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「わたしはまだまだこれから」 パワフルな フルーツ屋さんの看板店員

「本棚を見ればその人のことがわかる」という格言があるほど、誰かの愛読本は、ときにその人のひととなりを知る貴重な資料となります。
ならば商店街の本棚があったら商店街のことがわかるかも?「ほんいち本棚」は、本町一丁目商店街の店主たちからおすすめの本でできた本棚です。この本棚が、店とお客さん、店と店を繋ぐきっかけになりますように。

月1更新の「ほんいち本棚」の第2弾は、おりぶん呉服店の吉田真由美さんと「みやがわ果実」の西浦陽子さん。おすすめの本を3冊ずつ紹介していただきました。

「みやがわフルーツ」は、県内ではまだ珍しいフルーツカッティングを武器とするフルーツ専門店。色とりどりのフルーツを動物やお花の形にカットした盛り合わせは、誕生日祝いなどに重宝されている。敦賀の春のお祭り「花換まつり」の時期には、同じ商店街にある「竹中商事越前屋」と共同で「お花見フルーツボックス」を販売したり、商店街の店主が講師となって受講者に教える「まちゼミ」ではフルーツカッティング教室を開催したり。市外からもお客さんがやってくる。そんなフルーツカッティングだが、これをはじめたのは実はかなり最近のことだった。

きっかけはお客様からの要望。「『すぐに食べられるように』とフルーツの カットを依頼されることがたまにあったんです。でも私がカットすると、普通の、主婦が切ったような見た目にしかならなくて。もう少しなんとかならないだろうかと調べていたところ、出会ったのがフルーツカッティングでした」。 まだコロナウイルスが発生する前だった。西浦さんはフルーツカッティングの講習を受けるために週1で愛知県まで通い、2020 年 1 月に修了。同 年7月からフルーツカッティングの販売を始めた。「父と母が店をしていた 頃は言われたことしかやってなかったのですが、このままではいけないとい う思いはあって。ちょうど社長がいとこに代替わりしたタイミングでもあり ました。『安くはない受講料を払う価値があるのか』と専門家に言われることもありましたが、あの時行っておいて本当によかったなと思います。 少しでも時期がズレていたらコロナで行けなくなっていましたね」。

 フルーツカッティングの噂は徐々 に広まり、今では市外から注文を受けたり、講座を受けに来る人がいたり。身につけた技を活用して、商店街の他の店とコラボ企画を発案したり、 で発信したりと、店や商店街の情報を積極的に発信している。そんな自身について「私はまだ始まったばかりなの」と意気込む陽子さん。同級生は定年退職などで第一線を退ぞく日が近づく一方で、「私はむしろこれから。本町一丁目商店街で毎月恒例のマルシェイベントがはじまるなど、商店街も動き始めているなと思うんです。だから私も頑張らなきゃって、刺激を受けています」。

刺激を受けているのは陽子さんだ けではないはず。本町一丁目商店街の活動にも少なからず影響を及ぼしているのではないだろうか。パワフルな彼女の発信や活動を見ていると、「私も頑張ろう!」とこちらも前向きな気持ちになれる。

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みやがわフルーツ
創業は昭和22(1947)年と戦後まもないころ。西浦陽子さんのおじいさまにあたる宮川捨三さんが佃煮屋として創業し、その2年後に現在の場所に移転し食料品店として開店。和菓子などを扱っていたこともある。その後は八百屋に変化。2代目社長の陽子さんのお父様から会社を受け継いだ3代目の景山恒典さんの代で、フルーツ専門店となった。景山社長は陽子さんのいとこ。メインでお店に立つのは陽子さん。

そんな陽子さんの趣味は神社仏閣巡りや仏像。ほんいち本棚では、それらにはまるきっかけを本を通してお話いただきました。

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西浦陽子さんの、趣味と本
ほんいち本棚No.7 『西国三十三所をめぐる本』
ほんいち本棚No.8 『眠れなくなるほど面白い 図解 般若心経』
ほんいち本棚No.9 『日本神話がわかる神々のくらし』

千田書店の「ほんいち本棚 特設コーナー」では、陽子さんとこの3冊にまつわるエピソードを7月8日まで掲示しています。抽選で8名様に当たる、旬のフルーツカッティングもご用意いただきました。ぜひ、店頭でご覧ください。


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