マガジンのカバー画像

キリスト教について

70
「キリスト教理解」の理解について
運営しているクリエイター

2019年12月の記事一覧

クリスマスの坂道で

 東大路を自転車で上る。12月24日(火)夜7時のクリスマス礼拝に間に合わんと急ぐと、普段動かない中年の息はあがってしまう。白く消える体温に、京都が全体として坂道であることを思い出す。たしか北白川あたりは京都タワーよりも高いんだっけ...?緩やかな傾斜の向こうに、大阪や瀬戸内海、太平洋、南洋が広がっている。  生来、楽をしたい人間なので、南に下って暖かな坂道のおわりで暮らしたい。そう思いながら、北を目指して車輪をこいでいる。吉田本町を過ぎて、農学部キャンパスへ。雪が降れば、

有料
500

朝に読むことは難しい

 SNSなどをダラダラと読むのは心身に悪いので、聖書でも読もうかと思った。が、ぼくも一応働いているので、そんなに好き放題時間があるわけではない。博士論文も書かなくてはならない。原文をランダムに表示してくれるプログラムも悪くないが、分量が多いと訳すまで至らない。  で、今朝は、ブラウザで文語訳聖書の詩編1をさっと読んだ。これくらいなら続くかもしれない。とはいえ、きっと何度もやり方は変わるだろう。とにかく有意義と思われるものを読むほうにシフトしたい。  ぱっと読む。気がつけば

有料
500

約46億年ぶりに聖書を読んだ話

 先日、たまたま友人宅で行われている「聖書を読む会」に参加した。一家そろって敬虔なプロテスタントで、夫氏は大学で教え、細君は元看護士、いまは二児がある。熱心でありながら、視野狭窄になることもない人たちで、心地よい十数年来の付き合いが続いている。  普段「聖書を読む会」などに出席する機会はないのだが、久しぶりに訪ねたら、その日だった。だから、そのまま参加した。形式はシンプルかつ古典的で、担当者が聖書個所を読み、考えてきた疑問を参加者と共有し、皆で読み、考えていく。古き良きアメ

有料
500

クセノフォビアについて

 地下鉄ホームの最前列で電車を待っていたら、ドアが開いた途端、中国人と思しき若い女性が突進してきた。無論、体格と質量からいって吹っ飛ぶのは相手である。哀れ、その女性はふらついていた。ぼくとしては自身の内から湧き上がる、見知らぬ女への呆れた気持ちと僅かな怒りの置き場に困ってしまった。  いま、大阪でも京都でも外国人ばかりである。犬も歩けば棒にあたり、日本人が歩けば外国人と出会う。とくに大阪なんばあたりでは、もはや通り過ぎゆく際に日本語が聞こえると、少し驚いてしまう。  しば

有料
500

ソフィとロジー

 ふたりは女の子。寄宿舎で出会い親友となった二人を待っていたのは、大きな時代の激流でした。変わりゆく世界の中で、少女は妻となり母となる。女とは誰か。ソフィとロジー、小さな出会いの行く果ては...?という作品があるわけではない。  話題は、哲学(philosophy)と文献学(philology)である。知(ソフィア)と言葉(ロギア)を愛すること(フィロ)が、哲学と文献学の意味だ。なにやら大仰な漢字の並びだが、とくに難しい話ではない。  先日たまたま友人僧侶と新大阪で会った

有料
500