002|「素材実験由来のプロトタイプ」by秋田公立美術大学柚木研究室
100ミリ角の立方体に込められた素材実験の結晶。
秋田公立美術大学ものづくりデザイン専攻の柚木恵介研究室が進める「100⁴ Material Lab.」の一部を紹介いたします。
100⁴ Material Lab.とは
この画像を見るだけでワクワクしませんか?
「はい」とお答えいただける方は、きっとクリエイティブ関連の方々ですね(笑)。ぜひ、この素晴らしい活動を知っていただきたいと思います!
身の回りにあるような素材に少しの加工を加えるだけで、見る人にその素材の新たな可能性を伝えてくるような「100mmx 100mmx 100mm の素材標本キューブ」たち。私はひとめでその魅力に引き込まれました。
柚木研究室の「素材実験由来」アプローチ
私たちデザイナーもデザインを進める時には、まず論理的にアイディアを広げることから始まり、その後プロトタイプと呼ばれる「失敗する要因を知ることで、成功する条件を見つける」実験を繰り返していきます。
この研究室のアプローチも同じ考え方に基づいておられ、とても共感を持ちました。
セレクトした素敵なプロトタイプ
数多くある素材標本キューブの中から3つを厳選して紹介しようと思います。
この「サンプルコレクション」なら受注生産でご購入いただけますよ!
#002−01
Material × Action : LEGO (ABS) × Heating
ブロックという「製品」をあたらめて、「素材」として再認識することができた作品。「歪みながらも接合しているカタチ」と「表面の艶」が素晴らしいです。
研究室では、この実験を応用した一輪挿しも作成されていました。
#002−02
Material × Action : Wood × Sandblast
驚きの「超浮造(うずくり)加工」。
木目の陰影を美しく愛でるための加工方法ですが、ここまで深いものを見るのは初めてのことでした。一般的な浮造加工は、カヤなどの草の根を束ねた道具や、ナイロンブラシを取り付けたホイールサンダーを使うようなのですが、この研究室が行った手法が「サンドブラスト」。細かな粒子を圧縮エアーで飛ばして対象物を削る技法を使うことで、硬い部分のエッジを残したまま、ここまで深い削り込みを可能にしています。
#002−3
Material × Action : Corrugated Sheet × Heat Cut
第一印象は「キャベツの断面」。
とても有機的で美しい印象を受けました。作り方をお聞きしてみると、上記の説明の通り、とても単純明快。しっかりと融着するまで固定するのに、かなりの力が必要かと想像しますが、それだけの加工方法でこんな造形ができることに驚きました。
花立てやペンスタンド、家具の脚などにも応用できそうな加工方法です。
柚木恵介先生の想い
まず公式サイトの抜粋をそのままご紹介いたします。
このサンプルコレクションを運営する株式会社Yの三宅もデザイン系の大学で非常勤講師をさせていただいているのですが、柚木先生の想いと取り組みにとても共感いたしました。
思いついたアイディアをネットで探してみると「思いついたんですが、すでにあったんです。。。」というように落胆している学生の姿によく出会います。よく話を聞いてみると、その人ならではのこだわりがあったりして、その特徴を伸ばしてあげると違うものになったりするのですが、その伸ばし方、ずらし方が学生立ちには分からないんですよね。
柚木先生のこのアプローチを学んだ学生たちは、この悩みを持つことなく、どんな既存商品も「別のやり方があるんじゃないか?」と考えるチカラを身につけられるのではないかと感じています。
柚木先生、応援してます!!!
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プロダクトデザインやモノを作り出すお仕事をされている方々には、とても興味深いに違いないこの実験の結晶。とても嬉しいことに交渉の結果、この3点は受注生産で作っていただけることになりました。手元において今後のインスピレーションにされてはいかがでしょうか?
ご興味を持たれた方は、ぜひYオンラインストアにて詳細をご確認ください。
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※公式サイトは現在クローズされております。
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