漢方の力をなめてた。コロナウイルスにも効くなんて。

こんにちは。医学生でフリーランスの@XTJPです。

先日、クライアントに頼まれて、COVID-19にどんな漢方が使われていて、その効果があるのかないのかを日本語の文献で調べていました。面白い結果が出てきたので共有します。特に強いエビデンスでもないので、医学的助言をしたいわけではありません。

こちらの日本感染症学会のページに寄稿された文献の中で、漢方を使ったほうがCOVID-19患者の予後が良かったという相関関係が示されています。

方法:2020 年 1 月 15 日〜2020 年 2 月 8 日湖北省中西医結合病院を退院した 52 例コロナ肺炎患者の診療録を基に、基本情報、中医症候、検査、治療方法などを分析し、中西医結合治療組(中西医組)(34 例)と西洋医組(18 例)の臨床症状継続期間、解熱するまでの時間、他の症状消失率、平均入院日数、臨床的完治率及び死亡率などを比較した。主な症状は発熱75%、全身倦怠感 61.5%、咳嗽 50%であった。普通型 76.9%、重症患者 19.2%、重篤患者 3.8%でした。
中西医結合群の臨床症状消失時間、体温回復時間 2、平均入院日数、及び中医証候採点、全て西洋医群より有意に少なかった(P<0.05 または P<0.01)。中西医結合群退院時の随伴症状消失率 87.9%、CT画像改善率88.2%、臨床完治率 94.1%及び普通型から重症型に悪化する率 5.9%も西洋医群よりも有意に高かった(西洋医群は 53.8%,68.8%,61.1%,33.3%)(P<0.05 または P<0.01)。これらの結果から、中西医結合でコロナ肺炎を治療する時は患者の症状を顕著に軽減し、病程を短縮し、完治率を高めできると推測しています。
少なくとも、中医治療を併用することの優位性が示されたのですが、使われている処方が多様であったため、明確にどの処方が効果があるのかを示したというよりは、中医学的診断に基づいた処方が有効であったという結果ととらえられます。

原文ママの引用です(ちょっと文体にツッコミどころがありますが、執筆された先生もこの緊急事態で焦っていらっしゃったのでしょう)。表も引用です。

画像1

n=34, 18なので本当に少ない症例数の比較ですが、中西医結合治療組(中西医組)が西洋医組より明らかに結果が良いことがわかります。その差があまりにも大きいので驚いています。前者は、簡単に言えば漢方の使用を含む中医学と西洋医学のコンビネーションでの診断、治療を行ったということですね。

漢方の中でも治療の鍵を握っているのが清肺排毒湯(せいはいはいどくとう)であるらしく、エビデンスも出ています。

正直、漢方とか中医学の概念はふわっとしていて、胡散臭いと思っていて、漢方や中医学の力をなめてました。漢方の講義に一度も出席しなかったことを若干後悔します。日本を含む世界中の臨床現場で中医学が取り入れられてるのか気になります。

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