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岡山県真庭市|ドローンを使った林業の生産性向上により2人日の仕事が1分へ短縮

岡山と鳥取の境目に位置する「岡山県真庭市(まにわし)」の事例です。

燃料等の森林資源を安定的に供給できない課題

岡山県真庭市では木材産業が発展しており、発電所も設定されています。

そんな真庭市では、燃料等の森林資材を安定的に供給できないという課題を抱えていました。

例えば、台風によって土砂災害が発生してしまい、倒木によって道を塞いでしまうことですね。資源の安定供給というのは、真庭市に限った課題ではなく、、木材産業に取り組む地域でも抱えている課題だと思います。

情報共有のクラウド化とロボットセンサーによる上空からの位置把握

この課題に対して大きく2つの取組みを行いました。

1つ目は、ロボットセンサー(ドローンのようなラジコン飛行機)を導入して、上空から位置情報を把握した点です。

このロボットセンサーは簡単に飛ばすことができるため、リアルタイムに近い頻度で森林資源量を把握することを実現しました。なお、ロボットセンサーは自動車に搭載可能で、山中の任意の場所で飛行させることが可能、ということです。

このロボットセンサーを使って、上空から樹木の位置や樹種、樹高等のデータを収集していきました。

そして2つ目は、行政機関と資源生産事業者との情報共有をクラウドシステムで行った点です。

ロボットセンサーで収集したデータ(樹木の位置、森林の所在、所有者、空中写真など)を上手く活用するために、行政機関と資源生産事業者が共同で利用できるクラウドシステム上で共有しました。

なお、地番現況図(固定資産を管理するために土地に対して付与された番号)を共通IDとしてデータを管理することで、データの活用を実現しています。システム寄りの話しになりますが、各種情報のキーとなるIDを何にするのかという点は非常に重要です。新たに採番するのではなく、既存の資産を使うことで、現在の土地の情報とロボットセンサーで収集した情報を上手く紐付けることが出来ています。この点は素晴らしいと思います。

作業員2名で1日かけた仕事(2人日)がたったの1分へ

これらの仕組みにより、災害発生時、すぐに被害状況を把握することができるようになりました。倒木被害や土砂災害発生箇所をすぐに把握し共有したのです。

土砂災害発生箇所などの状況把握作業について、今までは、作業員2人が1日かけておこなっていたのですが、今では僅か1分で完了できるようになりました。

非常に大きな効率化です。

またそれだけでなく、作業員が危ない目に会わなくて良くなった、という点も大きなメリットです。

ロボットを活用する際は、業務効率化の視点だけでなく、人命に関わる危険な業務を任せられるという視点も視野に入れると良いのかもしれません。

※ご参考

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