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専門性とは何か?

専門性がわからない、、、

私は理学療法士です。
周りの人からは“身体の専門家”としてみられます。

あなたも何かしらの専門分野があり、その知識や技術を活かして働いていると思います。

かつての私にはこのような悩みがありました。
周りからは身体の専門家としてみられているのに、専門家としての知識や技術に自信がなく、結果も出せなければ自分がやっていることに根拠も示せない。。。
それなのにお金はいただいているという、自己評価と他者評価のギャップにもやもやしていました。

もちろん、今でもすべてがうまくいくわけではなく、解決が難しい問題もあります。
しかし、周りからの意見を求められた時に「専門家」としてどのように思考し、どうしていけば良いのかという行動の仕方はわかってきました。
例え、解決が難しい問題だったとしても手順を踏んで時間をかければ解決できると思っています。

今回は自分の仕事に対して、専門性を発揮できていない、あるいは専門性って何かわからないという方向けに、私なりの専門性についての考えをまとめてみました。

誰でもできるアプローチと専門的なアプローチの違いは?

ここではまず、誰でもできるアプローチと専門的なアプローチの違いについて説明します。

まずは誰でもできるアプローチから。。。

例えば、家の蛇口が水漏れした場合、解決策がわからない素人は一時的に漏れを止めるためにテープを巻いたり、タオルで拭くなどの対応しかできません。
このような対応は表面的な問題を抑え込むだけであり、水漏れはし続けているので根本的な解決には至っていません。

では、専門家はこの問題をどう解決するでしょうか?

水道修理の専門家は、蛇口の水漏れの原因をまずは調べます。
その結果、問題がパッキンの劣化にあると判断しパッキンを交換することで問題を根本から解決できます。

この対応をもう少し抽象度を上げて言葉にすると、、、

誰でもできるアプローチとは・・・
起こった事象に対して、表面的に解決すること。無理矢理抑え込んでいるだけ、ほっといたらまた繰り返すようなアプローチ

専門的なアプローチとは・・・
起こった事象に対して、“なぜ起こったのか”原因を分析し、その原因に対してアプローチするので繰り返さなくなる

という捉え方ができます。
これは、どんな職業やどんな問題に対しても共通して言えることです。

あなたは目の前で起こっている課題や問題に対して、しっかりと原因を分析できていますか?

対症療法ばかりしていないか?

根本的な問題を残したまま、表面的な問題にアプローチする事を「対症療法」といいます。

理学療法の世界でいえば、、、
・膝が痛いのは膝のアライメントが崩れているから膝にアプローチする
・腰が痛いのは腰の筋肉張ってるから腰の筋肉をほぐす

→このアプローチには、なぜ膝のアライメントが崩れるのか?なぜ腰の筋肉が張っているのか?の原因をみていません。
→例えその場では痛みが良くなっても、時間が経つと戻ってしまうという
→身体の知識はあっても、原因を考えずにアプローチしている人は実はめちゃくちゃ多いのです。

資格を持っていても、周りの人から専門家としてみられていても、対症療法をしている人が一定数います。
これは理学療法の世界に限った話ではありません。

・医者
血圧が高いからと血圧を下げる薬を処方している
(なぜ血圧が高くなったのかを分析しているか?)
・製造業
問題が発生した箇所だけ修理する
(なぜ問題が発生したのかを分析しているか?)
・販売業
売れない商品に対して値引きやキャンペーンを実施する
(商品の品質や需要について分析しているか?)
・教員や保育士
子どもの問題行動に対して「辞めなさい」と怒って押さえつける
(なぜそういう行動をするのかを分析しているのか?)

どのような職業の人でも、対症療法をしています。
自分の周りにいる人がそのような対応ばかりしていると、その対応が当たり前で、原因を考えさえしていないことだってザラにあるのです。

また仕事に限った話だけでなく、このような根本的な原因を考えていないで行動してしまうことは日常生活のあらゆるる場面でも言えます。

・ダイエット
「〇〇を食べたら痩せる」「〇〇ダイエットは効果ある」に食いつく
(自分の生活習慣の問題点を分析しているか?)
・スポーツ
パフォーマンスアップのために有名選手がやっている「〇〇トレーニング」を自分もやる
(自分自身の課題は何かを分析しているか?)
・指導を受ける
やり方だけ覚える
(なぜこのやり方なのかという理由を考えているか?そこがわからないと応用が効かない)

なんでその方法が良いと言われるのか?

その理由や問題の原因を考えずに対処した場合、根本的な原因が解決していないから同じことを繰り返してしまいます。
その方法で、上手くいくこともありますが、それはたまたまうまくいっただけで、そこには再現性も専門性もありません。

ここで言いたいことは「専門家だから専門的なアプローチをしている」のではなく、「問題の原因を考えてそこに対してアプローチできることが専門的なアプローチ」ではないかと私は捉えています。

だから、あなたが何かしらの専門的な知識を持っていたとしても、原因を考えずにただアプローチしていたら専門性は発揮できていません。

反対に、自分の専門分野でなくても、原因を考えてそこにアプローチをしていくことができていたら、その分野も得意分野とすることができると思います。

ただし、専門分野外のものは、そもそもの知識がないことがほとんどです。
そのため、原因の分析が不十分になりやすいです。

そういう時は根本的な原因を分析してくれる“本物の専門家”に相談しましょう。
(「〇〇したら大丈夫」と答えを示すような書籍や人はあまり信用しない方が良いでしょう)

専門家に相談した時にただ解決してもらうのではなく、原因の分析を手伝ってもらいながら自分自身の行動を変えていくことが問題解決には重要だと私は考えています。

もちろん、すべてを自分で解決していくのは難しいですし、時間が足りなくなるのもわかるので、専門家に解決してもらうことがダメではありません。
(例えば、私であれば車の故障や機械の故障などは専門家任せです。)

ですが、繰り返してしまうような事象、問題に対しては、仕事以外の分野でも専門家頼みではなく、原因をきちんと分析して対処するようにしていくことをおすすめします。

原因には深さがある

ここまでで、起こった事象に対して原因を分析すること、その原因に対してアプローチすることが大切というのはご理解いただけたかと思います。

ただし、原因には、さらにその奥の原因が存在することがほとんどです。

先程の膝の痛みを例にすると、、、
①膝のアライメントが崩れてる

②足首の内側が硬く、外側が緩くなって踵のアライメントが崩れている

③昔、足首を捻挫した

これで3段階掘り下げましたが、原因はもっと深掘りすることができます。

また、ハインリッヒの法則などからもわかるように、原因は縦方向だけでなく、横方向にも広げられます。

①膝のアライメントが崩れている

②足首の内側が硬く、外側が緩くなって踵のアライメントが崩れている
②骨盤が後傾している
②外側の筋肉ばかり使って立っている
みたいな感じです

このように原因には深さがあり、加えて起こった現象と原因が1:1であるわけでもありません。
必ず複数の原因が複雑に絡み合って、起こるべき現象が起きてしまっています。

例えば、②で出てきた原因が、②`から深掘りした④に同じ原因となることがあります。このように同じ原因が数カ所でてきたものに対してアプローチすると解決がしやすかったりします。
また、それで解決しなかったとしても、分析してでてきた他の要素に対してアプローチしていけばいずれその問題は解決できます。
それで解決できなければ、分析が間違っていたか、そのアプローチ方法を間違えていたかになります。

原因の原因、そのまた原因とより深く分析しアプローチできる人は、より専門性の高いアプローチをしていると言えます。

私自身も、まだまだ浅い視点で物事を見てしまうこともあります。
しかし、今の自分の視点より、もう1段階でも深く分析しようという思考が、より自分自身の専門性を高めていくと思っています。

そこには一つの分野の知識を深めるだけでなく、他分野の知識なども必要だと感じています。

お読みいただいた方が、自身の専門性について考え、高めていくきっかけになれば嬉しいです。

あなたの仕事で起こる課題や問題の原因はなんでしょうか?
まずは「なぜ?」と問いを立て、これまでよりも一つ先の原因を分析するところから始めてみましょう。

お読みいただきありがとうございました。


刈谷体質改善Lab〜縁〜
【整体】【コンディショニング】【パーソナルトレーニング】
代表 岩瀬 勝覚
・理学療法士
・JARTA認定スポーツトレーナー・認定講師
・認定深層心理トレーナー
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