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本には書かれていない、万年サラリーマンが50歳から起業するためにやったこと

起業するのには何が必要なのか?

ふと「起業したいなぁ…どうやるのかなぁ…」と思って、いざ、書店にいってみると「起業1年目の教科書」みたいな「どうやって稼ぐか?」みたいな本はたくさんあるんですが、実際に会社を起こそうとすると具体的にどんな手続きが必要なのか?について書かれている本が意外と見つからないんですよね。

せっかくの機会だったので今回、自分が起業した際に辿った軌跡を一つの例として、いつか起業する人のためにまとめておくことにました。

定款を作る

まずはこれを準備します。「ていかん」と読みます。
2022年放映の某ロボットアニメでもタイムリーなことに株式会社を作ってましたが、そこでもこの定款の話が出てたりしてましたね。

というわけで、これは「どんなことをやるどんな会社か?」などをあらかじめ決めておく書類で必ず作る必要があるので、まずはこれを作るために必要なものを準備していきます。

社名

まずはわかりやすいところからこちら。いわゆる会社名です。
定款においては社名は「称号」という呼びます。

社名を掲げる看板のイメージ

世の中には本当に星の数ほどの会社がありますが、近年は減少傾向らしく、それでも国内には法人が200万社弱もあるそうで。

というわけで、何はなくともまずはその中でもかぶらないようなユニークであり、かつ馴染みやすそうな名前をつけたいですね。

何でも、ここを決めるのに一番時間がかかるんだそうです。
確かに色々こだわったり想いを込めたいところではありますが・・・、社名はあとからでも簡単に変更できるし、ここにたくさん時間をかけたからといって儲かるわけでもない、ところでもあるので、ほどほどにします。

最初はなんとなく、「テクノロジーを活かした会社」にしたかったので「○○○○テック」みたいなのにしようかと考えていたのですが、思い直して「教育業界を良くしていく」という想いが入った社名が良いな、と。

そこで柔らかくて覚えやすそうな名前が良いかな、など検討した結果、”誰しもが学ぶことで○(まる)がもらえると嬉しいよね”、というニュアンスから「がくまるくん」というネーミングでいくことにしました。

単に「がくまる」でも良いかな?と考えましたがネットを検索してみると微妙な感じだったので、あえて「くん」をつけてみました。

法人名検索サイトというのもあり、ネットにでてこない社名もここで検索できます。
https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/

あとは、念のため、gakumarukun.jpというドメインが取られていないかを確認して先にムームードメインでドメインだけ抑えました。後から使えないとメールアドレスとかダサいことになっちゃうので。

ちなみに、社名占いというサイトがあって、せっかくなのでそこでの評価も悪くないか念のため(?)ゲン担ぎで確認しました。

事業内容

社名の次はこれ。
何をやる会社なのか?を定款であらかじめ決めておきます。定款の中では「目的」と呼びます。

今回は、主にデジタルに関する教育事業を考えているので、実際は下記の内容で登記することにしました。

1 教育及び経営に関するコンサルタント事業
2 デジタルマーケティング支援事業
3 ウェブサイトを利用した広告・宣伝・メディア事業
4 オンライン講座の運営
5 インターネット等を通しての通信販売業務
6 有料職業紹介事業
7 労働者派遣事業
8 前各号に関連または附帯する一切の事業

ここも後から追加したり削除したりできるのですが追加の手間やコストがかかるので最初から広めに書いておきました。

本店の所在地

いわゆる会社をどこに置くか?です。

いきなりオフィスを借りてスタートする方法もありますが、当然、家賃に加えて敷金・礼金もかかりますし、法人契約の場合は、家賃○ヶ月分も最初から納めないといけなかったり、保証金が必要だったりで、色々お金はかかります(もしかしたら信用がないと借りられないかも…)

もちろん、自宅の住所で登記することもできますが、ホームページとかに載せるにはちょっと微妙ですし、引っ越したら変更しないといけないので、今回は手軽に住所だけを借りられるバーチャルオフィスサービスを利用してみました。
※後から知ったのですが賃貸物件だと、契約条件が「事業所利用禁止」みたいな場合、登記できないことがあるらしく、そういう場合も安心です。

月額2,000円くらいで渋谷に住所を持てるのでまずはこれでスタートしてみます。郵便物が届くとメールでお知らせしてくれて取りに行ったり転送してもらえたりします。

資本金と株数

資本金と聞くと、「やっぱり起業にはお金がすごくたくさん無いとダメなの?」って思いますが、個人的に自己資金で起業するなら50万円~100万円が一般的らしいです。

1円でも起業はできるらしいですが、最初に会社を立ち上げる登記費用が30万円くらいかかるので、そうするといきなり赤字になってしまうという意味では、30万円以上はあるのが望ましいとのことでキリよく資本金100万円にしました。

そして、株式会社なので株を発行しますが、1株1万円か5万円のケースが多いらしく、資本金100万円だとそれぞれで100株か20株となりますが、わかりやすく1株1万円にして100株発行を選びました。

また、発行可能株式総数というのも設定しますが、今のところは分割する予定もないので10,000株としました。

事業年度

いわゆる決算月をいつにするか?です。

その前に、会社設立日会社創業日というのは異なり2種類あることを知りました。設立日は、登記した日で、創業日は、事業を開始した日とのこと。
決算月は会社設立から1年以内であれば自由に決められます。

(そもそも決算というのは、個人事業主でいうところの確定申告みたいな毎年やるもので、税理士さんにお願いするのが一般的なようです。)

というわけで、決算月として一番多いのは3月で、次が12月らしいのですが、長いものに巻かれてその月にしてもいいのですが、今回は(思い立ったタイミングが理由で)10月に登記したので、そこで12月にするとすぐに決算しないといけなくなってしまいます。

また、税理士さんが決算業務で忙しい時期をはずすと喜ばれるらしいので、特にこれ以上の理由もないので9月決算にしました。

大体こんな感じで、定款に必要な情報は完成しました。


印鑑

次に創業に必要なものは印鑑です。社名さえ決まればこれはすぐに着手できます。税理士さんにまとめてお願いすることも出来るようですが、自前で注文してみます。

一般的には「代表印」「銀行印」「角印」と3つ作ることが多いのですが、自分のスタートアップの経験からも角印はあまり使うことがなく、代表員と銀行印は、実は同じモノでも問題ないらしいので、代表印1つで賄うことにして、その代わりにチタン製という珍しい材質をチョイスしました。

注文には「はんこプレミアム」というサイトを利用しました。

サイズは18mmか20mmが良さそうです
注文して1週間足らずで届きました

事前に印影が確認できたりと、便利な時代です。

メールアドレス

個人事業主のうちからGoogle Workspaceを独自ドメインで利用していたのでそのドメインだけを、gakumarukun.jpで使えるようにドメインを追加し、それをメインのドメインとするだけでした。

無料でもGMailは使えますが、月額700円そこらで独自ドメインのメールボックスが使えるので創業時に利用開始するのはおすすめです。

自分でメールサーバを立てる時代じゃないですね…

会社の電話とFAX

最初は普段プライベートで使っているスマートフォンの携帯電話番号を仕事に使えば良いかな?と思ったのですが、やはり仕事用とプライベートは分けたほうが良いと思い、050番号なら月額300円程度で利用できるものがあったので、それにしました。

https://service.ocn.ne.jp/phone/ip/050plus/

IP電話なので普段使っているスマホにアプリを追加するだけで使えるので便利です。(最近だとデュアルSIMやeSIMという選択肢もありますね)

ヘビーに使わなければIP電話で十分

また、FAXも事業で使う可能性があったので、こちらのサービスを申し込みました。バーチャルオフィスでも謄本があれば東京03番号も取得できるので便利です。
https://www.jfax.com/

法人銀行口座の開設

登記簿謄本が必要なので、登記が完了してからの手続きになります。
いきなり三大メガバンクとかに作ろうとしても審査でまず落ちますので、最初はネットバンクなどがオススメらしいということで、楽天銀行にしてみました。
今回は、本店所在地がバーチャルオフィスだったので、その場合はどこかと取引をしている契約書が必要とのことで業務委託している会社との契約書を準備しました。あとは当たり前ですがさっき作った銀行印を用意します。

法人ビジネス口座のメリット | 法人のお客さま | 楽天銀行https://www.rakuten-bank.co.jp/business/account/

登録時に090の携帯番号だとNGで050だとOKということがあるようでしたので事前に確認しましょう。

書類を発送した翌日にその050番号に電話がかかってきて、事業内容などを聞かれて、その1週間後くらいに口座が無事に開設できました。

いつかはメガバンク

コーポレートサイト

最初からそんなに凝ったものは必要ないのでメンテンスが楽そうなものということで、普段使っているWordpressにしようかとも思ったのですが、せっかくなので新しいもの好きなので今回はSTUDIOを採用してみました。

作成したサイトはこちら

税理士(会計士)契約

色々わからないことだらけなのですが、ある程度のことは税理士さんを契約して質問するとよさそうです。ベンチャー向け、スタートアップ向けの税理士さんも増えてるようです。

今回は知りあいからの紹介で、こちらの税理士さんにお願いしました。

法人クレジットカード

色々調べたのですが結局この三井住友ビジネスオーナーズが無難そうでしたので申し込みました。
発効までに1か月くらいかかるので早く使いたい場合は早めの手続きが必要です。

追記:デフォルトでマイ・ペイすリボ払いというのになっていたので、気づいて解除しました。


登記完了

登記が完了すると誰でも登記簿謄本(履歴事項全部証明書)を入手できるようになります。

今回は渋谷の法務局へいって謄本と印鑑証明書が取れるようにする手続きも行いました。

ほかにも、会計ソフトとしてマネーフォワードを申し込んだり、社会保険の手続きを申請したりなどはありますが、大体これで事業をはじめるための準備が整いました。

マネーフォワード

会計、給与、社会保険、請求書、立替経費など、色々ツールが使えて、スモールプランなら月々3,000円くらいなのでおススメです。

最近は本業でサラリーマンをしながら起業する(会社を持つ)人もいるので、いきなり起業ではなく、そういうのもいいかもしれませんね。

ひとまずおしまい。


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