そうだ、映画の話をしよう⑯-ブレット・トレイン
ハリウッド、めちゃくちゃかっこいい真田広之シリーズである。
原作は伊坂幸太郎氏の「マリアビートル」、そのため舞台は日本の新幹線だ。
タイトル:ブレット・トレイン
公開:2022年
主演:ブラッド・ピット
監督: デヴィッド・リーチ
原作:伊坂幸太郎
主演がブラピ、ということで名前だけでもご存じの方も多いかもしれない。
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0B6HRKGQ6/ref=atv_dp_share_cu_r
(アマプラ埋め込めるようになってほしい)
なお、マリアビートルとは主人公が異なるうえ、行き先も東北から京都に変更となっている。
そのためマリアビートルのことはいったん忘れてごらんになることをお勧めする。
ここからはネタバレになる内容もあるため未視聴の方はご承知のうえ、お読みいただきたい。
本作、まずお伝えしておきたいのが舞台の新幹線は私たちが普段乗りなれているアレとは別次元の乗り物である。
というか、そもそも舞台はなんちゃって日本である。
停車駅も横浜(おそらく新横浜?)っぽい謎の中華街や静岡のどこか(新富士が濃厚?だが正直跡形もない)、突然の米原、そして京都と奈良を足して2で割ったようなところと……。
たぶん「のぞみ」ではない。停車駅は少なめなので「ひかり」の可能性が高い。(そもそも京都行ではなく新大阪行か福岡行しかないやないかい、という突込みは野暮である)
どの駅もなんか日本じゃないんだよな、という感じなのだが、唯一、米原だけが何もない雪原、という意味で再現度が高めである。
原作との乖離も含めてダメなパターンのハリウッド実写化だ、とあきらめるほかない。
さて、その点に目を瞑ってしまえばそこそこ面白い作品である。
原作にも登場する檸檬と蜜柑はそのまま、レモンとタンジェリンとして登場する。
二人の殺し屋による連携してるようで時々ズレるやり取りは面白い。
また、真田広之とアンドリュー・小路の立ち回りも見事である。
真田広之の殺陣、めちゃくちゃかっこいい。仕込み杖かっこいい。以前紹介したモータルコンバットの時のような重苦しさより、威厳が感じられるキャラクターであり、SHOGUNの時よりも爽やかさのようなものがある。
ブラピのカッコよさは言わずもがな。
本作は不憫属性が付与されているので列車内で起こる事件に次々と巻き込まれていく。彼は自分こそが事件の発端と気付いていない。
本作、ストーリーは深く考えず、アクションを楽しむだけなら十分な作品だ。列車内外での戦闘、殺陣、爆発、全部見られる。
深い考察は考え出すときりがないしお勧めしない。もともとは東北行のストーリーだった名残なのか、随所で雪のシーンが挟まるので東海道新幹線とはいいがたい。たぶん、富士山あたりから名古屋に行かずに北陸に突き抜けて米原でカーブして奈良に落ち着いた、そんな感じの進路。
ブラピと真田広之の共闘シーンなんかは絵面がめちゃくちゃかっこいいので週末の息抜きにいかがだろうか。