに絶大な人気を誇っていた。

85. Night Birds / Shakatak

(Polydor, 1982年)
1980年代前半にイギリスから突然現れたファンク・フュージョン・グループが、1982年にリリースして世界的大ヒットとなった・アルバム。ファンキーなビートとシンプルなメロディを奏でるビル・シャープのアコースティック・ピアノと、2人の女性コーラスによる独特なサウンドは当時一世を風靡した。

86. Native Dancer / Wayne Shorter

(Columbia, 1975年)
ウェザー・リポートなどで活躍していたサックス奏者、ウェイン・ショーターが1975年に発表した画期的傑作。ブラジルの天才シンガー・ソングライターであるミルトン・ナシメントをゲストに迎え、ウェインのサックスとミルトンの“天使の声”がひとつとなった、まさに“桃源郷の音楽”を作り出している。冒頭の「Ponta de Areia」は絶品。

87. Morning Dance / Spyro Gyra

(Amherst, 1978年)
1978年にリリースされ、一世を風靡したスパイロ・ジャイラのセカンド・アルバム。爽やかで明るいサウンド、ポップでハッピーなメロディ、美しいアルト・サックスの音色とマリンバの軽快な響きなど、気持ちのいいサウンドがアルバム全編で展開されている、まさに“リゾート・ミュージック”ともいうべきアルバムだ。1970年代後半を代表する、最もフュージョンらしい1枚。ブレッカー・ブラザーズをはじめとするゲストも豪華。

88. Stuff / Stuff

(Warner Brothers, 1976年)
1976年にデビューし、全世界の音楽シーンに大きな衝撃を与えたスーパー・リズム・ユニットのファースト・アルバム。ツイン・ドラムにツイン・ギターという編成で、メンバー全員がひとつのビート・マシンと化して、ひたすらグルーヴするというサウンドが圧巻だ。特にスティーヴ・ガッド(ds)とリチャード・ティー(key)のプレイは壮絶の一言。

89. More Stuff / Stuff

(Warner Brothers, 1977年)
1977年リリースのスタッフのセカンド・アルバム。ヴァン・マッコイがプロデュースを手掛け、グループとしてのまとまりもさらに良くなり、“スタッフ・サウンド”がこのアルバムで確立した。6人の怒濤のグルーヴはそのままに、スティーヴィー・ワンダーの「As」のカヴァー、ゴードン・エドワーズ(b)が歌う「Love Of Mine」など、内容もヴァラエティに富んでおり、オシャレなジャケットも含めて、彼らのアルバムで最も完成度の高い文句なしの名盤だ。

90. Spinozza (スピノザ・ニューヨーク) / David Spinozza

(A&M, 1978年)
セッション・ギタリストとして売れっ子だったスピノザが1978年にリリースした初リーダー作。マイク・マイニエリ(vib)がプロデュースを手掛け、マイケル・ブレッカー(ts)、デヴィッド・サンボーン(as)、アンソニー・ジャクソン(b)、スティーヴ・ジョーダン(ds)などといった強力なメンバーが参加している。キレのいいギター・ソロが全編でフィーチャーされており、彼のギタリストとしての魅力が詰め込まれたフュージョン・ギター・アルバムの名作だ。カーペンターズの「Superstar」の情感溢れるカヴァーも絶品。

91. Strokin' / Richard Tee

(Tappan Zee, 1979年)
“スタッフ”の名キーボード奏者、リチャード・ティーの1979年発表の初リーダー作。そのリズミックで躍動的なピアノ・プレイや味わい深いヴォーカなど、彼の魅力が凝縮された、まさに“オール・アバウト・リチャード・ティー”ともいうべき快作だ。特にスティーヴ・ガッド(ds)とのデュオによる「Take The ‘A’ Train」はフュージョン史に残る大名演だ。

92. Tourist In Paradise / The Rippingtons

(GRP, 1989年)
セッション・ギタリストだったラス・フリーマン率いるリッピントンズは、それまでの西海岸フュージョンとはひと味違った緻密なアンサンブルと考え抜かれた曲の構成、そしてポップなメロディが有機的に絡み合った“音のつづれ織り”ともいうべきフュージョン・サウンドを作り上げた。これはそんな彼らのアプローチが確立し、1990年代に大きな影響を与えた出世作。当時多くの西海岸グループが彼らのようなサウンドになってしまうほど、その影響力は大きかった。

93. Share Your Dreams (ニューヨークの夢) / The 24th Street Band (24丁目バンド)

(Better Days, 1980年)
ハイラム・ブロック(g,vo)、ウィル・リー(b,vo)、クリフ・カーター(key)、スティーヴ・ジョーダン(ds)という、当時ニューヨークの24丁目界隈に住んでいた若手セッション・ミュージシャンによって結成されたセッション・ユニットが、日本で“24丁目バンド”としてデビューした。ウィルとハイラムがロック好きで歌えたこともあって、ヴォーカルも大々的にフィーチャーしたそのサウンドは、フュージョン・ファンのみならず、ロック・ファンからも高い人気を獲得していた。「The New York City Strut」はそんな彼らの魅力が凝縮されたアッパーなナンバーだ。

94. Darkness, Darkness / Phil Upchurch

(Blue Thumb, 1972年)
セッション・ギタリスト / ベーシストとして活動していたフィル・アップチャーチが1971年にリリースした、フュージョン・ギター史に残る問題作。チャック・レイニー(b)、ジョー・サンプル(key)、ハーヴィー・メイソン(ds)というリズム隊をバックに、フィルがとり憑かれたようにゴリゴリとギターを弾きまくってるという、それはそれはすごいギター・アルバムだ。

95. Legends (伝説) / Dave Valentin

(Arista / GRP, 1978年)
デイヴ・グルーシンとラリー・ローゼンが設立し、後のフュージョン・シーンを席巻することになる“GRPレーベル”の記念すべき第1弾作品で、サルサのフィールドで活躍していたフルート奏者の初リーダー作。そのエネルギッシュなフルートはそれまでのフュージョン界にはなかったもので、グルーシンの新人発掘の眼力のすごさをあらためて実感させた。グルーシンのきらめくアレンジに乗って、爽やかで力強いフルート・ソロが展開されている。

96. Winelight / Grover Washington, Jr.

(Warner Brothers , 1981年)
1980年代以降の、クワイエット・ストームやスムース・ジャズの原点ともいうべき傑作。ラルフ・マクドナルド(perc)のプロデュースによるメロウなサウンドと、グローヴァーの歌心溢れるサックスとの絡みは、後の世代にハンパじゃないほど大きな影響を与えた。ビル・ウィザースのヴォーカルをフィーチャーした「Just the Two of Us」はヴォーカル入りフュージョンの先駆けでもある。あらゆる音楽の元ネタがここにあります。

97. Heavy Weather / Weather Report

(Columbia, 1976年)
ウェイン・ショーター(sax)とジョー・ザヴィヌル(key)が率いていた、ジャズ史上最高のグループ“ウェザー・リポート"の1976年の大ヒット作。リーダーふたりに加え、天才ベーシストのジャコ・パストリアスが加わったことによってこのユニットは“完璧”になった。躍動的でハッピーなヒット・ナンバー「Birdland」から始まる冒頭の3曲の構成は見事の一言。

98. Night Passage / Weather Report

(Columbia / ARC, 1981年)
ジャコ・パストリアス(b)とピーター・アースキン(ds)が加入し、まさに奇跡的なメンバー構成となったウェザー・リポートが、1981年にレコーディングした彼らの最高傑作。インプロヴィゼイションとアンサンブルを有機的に融合し、ジャンルを超えた史上最高の音楽芸術を聴かせている。1980年代で最も重要な作品の1枚。

99. On Love / David T. Walker

(Ode, 1976年)
膨大な数のセッションに参加し、ソフィスティケイトされた歌心溢れるバッキングで多くのシンガーたちをサポートしてきた“ギター職人”が、1976年リリースしたアルバム。セルフ・プロデュースで、気心の知れたセッション仲間たちとともに、ソフト&メロウでグルーヴィーなR&Bインストともいうべきサウンドを聴かせている。特にミニー・リパートンの「Lovin’ You」での歌うようなギター・ソロは絶品だ。

100. Emergency! / The Tony Williams Lifetime

(Polydor, 1969年)
マイルス・デイヴィス・バンド出身のスーパー・ドラマー、トニー・ウィリアムスが1969年に結成した、ジョン・マクラフリン(g)とラリー・ヤング(org)とのトリオによる衝撃のデビュー・アルバム。3人がパワーが全開で突っ走り、圧倒的な迫力の演奏を展開している。そのノイジーともいうべきサウンドは、今となっては快感ですらある。特にマクラフリンのギターが強力。

101. Yellowjackets / Yellowjackets

(Warner Brothers, 1981年)
ロベン・フォード(g)の「The Inside Story」のレコーディング・メンバーとして集まったラッセル・フェランテ(key)、ジミー・ハスリップ(b)、リッキー・ロウソン(ds)が意気投合し、ロベンとともに結成したグループ“イエロージャケッツ”が1981年にリリースしたデビュー作。契約の関係でロベンはゲスト扱いになっている。ロベンのドライヴ感溢れるギター、ラッセルのイマジネーション溢れるキーボード、そしてしなやかなリズム隊が新感覚のフュージョン・サウンドを作り出している。

102. The Spin / Yellowjackets

(MCA, 1989年)
元々は西海岸フュージョン的なポップなサウンドを展開していたイエロージャケッツだが、その後メンバー・チェンジもあり、1987年の『Four Corners』ではアンサンブルとインプロヴィゼイションが高度な次元でバランスした、アグレッシヴなサウンドを展開してファンを驚かせた。これはそんな彼らの名作。ラッセル・フェランテのキーボードを中心に、テンションあふれる演奏はすさまじい迫力に満ちている。

103. White Elephant / Mike Mainieri & Friends

(Just Sunshine, 1972年)
1969-1972年に録音されたフュージョン黎明期の貴重な記録。マイク・マイニエリ(vib)を中心に、ブレッカー・ブラザーズ、スティーヴ・ガッド(ds)などをはじめとする、後にフュージョン・シーンをリードしていく若手ミュージシャンたちが繰り広げたセッションで、ジャズとロックが融合したようなサウンドが展開されている。当時1,100枚しかプレスされず、フュージョン界最大のレア・アルバムだった。

104. Zawinul / Joe Zawinul

(Atlantic, 1970年)
ウェザー・リポートを率いて、1970年代以降の音楽シーンを席巻したジョー・ザヴィヌル(key)の原点ともいうべき重要作。テーマ-ソロ-テーマというジャズの方法論を覆し、アンサンブルとインプロヴィゼイションを有機的に絡み合わせるという発想は、当時としては画期的だった。すべてのアプローチが、その後のジャズの未来を見事なまでに予見している。

105. Blue Montreux / Arista Allstars

(Arista, 1978年)
1978年、スイスのモントルー・ジャズ・フェスティヴァルに、当時アリスタ・レーベルと契約していたミュージシャンたちによるオールスターズが出演したときのライヴ・アルバム。マイク・マイニエリ(vib)、ブレッカー・ブラザーズなどを中心に、フュージョン・セッションの理想的なプレイが展開されている。名曲・名演が詰め込まれた、フュージョン気分満点の歴史的ライヴ・アルバム。

106. Live / Jun Fukamachi & The New York All Stars

(Alfa, 1978年)
日本でフュージョンが爆発的なブームとなったのは、1978年のこのアルバムの功績も大きい。深町純(key)がニューヨークの精鋭たちを集め一大セッションを繰り広げた歴史的コンサートのライヴ・アルバムで、ブレッカー・ブラザーズ、マイク・マイニエリ(vib)、スティーヴ・ガッド(ds)、デヴィッド・サンボーン(as)、リチャード・ティ(key)などといった強力メンバーがその魅力を遺憾なく発揮している。

もし、もっとフュージョンのアルバムについて知りたいという方は、熊谷監修による
フュージョン (ディスク・コレクション) (シンコー・ミュージック刊)を、ぜひご覧になってください。

© 熊谷美広

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