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わかりやすく言うと、Xデザイン学校のおかげで、デザイナーになりました。

社会人にデザインの知見を、という想いで講師と学生が共になって日々の学びを深めているXデザイン学校。実際に学ばれてきた方々の声を届けていく、クラスルームインタビュー。第2回目はマスターコースに2年連続で通われている峯菜月さんです。

峯菜月さん
ITスペシャリストとして大手IT会社でキャリアをスタートしたのち、デザインチームに参画。金融系のプロジェクトにデザイナーとして携わられています。

ー現在、どんなお仕事をされていますか?

日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社で働いています。IBMの子会社でもともとITスペシャリストしかいなかったんですが、DXを推進しようということでこの秋にデザイン文脈の組織が立ち上がってそこにデザイナーとして所属しています。

 私は同志社女子大学の情報メディア学科出身で4年間HCDを学んできたんですが、漠然とデザインの仕事をしたいと思っていました。ビジュアルデザインというよりもっとサービス全体に関わりたかったんですが、まずは技術的なことをわかった上で人々の考え方や価値観を変えられるようなシステムを作ってみたいっていう想いがあって、かつ学習機会がたくさんある会社がいいなと考えて今の会社に入りました。

学んだことで、DXのビジョンを可視化。


ー部署ができたばかりなんですね。

そうなんです、組織自体もともとありませんでした。DX推進という会社の動きの中で、デザイナーのコミュニティを社内でまず立ち上げようとなったのですが、そこで5,000人くらいを前にしてXデザイン学校について話したことがありまして。15分ほど発表したのですが、「すごい!Xデザイン学校でそんなこと学んでるんだ、これは社内に必要ですね!」みたいな声を頂きました。それから、上司に「DXのビジョンを可視化してほしい」と言われたことがあって、時間のない中で映像にまとめて社内で公表したところ、とても好評を得たんです。その2つがポイントになって、デザインチームができる時に「ぜひ来てもらいたい」って声をかけていただいて異動になったんです。だからXデザイン学校が大きなきっかけになっていて、本当に私、“Xデザイン学校のおかげでデザイナーになりました”、なんです。

今携わってる金融系のプロジェクトも、全然やり方が違っていて。今までのプロジェクトはきっちり決まったウォーターフォールだったんですが、スクラムで進むし何より価値を提供しようとするところに重点を置いているのを体感として感じていますね。

ずっと思ってた、「サービスデザインって絶対楽しい!」


ーそんな峯さんが転機の契機にもなったXデザイン学校にはどういう流れで入られたのですか?

大学院2年の時にインフォバーンの井登先生がエクスペリエンス演習っていう授業をされて、デザイン思考やHCDってなんとなく理解はしていたんですが、サービスデザイナーやデザインシンカーって方々がいるんだってことを知ったんですね。で、その世界がすごく興味深くて面白くて、もっと学びたいって気持ちに掻き立てられて、修論書かないといけないんですがそっちの勉強したいという方向に突き動かされたんです。そんな時に井登先生がサービスデザインの集いに招待してくださってその場におられたのが浅野先生と山崎先生でした。その際にXデザイン学校に見学しに来たらと声をかけていただいて。そこで初めて1日フィールドワークで対象者を観察するべく一緒に同行させてもらったんですが、いろいろ気づくことがあったんですね。やっぱり面白いなっていうのを改めて感じました。

その後会社に入社して正直当時の業務には直接関わらなかったんですが広義のデザインに興味は尽きず、やっぱりサービスデザインを学べる学校ってなかなか社会にないと思ったし、世の中ってほんとデザインでできているって思うんです。よくデザイナーってグラフィックデザイナーやWEBデザイナーをイメージされる方が多いですが、私はそうじゃないんだなって感じる機会が何度もあったのでそこを学びたい、で、どこで学ぶの?って考えると絶対ここだな、と思いました。絶対楽しいっていうのがわかってたので。


ーなるほど、実際通われたXデザイン学校ではどんな学びがありました?


去年も今年もマスターコースに通っているのですが、例えばリサーチで私のグループは原宿と渋谷にインタビューしに行ったんですね、高校生が対象だったので。サービス提案するために実際にユーザリサーチをしたんですが、やっぱりアタマで考えていたことと実際の高校生とちょっとしたギャップがあって。行動観察やインタビューから見える価値が一番大事なんだなっていうのを改めて自覚できたし、その原石をどういう風に分析していくか。分析が一番難しくもあり楽しい部分だなって感じていて、その手法を体感として学べたのがすごく大きかったと思っています。KA法などの価値の取り方や価値マップにしたときのまとめ方ですね、そこが自分にはXデザイン学校で一番学びになったところですね。


私のグループは3人だったので一人ひとり負担もありましたが、その分UIデザインやプロトタイプなどとても学びが多かったですね。プロトタイプをFIGMAで作ったんですが、触ったのは2回目でイチから全部作ったの初めてながら、ただ、ただ、楽しいなと思って。何回も作り直したりして自分の中でとてもやりきった感があったんです。実は会社でITスペシャリストからデザイナーに異動する際も、プロジェクトリーダーに見せたプロトタイプはそれなんです。見せると「いいね!」ってフィードバックで、自分のキャリアデザインにもとても役立ってるんです。

ーほんとにXデザイン学校があって、デザイナーになられたんですね。

その通りです。それに山崎先生と日野さんの視座の高さ。Xデザイン学校に通わずに自分一人でインタビューして価値分析をしても「あ、こういう価値があったんだ」ぐらいで終わりなんですが、その価値にプラスアルファ、いい/悪いの評価や改善ポイントや新たなアイデアといった付加価値を加えてフィードバック頂くので、それが何も代えがたい価値ですね。やっぱり本だけだとそういう部分に欠けていて。自分が作ったものに対するフィードバックって学びが大きいし、そこで成長するんですよね。

ーXデザイン学校のどんなところを人には薦めたいですか?

やっぱり経験が一番ものを言うというか。サービスデザインにちょっとでも疑問を感じてる人が少しでも理解できるようになりたかったら、ぜひXデザイン学校に!と思ってます。ちょっと極端かもしれないけれど、本当に私はそれを思ってまして。というのも今年になって社内でコミュニティの8名くらいXデザイン学校に通ってたんですね。最初、社内で私が「Xデザイン学校でさ、サービスデザインってね〜」みたいな話をしてたんですが、「なにそれデザイン?なになに?」みたいな感じだったんですよ。でも最近半年ぐらい経って、経験をしてなるほど!と。「サービスデザインって全然よくわかんなかったけどこういうこと〜!」って話してくれる。やっぱりデザインっていうものが世の中に全部つながってるんだよってことを一番感じられる学校だと思いますね。UXを学ぶ学校もありますが、そうじゃなく世の中全体を広く捉えてデザインを学べるところだと思います。

私には最終的にサービスデザイナーになりたいって希望があるのですが、フロントエンド他もう少しテクノロジーも勉強していきたいですし、ビジネスについても学んでいきたいって思っていて、なかなかその全部を考える学校って本当にないなって思いますね。

私にとって、デザインとは「生きてるそのもの」。


ーそんな峯さんにとってデザインって何ですか?

私にとっては“生きる、生きてるそのもの”って感じですね。コミュニケーションにおけるワークショップなどもそうですが、ある意味コーヒー屋さんに行ってコーヒーを買うのもデザインだと思うんです。サービス・ドミナント・ロジックなど理論もありますが、それ抜きにしても全部デザインだと思っていて。そのデザインという大きな枠の中に自分がいるので、デザインの中に生きてるっていう感じですね。


そんな峯さんにオススメの本をリコメンドしてもらいました!

目標に向かって何かを設計する際、私たちにとって、「認識の固定化」と「関係性の固定化」が阻害要因であることを問題提起し、その解決策として「問いのデザインの技法」をまとめた1冊です。目標を達成できない理由がわからない人やどのように目標を設計すれば良いのか思い悩んでいる人に推薦する図書です。達成したい目標があったとき、現状とのギャップとの乖離を埋めることが課題になりますが、この乖離をしっかりと把握することで課題を特定したときに初めて問いが生まれます。ただ問いの立て方を間違えるとあらぬ方向に行ってしまう可能性がありますが、本書には良い問いの立て方のヒントが詳細に掲載されています。

広義的なデザインの面白さを伝えてくれた峯さん。すべてはデザインで、つまりは生きてることって捉え方はまさにデザインラバー。デザインには人生かける価値があると教えてくれました。デザインのおもしろさは、やっぱり広くて深いです。