しろくならない


師走、とは誰が名づけたのだろうか

終わりも始まりも、意思とは関係なく続いていく


今年もまた、心と身体が追いつかないままであった気がするし、少しは自分を大切にできた気もする


京都の冬は寒い、寒いけど故郷の静かな冬に比べたらまだ暖かい


マフラーをして、手袋をして、何重にも着込んでは、足元にを気をつけた、地元のことを思い出す



冬の朝は、しんとしていて、障子戸から白い光が差し込む

起きる時間になるとストーブをつけて、こたつを温めてくれた母は、既に着替えて味噌汁を作っていた



ぐうっと、ひとつ身体を伸ばして、少しだけ窓を開ける



古びたアパートと、雪のしろが同化して、なんか変だな、とか思う

玄関の雪かき手伝いなさい、という祖母の声を無視してタイツを履いて、学校に行く準備をする


そんな日常は、もう、過去のこと、昔のこと


それなのにずっと、冬になると思い出す


大きな氷柱を取っては騒いだあの頃


しずかで、しろい、あの頃

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