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「カスタマーサクセスの目標設定について考える」

みなさん、こんにちはカミナシの細見(@uta_somi)です

カミナシに入社してから、数多くの施策の検討や実施に挑戦させていただきました。
カミナシのカスタマーサクセスが取り組んでいる施策は
今後noteが沢山でてくると思います!乞うご期待ください!!

私はtoB SaaSは2サービス目、カスタマーサクセスとしても2周目となり、どのサービスでも目標設定や施策立案・実行は共通の難しさがあるなと感じています。

「個人的にイケてる施策を立案したつもりが、意図せず中座してしまう」
「チーム全員で決めたはずの目標が、なぜか終盤になると『意味ありますか?』となる」
「その月や一定の期間が終わると施策に継続性がなくなる」

そういった正解のない苦しみの中で、現時点で私なりのカスタマーサクセスが行う施策の目標設定や、その後の施策マネジメントの取り組みを共有したいと思います!

サービスリリースから0〜2年前後のCSとしての視点のため、すべてのCSの皆さんに当てはまらないかもしれませんが、このtoB SaaSのCS、永遠とも思える課題についてご一緒に考えていただけたら嬉しいです

このnoteはなにか

このnoteは立ち上げ〜拡大期のBtoB SaaSのCS業務における(もしかしたら他も当てはまるかもしれませんが)日々の目標設定やプロセス設定がなぜ複雑になるのかを考察し、本当に改善ができる目標設定を行うための私なりの考え方を記載したいと思います。

どうして BtoB CSの施策は形骸化しやすいのか

■数値にすることが難しい(なっていない)GOALが多い

CSの施策は、「ユーザーさんを◯◯にしたい」「こういう体験を届けたい」などあるべき姿はかなり解像度高く描けるのですが、一方その状態を数値で計測できるとすると・・を考えると難易度が急に高くなることもしばしば・・・これでは何が良くなったのか?人やチームの知見がなかなか貯まりづらい状況を生んできました。

■施策を実施する前段階の変数が多い

The Modelと呼ばれる分業制が引かれていることが多い今、カスタマーサクセスでは、受注前のユーザーさんの状況や受注条件など、受注の最後のフェーズとなるCSでコントロールが難しいXとなる変数がすでに多数存在していることが多いことも考えられます。

よくある、施策をやりながら、「そもそもさ〜」と始まるとこの沼に入っていることよくあります。
これは一番のカスタマーサクセス共感ポイントかもしれません。笑

■施策を届ける登場人物の複雑な多様性

施策を考えるときに「ユーザー」や届けたい相手のバックグラウンドや考え方も違えば、企業毎の組織体制や、望む成果の形だって十社十色です。

Aさんは施策の効果がでていてポジティブなんだけど、上司のBさんがあんまり使ってないんだけど、あんまりポジティブじゃなくて総じて上手くオンボーディングできていない。とか。あれ、施策自体はいいの?悪いの?を判別しにくくなっていることありませんか。

もちろん、それ以外の要因もたくさんあるとは思いますが、これらがせっかく実施した施策や計画を形骸化させやすい要因のいくつかではないかなと考えています。

だからこそ、数字の関係性と数字の意味を深く考える

CSが関わる数字には3種類ある

CSが日々目指したり、追いかけたりしている目標はたくさんあると思います。皆さんのサービスや組織の成長度合いによって項目が異なるとは思いますが、それぞれの目標となる数字や数値を大きく3つに分けて考える様にしています。

先行数値(指標):目標や目安となる値に間接的又は直接に影響を及ぼす数値
一致数値(指標):リアルタイムな行動の実施に伴い変動する目標や目安値
遅行数値(指標):過去の行動に基づいて将来的に変動する目標や目安値

先行数値は、オンボーディング完了率や、ログイン率など、最終目的の数値というよりは望む結果の1つの行動や、プロセスの状況を表す物が多く、主に遅行数値に相関すると思われる数値などです。

遅行数値は今日明日頑張って行動して、即結果が変動しないと思われる数値などです。具体的にはNRRや解約数などが挙げられます。

一致数値はやや先行数値に近い考えですが、顧客対話数など毎日どの程度アクションしましたか?と聞かれて答えられるものが一致数値だと捉えています。

目標設定や施策を検討する際は、この3つの違いを意識するようにしています。毎日の行動目標に遅行数値になるものは含まれていないだろうか?
先行数値は遅行数値に相関(先行数値が2倍になれば遅行数値も同じように増加するだろうか?)毎日のレポートしている日報は一致数値になっているだろうか?など…

この、今目標としている目標や目安は遅行数値なのか?先行数値なのか?を考えるだけでもかなり解像度は格段に上がった気がします。

特に、毎日の積み重ねていくアクション目標が遅行数値になっている場合、何のために実施している施策なのかが不明確になることがこれまで多くありました。

理想の状態を考えて→目標を数値化する為のアイデア

目標設定の文脈ではよく「KPI」や「OKR」という手法がありますが、いずれも目標設定のやり方が成否の9割だと考えています。ちなみに、カミナシ全社ではOKRを採用しています。詳細は下記のNoteをご覧ください!

私が、冒頭に記載したCSの数値目標や施策を考えに悩んでいた際に1冊の本と出会い、今でも最も大切にしている考え方です。
「最高の結果を出すKPIマネジメント 」中尾隆一郎 著 です。

[参考]中尾隆一郎著:KPIマネジメントより抜粋し一部改編

本著の中で、目標設定において、あるべき状態を=GOALとして言語化し、それを数値で表したものをKGI(Key Goal Indicator)で数値化してみます。
この際に、KGIの数値化が難しい場合は、そのGOAL設定の解像度が高くない可能性があります。もう一度GOAL設定に立ち返り、今度は5W1H(いつ・誰が・どんな)を意識したGOALを再設定します。

そして、そのGOAL=理想の状態に到達させるために、必要なプロセスはなにがあるか?を考えます。これをCSF(Critical Success Factor:重要な成功要因)、人によってはKSF(Key Success Factor)と呼ぶ人もいます。
そして、これもKGIと同じ様に、数値で表すとどんな状態になるのか?を定義します。これをKPI(Key Performance Indicator)と捉える様にしています。

最後に、KPIが達成するとKGIも達成されるのか?=相関関係があるか?を確認しています。

実際の施策に落として考えるとこんな感じ・・・

こう捉えることで、そもそのもGOALを見失うことなく、重要なプロセスを洗い出しながら、進捗を定量的に捉えることでその施策が有効なものなのか?はたまた、この施策は取り組んだがKPIにヒットしなかった。というナレッジとして獲得することに繋がっていきます。これがいわゆる"PDCAを回せるKPI"につながる近道だと考えています。

最後に

まだまだ志半ばで、最適解!!とは至っていませんが、今後もカスタマーサクセスの行動や努力を見える化していく営みを続けて行きたいと考えています。このようにtoBのカスタマーサクセスは成果と努力が見えづらい役割ですし、知見も貯まりづらいですが、体系化されていくことで、日本のDX化が少しでも前進すれば嬉しいなと思っています。

次回のnoteでは、これらの考え方をどう生かしているか、過去の失敗談をもとに書いていきたいなと思います!

カミナシのCSチームはKPIドリブンなチーム化を進めています.
既存顧客の継続率向上や収益拡大を目標においたときに、どんなKPIをチームとして追いかけると、より爆速でグロスするのだろうか?
などまだまだ、わからないことや試し中のものがたくさんあります。

ディスカッションや知見をお持ちの方とお話できればとなーと思っています!ぜひ、お声掛けいただけると嬉しいです!

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