張子が好きすぎる話「だるま編」
私は日本の古典や民芸品、文化、風習が大好きだ。
特に心が惹かれるものの一つに張子がある。
張子と聞いてピンとこない方に説明すると、
型に和紙を重ねて成形して、乾いたら剥がして絵付けしたものを張子という。中は空洞になっており軽い。
中国の唐代に酒の席で酒胡子(しゅこし)というコマのようなものを用いた遊びが行われており、それが起源と言われている。
日本には平安時代に中国から伝わったようだ。
有名なものを挙げると「だるま」がまずある。
他にも犬張子、起き上がり小法師、黄鮒、姫だるま、赤べこ、張子の虎はことわざにもなっていますね。
繊細で素朴で優しいけど洗練されている。
見ているだけでほっこりしてしまい、仕事中によく転がしたり動かして和んでいる。
張子は子どものおもちゃと思われがちだが多くは縁起物、魔除けとされ、それぞれにちゃんと意味や信仰、文化がある。
古臭いと思われがちかもしれないが、奥深く、何よりほんっとうに可愛い!!!!
好きな気持ちが溢れて止まらないので、これから色んな張り子を紹介する記事を定期的に書いていきます。
今回はだるまについてまとめました。
少しでも興味を持っていただけたら幸いです。
※諸説あります。
だるま
由来
禅宗の開祖とされた達磨大師が由来と言われている。
9年間坐禅を続けヒゲが伸び手足は腐ってしまったという伝説がだるまの起源だ。
長い髭は達磨大師の髭を、体の装飾は袈裟を表している。
縁起
多くのだるまは眉は鶴、髭は亀。また耳鬢は松、口髭(または目の回りの枠や体の装飾)は竹、鼻の穴は梅を意味しているとも言われており、鶴亀松竹梅が散りばめられており大変めでたく、縁起がいい。※生産地によってかなり異なります。
古くから子どもの疫病除け、現在では商売繁盛、五穀豊穣、七転び八起き、必勝など様々な意味を持つ。
種類(生産地)
全国各地で作られており、生産されている場所により造形もお顔も違うし、その土地に根ざした由来があるので、一部紹介します。
それぞれにかわいい!気になる方はぜひ調べて見てください〜
高崎 群馬県高崎市で生産。
松川 宮城県仙台市。眉毛に毛を使っている。胴体の前半分が青で後ろが赤。目は書き入れられて販売されており、独眼だった仙台藩初代藩主伊達政宗に配慮していると言われている。
福島 福島県福島市で生産。
白河 福島県白河市で生産。小さいだるまのデフォルメされたデザインがすごくかわいいです。
東京(多摩) 養蚕農家が信仰していたことと密接。だるま市はその名残
余談※目を書き入れるようになった理由
きっかけは疱瘡とも関係がある。(疱瘡はだるまだけでなく、他の張り子とも切っても切れない関係にあります。)
疱瘡除けにだるまが重宝されていた時代。目がとても重要でした。(一つ一つ絵付けされておりお顔つきが違うので、より好みの顔のだるまを買いたいというお客さんの思いでしょう。)目無しだるまを用意して客の要望に応じて、その場で目を入れて販売する方法を考案すると、この方法が流行してしまい、目無しだるまばかりとなったと言われている。
また養蚕農家が蚕の脱皮がよくなるようにと左目のみに目を入れて願かけし、蚕がよい繭を作ると残った片目にも墨を入れて「大当たり!」と、お祝いをしたそう。これが商人、一般に広まったとされている。
引用元
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