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地区防災計画学会 第5回大会

3/2(土)に地区防災計画学会 第5回大会が開催されました。昨年の高知県開催から早くも1年が経過した今回のテーマは「都市の防災教育研究と地区防災計画における女性の視点」。全国から170名ほどが集まり、学び合いました。

ここで、地区防災計画とは何か、簡単に。
地区(領域の規定は特段ない)の居住者や事業者などが自発的な防災活動の中で作る「地区の防災計画」です。市町村や県が作る「地域防災計画」と対比されます。


地区防災計画学会大会は、「個人報告」と「シンポジウム」で構成されています。どの報告も熱量がすごい。みんなキラキラしていて、参加するだけで元気をもらいました。

(1)個人報告
今回の私からの報告内容は
「地区防災計画策定後のファーストアクション
     -量の拡大の継続した取組み-」

平成27年度に高知市下知地区が内閣府モデル事業として「地区防災計画」の策定を始めた頃からのご縁で、下知地区防災アドバイザーとして関わらせていただく中での気付きをまとめたものです。

<概要>
○平成27年度~30年度の3ヵ年に渡って地区防災計画の検討を進めてきた「高知市下知地区」の計画策定後のファーストアクションと課題について

<ポイント>
下知地区防災計画の構成は①個別計画(災害の各フェーズに対応する対 策)と②事前復興計画(災害が起こる前に復興計画を考える!)

●①個別計画のファーストアクションとして、「下知ベスト10」を設定し、優先して取り組むことを決定。そのうち3つの取組みを、今回紹介。

●②事前復興計画については、復興計画を地域内で議論する「練習を重ねる」ことが最大の狙いだったが、今年度は議論の場があまり持てなかったことが反省点

<まとめ>
●今後は、①個別計画の「下知ベスト10の実行」と②事前復興計画の「継続した協議」を平行して進めていけるよう支援していきたい


(2)シンポジウム「地区防災計画と女性の視点」
始めに断っておきますが、私は女性防災の研究者ではありません。この分野をご専門にされている方は、他にたくさんいらっしゃいます。
今回は、地区防災計画に長年携わってきた中で「現場で肌で感じてきた”多様性の重要性”」について、私の感じるところをお話させていただきました。私自身は、「女性の視点」は「多様性」を考えるきっかけ(入口)だと思っています。

ディスカッションの中身は、女性・男性の捉え方の違いを先生方がおもしろおかしく紹介する場面から始まり、アフォーダンス(※)により人間のふるまいは誘発されるため、女性でも使いやすいよう、”物”の方を変えていけばいいのでは、という提案、またそのような「社会的なシステム」の問題とそもそも生理的に異なる「女性ならでは」の問題の2方面から、地区防災計画と女性の視点を考える必要があることが結論づけられました。

※アフォーダンス・・・環境が動物に対して与える「意味」(「人をある行為に誘導するためのヒントを示す事」の意味でここでは使わています)

最後に、「女・子どもは引っ込んでろ!」の田舎の現実への対処法は?の質問に対して、
●仲間を作って立ち向かう、今までと違う例も作る
●力のある偉い人に頼る
●女・子どもだけでワークショップする(同じ時間に)
●昭和とは違うんだ!新しい社会を作りましょう。
との回答が。
時代は移ろい変わっていく。女性の視点を含めた多様性が重視されるようになり、これまでの当たり前がどんどん変わっている現代。”これまで”と”これから”を互いに認め合ってこそ、多様性のある明るい社会になるんじゃないでしょうか。

最後の締めの力強い言葉に、これからの社会への希望を垣間見ました^^


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