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中国の排気規制Nev・CAFeとは?

今日は以前書いたテスラの記事で少し触れた
中国の排気規制と新エネルギー対応促進策について
書きたいと思います。
以前書いたテスラ記事はこちら

Nev・CAFeとは何か?

これらは中国政府当局が環境保護目的に
企業に課した数量制限規則になります。
具体的に、NevとCAFeに分けて説明します。

Nev
 New energy vehicleの略です。
いわゆる新エネ車と呼ばれるFCV、EV、PHEVたちです。
Nev規制(新エネ乗用車クレジット管理弁法)=新エネ車売ってね規制

規制の内容としては、一定の新エネ車生産を義務付けた規制で、
新エネ車を中国で生産、輸入すると規定に基づいた
クレジットポイントが付与されます。

規定のクレジット数を過達した分は他社へ売却が可能になります。
また不足分は他社からの購入可能で、
不足している場合は悪燃費車(ガソリン車や基準に達していないHV車)
を販売することができなくなってしまいます。
※HV車でも燃費によって、悪燃費車に分類されることがあります。

クレジットは会社同士での自由売買になります。
この過達分の自由売買がテスラの収益源になっています。
難しいですが、クレジットの計算式も載せておきます。

計算式
Nevポイント総量+非Nevマイナスポイント総量×強制化率

CAFe
 Corporate average efficiencyの略です。
CAFe規制(乗用車企業平均燃費クレジット管理弁法)
悪燃費車売らないでね規制

規制の内容としては、
生産台数を加味した平均燃費を算出し、規制をかけています。
CAFe値を5ℓ/100km以下に抑えなければ悪燃費車認定を受けます。

資本関係がある企業間で譲渡可能ですが、
Nevクレジットのように企業間の売買はできません。

計算式
(CAFe目標燃費ー各モデル平均燃費)×総台数

Nev・CAFeクレジット運用ルール

Nevクレジット

使用ルール
・原則繰り越し不可
・自由取引可能
未達の場合の対処法
1、他者から購入したNevクレジットを使用

CAFeクレジット

使用ルール
・3年間繰り越し可能
・資本提携のある関連企業間の取引のみ可能
未達の場合の対処法
1、自社の繰り越しCAFeクレジットを使用
2、関連企業から譲渡されたCAFeクレジットを使用
3、自社のNevクレジットを使用
4、他社から購入したNevクレジットを使用

ルールを見て頂くと分かる通り、
NevクレジットはCAFeクレジットにも交換できるため、
Nevクレジットが最強となります。

つまり、政府のメッセージはひたすらガソリン車やHV車を作ってもいいけど、
その代わり高いお金を払う必要があるから、
新エネ車作ってねということです。

もし、守れない場合の罰則はどうなるのか?
CAFe、Nevともに未達の場合は、
悪燃費車の販売停止を命じられます。
なので、各メーカーがクレジット未達分を
他社(新エネ車メーカー)から買うことになります。

実際どれくらいクレジットは取引されてるの?

クレジットの単価は公表されていませんが、
1クレジットあたり約30万円で取引されているとも言われています。
また、GMが最もクレジットを買っている会社だそうで、
トヨタでも年間100億円以上クレジットを買っていると言われています。

今後の展望

これらの規制は年々厳しくなっていて、
今は売買できているクレジットの価格は上がることが予想され、
いづれは新エネ車のみの販売になることが予測されます。

これらの規制を調べていて感じたことは、
テスラの強みはこういった政府の規制による新エネ車へのシフト
かなり追い風になっているということです。
既にガソリン車の量産体制を構えている大手メーカーは
急な舵きりができないがために苦しんでいますが、
テスラは量産体制を構えていなかったからこそのEV量産化が実現できました。
今後も、新エネルギーへの社会のシフトには注目していきたいです。

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