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~~上海出張しました~~

こんにちは!TOYOTA Connected 先行企画部 Xunanです。
今回、新規事業企画のプロジェクトで現地企業と打ち合わせのため、2024年の2月に中国の上海に3日出張しました。その際に合わせて、海外市場と最新技術を視察しました。今回の記事は主に自動運転とドローン配送を紹介させていただきます!


1.出発と到着

メンバー:
TCJP(所在地は日本、TOYOTA Connected Corporationの略称)先行企画部の3名企画メンバーとTCCN(所在地は中国、TCJPのグループ会社TOYOTA Connected Beijingの略称)BR先行企画部の1名メンバーがそれぞれ東京と広州から出発して、上海に向かいました。

目的と期待:
社内で今後新たな新規事業創出の企画をするために、中国で進化しているモビリティーに関わる新ビジネスや新技術を実際に確認・体験して知見やアイデアを得ることでした。特に、新エネルギー車(電気自動車とハイブリッド車)、自動車運転、配送に関する新サービスの展開状況に関心があり、最新動向を確認したかったです。

到着:

東方明珠電視塔(上海のランドマーク)

2.自動運転

まず、上海の自動運転タクシーを実際に使ってみました。上海ではエリア限定ではありますが、自動運転タクシーが運行しています。

まず、自動運転タクシーの運行エリアに移動し、アプリで配車依頼をしました。まだ台数が少ないので少し時間はかかりましたが、車の上に色んなセンサーが付いている車両がやってきました。

我々は二手に分かれて別の種類の自動運転タクシーに乗車しました。

自動運転タクシー①
サービス名:Apollo Go
・運営会社:Baidu
・車種:北汽(極狐)
・料金:0元

自動運転タクシー①
運行エリア:上海市 嘉定区

乗ってみての感想:
試験運用のため無料。
・自動運転ですが、一応運転席に人は座っている。(人の介入が必要な時のため)
・乗車してすぐ、行き先の方向にUターンしようとして最小回転半径で回りきれず、自動でバックを試みようとしたが、後ろから車が来るためスタック。人が介入した。
・結構速度は出る。(時速70km程度は普通に出している)
・車線変更も自動で問題なく実施。
・ただ、車線変更しようとしたタイミングで後方から来た車を検知し、少しバタつく。
・人が介入しなくても、かなりの割合は自動運転で問題ない印象でした。
・ただ、完全自動運転までの最後の詰めはまだ難しい部分がありそうとも感じた。

タクシー①内表示画面

自動運転タクシー②
サービス名:Pony Pilot+
・運営会社:Pony.ai
・車種:Lexus RX450h
・料金:0元

自動運転タクシー②

乗ってみての感想:
・同じく、運転席には人が乗っている
・Apollo Goと比較すると、より慎重な運転に感じた
・車線数が少ない道では、時速40kmで巡行
・アクセルワークは少しぎこちない印象
・路上駐車の多い道で、前の車が人待ちか荷待ちで停車した際、左車線への車線変更でスタック。運転席の人が介入するのではなく、リモート操作に切り替えますとのアナウンスの後、リモート介入で対応。
・運転席の人(安全員)の介入に関するスタンスは2社で異なる印象
・2社とも後席にはタッチパネルディスプレイがあり、LiDARセンサーの読み取り状況を表示しているが、空間把握精度にも違いがある印象(空間把握はponyの方が良さそうに思うが、自車より後ろの車両認識はApolloの方が良い印象)

タクシー②内表示画面

同じ自動運転タクシーでも、アクセルワーク、人の介入ポリシー、巡行速度など異なる点が多々あることが見えて興味深く感じました。

3.ドローン配送

上海での視察2点目として、サービス提供されているドローン配送のサービスを実際に使ってみました。

利用したサービスは中国のデリバリーサービス大手でテンセントグループの美団の提供する『美团无人机』となります。深圳と上海で提供をしており、ショッピングモールの屋上からビルやマンションの受け取りボックスまでドローン配送してくれます。

当日は雨も降っており、風がかなり強いので「飛ぶのかな?」と思いましたが、サービス受付開始の10時になると無事予約ができました。

アプリ上で注文しますが、注文の仕方は通常のフードデリバリーと差異はないと感じました。今回、発送先のショッピングモールから受け取り先に指定をした高層ビル内にある受け取りボックスまでは約2kmとなります。注文からだいたい30分で届きましたが、デリバリーのプロセスが随時更新されてアプリ上で確認できまして、発送からは10分ほどで到着となりました。

アプリの予約画面
ショッピングモールに出店
フードやドリンクが注文可能

アプリの情報でいよいよ到着となり、ビルの頭上を「どこから来るのだろう?」と思いながら見ていると発見!想像よりも高い高度(ビルの20階くらい?60mほど)を飛んできました。先ほどのとおりかなりの強風でしたが、安定して走行しているようでした。飛んできた際に見上げる人もいましたが、特にすごい関心をもつ人もいないため、現地ではもうある程度当たり前になっているのかなと感じました。

かなりの高度を飛んでいます(小さいですが)
受け取りボックスに着陸

ドローンが無事、受け取りボックスに届くと、注文者には電話でも連絡が入りました。この受け取りボックスはそんなにたくさんは保管できない可能性があるのかなと感じました。下記の写真のような専用梱包箱に入っており、梱包箱はとなりに回収ケースがあって再利用をしておりました。

届いた荷物はアプリの操作で受けとり
今回注文したドリンクを無事受領

受け取り後に、今度は発送しているショッピングモールに発送の状況を見にいきました。注文したお店の店員に話を伺うと、商品は注文が入ると美団のスタッフがお店まで商品を受け取りにくるようで、どこから発送しているかも知りませんでした。ただ、屋上(中屋上?)に上がると実際に発送しているところを確認できました。今回のショッピングモールからは2台動いており、スタッフは商品を搭載後にスマホでアプリ操作をして、その後は自動操作になっているように見えました。

シェッピングモールからの発送
ドローンは完全自動操作に見えた

今回の視察で、実際に都会内でドローン配送が動いているのを確認して本格的な社会実装は遠い未来でないと感じました。課題と感じた点は2点ありました。

1点目としてコストです。現時点で検証であり、キャンペーン価格となっており通常の配送スタッフによるデリバリーと同額、もしくは少し高いくらいの価格に抑えているようです。これが実際に同額で提供できるのかということと、「同額ならばデリバリースタッフよりも高価値がない」といけないと感じました。受け取り場所を自宅やオフィスなどとできるため、通常のデリバリーの方が便利と感じました。安全性(デリバリースタッフトラブルなど)、スピードなどなんらかの価値検討がいると思います。

2点目としては、運べる商品の重量となります。現状は扱える商品は比較的軽いもの(1kg以下くらい?)となります。今後、サービスの範囲や社会実装を考えると、もう少し重量が重いものまで対応できる必要があると思いました。

上記課題はありますが、過疎地域(デリバリースタッフがいない)や非常時など限定されたシーンでは上記課題は考えずすぐに社会実装できる可能性を感じました。都会で実際にドローン配送が実現できているということで中国のサービスは非常に進んでおり、日本でもスピード感もって検証・実装が必要性を実感致しました。

4.その他・食事など

①顔認証で支払できる自動販売機を使いました。
(スマホ、現金一切いらないため非常に便利だと感じました!ただ、中国のAlipayでの事前登録が必要です。)

タッチパネル・カメラ付きの自動販売機

②ショッピングモールで掃除ロボットを見ました。

充電中のロボット

③本場の中華料理を食べました。種類が多くて美味しい朝ご飯の写真を撮れなかったのは残念ですが。海鮮盛り合わせ、カレーっぽいの魚頭スープとお肉の炒めものを食べました。素材、調味料、料理の仕方も違うので、東京にはなかなか見つけられない、すごく美味しいものでした。

海鮮盛り合わせ
油條と魚頭スープ
ピーマンとお肉の炒め物

5.後記

今回の上海出張では色々なサービスと技術を体験できて、グループ会社のメンバーと中国市場の最新状況に関する交流をできました。
ニュースや調査レポートだけではなく、日本との違いを現場で体験する事より、中国市場の現状、ユーザーのニーズへの理解を深めたと感じました。
今回の視察経験に踏まえて、今後TOYOTA Connectedのグローバル連携に向けていろいろ新規事業を企画していきたいと考えています!

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