【映画備忘録】Re:LIFE
■あらすじ
かつてアカデミー賞を受賞するも、15年間鳴かず飛ばず状態の脚本家キースは破産寸前で妻子にも逃げられる。人生どん底の彼は郊外の大学でシナリオコースの講師を引き受けるが、乗り気でなく不真面目に振る舞う。しかし、真剣な生徒たちの情熱に接するうちに、自身も失いかけていた情熱を取り戻していく。
■雑感
ヒュー・グラント演じるキースのおちゃらけた、冗談ばかり言っているキャラがなんとも良い。
真面目に出来ない人って時々いるけど、キースはまさにそんな感じ。
ヒュー・グラントの演技が心地良いなと感じながら観たこの映画で印象に残ったシーンがある。
それは、教え子の脚本がハリウッドに売れ、その契約交渉の場にキースが立ち会ったシーンだ。
交渉の際、話を聞かれるのは教え子ばかり。
そんななかキースが見せた表情が、
「もう自分は脚本家として、世の中に求められていないのでは?」
と考えているかのような表情でもあり、
「作品が"ビジネス"として扱われている」
ことに疑問を抱いているかのような表情でもあり、
(これは僕なりの解釈)
「こんなことよりも、教師として教えることの方が楽しいのではないか…」
と感じているような表情でもあった。
初めは教師の仕事をバカにしていたキース。
しかし、教え子との関係がバレて大学を去るか、残るかの選択を迫られる。
脚本家として返り咲きたい思いがあったのだろう。
けれど、契約交渉のシーンでも、彼は最終的に「教えること」の楽しさに気づいたのか、大学に残る選択をする。
キースの成長とでも言おうか、心の変化が分かる映画で楽しかった。
最後にーー
気になった点がひとつ。
エンディングだ。
離婚して、離れ離れになった息子となかなか電話がつながらない、というところでエンディングを迎える訳だが、それが何を意味するのか。
離れ離れになった家族とのすれ違いを描いているのか、
息子からの電話より教師としての仕事が大切と判断したのか、
はっきりと理解できず仕舞いだった。
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