~カミナシCS流~プロダクト定着・活用を促進する活用支援ツール開発の裏側
みなさん、こんにちはカミナシの細見(@yuta_hosomi)です
今回は、カスタマーサクセスのリテンション期(導入支援完了後の活用拡大を支援するチーム)のカミナシの取り組み事例をご紹介します。
昨今、「おたくのカスタマーサクセスは導入支援後なにやっているの?」
という話をよく耳にするようになりました。BtoB SaaSにおける、カミナシ流の導入支援後の活用支援・利用推進の取り組みが参考になれば幸いです。
カミナシの導入〜活用支援体制
現在、カミナシは主に3つのチームでお客様の伴走をしています。
・オンボーディングチーム(導入支援)
・リテンションチーム(活用支援)
・サポートチーム(チャットでのお問い合わせ対応や、ヘルプページ作成)
に分かれています。
私の所属するリテンションチームは、数ヶ月の導入支援を完了した後、
お客様を引き継ぎ、より活用を広げていただくご支援をしています。
具体的には、
・お客様がカミナシを活用いただくシーンを増やすお手伝い
・お客様がカミナシ活用を継続できるような体制構築のご支援
(デジタル化に関するお悩みごとのヒアリングと助言)
などを実施し、その結果として、
・継続してご利用いただくこと(リニューアルの達成)
・ID数の増注、利用価値を拡大できるプランアップのお申し込みいただく
これらを役割としています。
より深い活用支援を行うために
活用支援をより深く早くするために、春先から半年で着手したことをご紹介します。
・お客様の導入目的、求める成果、導入スケジュールの見える化
・議事録をお客様と双方で見える形で残すようにした
・ヘルススコアの設計・運用開始をした
特に、私は「お客様の導入目的、求める成果、導入スケジュールの見える化」を目的に、活用支援計画書の検討/設計/実装を行いました。
活用支援計画とは・・・
活用支援ミーティングという定例の会議で投影しながら利用する、当社とお客様双方で書き込みが可能なスプレッドシートです。
活用支援計画書は3つの機能を持たせています。
1.リアルタイムでの活用目的、方針の整理と言語化
2.活用スケジュールの見える化
3.毎回ミーティング議事録とネクストアクションの記載
これらを毎回のミーティングの中で確認、修正、追加を行っていきます。
具体的には下記のような役割を持たせました。
<活用方針の言語化ページ>
打ち合わせの中で、順に従いヒアリングしながら、
時にはコーチングに近いコミケーションを駆使し言語化の支援を行います。
また、導入目的がペーパーレス化という声があがった際には、
「ちなみにそれは何故取り組む必要性があるんでしたっけ?」となぜ、なぜ?を繰り返すと、顕在化されていなかった目的をお客様と共有することができます。
<マイルストーン表ページ>
1ヶ月ごとのセルをつくり、達成しておくべきタスクや事柄を記載していただきます。また、繁忙期や、内部監査など活用推進の障壁になるイベントも書き出していただきます。そうすることで、予め推進力が乏しくなる時期の予測ができ、無理のないスケジュールづくりを行えるようにしています。
活用支援計画書作成に至る背景
◾︎ノンデスクワーカーの多くが抱える問題
導入を決めた方と推進を進める方が多くの場合で異なり、導入背景/目的の認識のズレが発生していた
デジタル化をはじめて取り組むケースが多く、進め方、スケジュールに無理が生じないようにプロジェクトメンバー全体でスケジュール/TODOの見える化をする必要があった
部署異動が発生しやすく、活用の経緯、推移をドキュメント化しておく必要があった
■カミナシ側の問題
デジタル化が目的になりやすく、紙がカミナシに置き換わった後の目的を理解するのに苦戦した
リリースしてから2年前後であり、今後カミナシの活用にどんな障壁が存在してるのかを把握することが必要だった
お客様の増加とリテンション担当の増加に伴い、活用支援のあり方を型化し、再現性をつくる必要があった
基本的に、BtoB SaaSの導入目的は利用が始まると変わっていくことがほどんどであり、お客様との認識を常に合わせることが重要でした。
また、ノーコードアプリは、自由度が高い分、お客様の利用目的が千差万別です。それらを、ヒアリング→把握→取り組み決定→実行→検証を回し、成功パターンを社内に蓄積していくプロセス設計が必要性でした。
どのように設計していったのか
理想の状態をゴールとして、そこから逆算で議論・整理できるフレームワークの機能をもたせること、
そして、お客様自身で入力編集を行えるものにすることを意識しました。
▼参考にした書籍
考える上で、最も重要だったのは、
理想の状態を
「カミナシを導入して目指す理想の状態」ではなく、
「デジタル化としての理想の状態として考えること」
を、意識してもらえるようにするのがポイントでした。
カミナシを導入した際の理想と捉えると、
カミナシを手段ではなく、目的として思考してしまうケースが増えます。
その結果、お客様からツール導入が「目的」に置き換わったゴールを設定してしまうケースがありました。あくまでもソフトウェア導入は手段であることを、我々自身が認識をしておくことが重要だと考えました。
活用から数ヶ月経ち、お客様やチームメンバーから、
「積み上げ式でタスクを考えがちなので、ゴールから逆算することで時期の必然性が高まる!」
「お客様の規模によって、中長期のスケジュールが可視化されることでアップセルの機会創出に影響が出始める」
お客様の真の目的が明文化され、導入成果が客観的に判定可能なものに近づいた
というシナジーが少しずつ出始めました。
BtoBのカスタマーサクセスは、「導入成果の測定をいかに行うのか?」
は常に悩みの種ではないでしょうか。
まず、その定性的なゴールの設定は重要な一丁目一番地であり、活用支援計画書はその足がかりとなりました。
ゴール設定と定量化については前回の記事で考察しておりますのでご覧ください。
今後どうしていきたいのか?
まだまだ、活用支援計画書は開発途中のツールです。
今後は活用支援計画を中心として、以下を考えております。
紙を無くす以上に、デジタル化による価値やお客様も想像していなかった成果を定義をできるツールに昇華させる
お客様の規模に囚われないそれぞれの型をつくり、お客様にもカミナシにも再現性あるサポートを行えるようにしていく
上記を達成し、さらなる価値を感じてもらい、カミナシの利用率・利用数の増加にいたり、win-winとなる仕組みをつくる
さいごに
最後までご覧いただきありがとうございました。
これからもカミナシ流のBtoB SaaSのカスタマーサクセス論について投稿していこうと思います。
ノンデスクワーカーの皆様へのデジタル化のご支援に少しでもご興味があればぜひ、採用ページもご覧ください!
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