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8月のブルタオフ Magnificent Seven

※この記事は2024年8月12日に開催されたオフ会での事実を元にしたフィクションです。登場する団体名・人物名は実在のものとは一切関係ありません。


集合:上野駅

8月12日上野、正午──言うまでもなく、酷暑である。(1)ふかくさが上野駅に到着すると、(2)ねむ太郎(仮名)さんから「上野駅の喫茶店で待つ」との連絡があった。私はうっかりテキトーな改札から出てしまい、上野駅の立体構造を外から迂回するようなかたちで、喫茶店にどうにか到着した。

喫茶店に到着すると、帽子を被ったねむ太郎と思(おぼ)しきヒゲの男がiMacを開いていた。ネットで聞いた声には似つかわしくない貫禄にまさかと思ったが、画面をチラとみると明らかにブルタのタイムラインだったのでお声がけさせて頂いた。

ねむ太郎(仮名)さん、通称ウィザード

「はじめまして、ねむ太郎です……」。圧倒的なITエンジニア感。毎週ハッカソン(=ハッカーマラソン)に出席していてもおかしくないシリコンバレー感を感じつつ、巡回セールスマン問題やC++のSTLの実装などに関する他愛もない話をしていた。

すると、やっと(3)かんどる(仮名)らが登場した。かんどるはこのブルタオフのためにわざわざ琵琶湖近辺から飛んできたという。ブラックJapanese Traditional Company, JTCにいるはずなのに、ヒマをもてあましているのだろうか。

かんどる(仮名)、馬好きで知られる

かんどると一緒に来たオフ会主催者の(4)ブルタ(仮名)は、既に登山用品店で購入した〝モンベル〟というブランドのズボンを早速着用して参上した。だが、ふかくさが着用しているズボン(ユニクロ)と見分けがまったく着かない。モンベルとはいったい何なのか、これがわからない。

ブルタ(仮名)、登山にハマっている

そして、なぜか帽子を被った(5)愛野(仮名)も来ていた。今回集まった人たちの中ではもっともヤングな男かもしれない。やたらにはしゃいでいる様子だ。おそらく薬がキマっているのだろう。静観していれば4時間ほどで静かになるはずだ。

ブルタ氏によると、当初はダツオ、ねむ太郎、ふかくさの3名を呼び、合計4名のオフ会にする予定だったという。しかし、なぜか来てしまったかんどる(会社員)と愛野(中核派)。招かれざる客モドキである。4名ならばと思って用意してきたボードゲームがチャラとなり、ふかくさは内心ブチ切れだ。

愛野(仮名)、中核派随一の巨根で知られる

「それで、(6)ダツオ(仮名)さんは?」とブルタにたずねると、付近にある西郷隆盛像の前にいるのではないかという。なぜそんなところで待たせているのかといぶかしんだが、とにかく混み合う喫茶店を出て西郷隆盛像の前に向かうと、そこにはダツオが直立不動で待っていた。

ダツオ(仮名)、イカそうめん工場は退職したという。

合流した面子6名で上野駅のつばめグリルに入店。創業70年使われているという器での肉料理に舌鼓(したつづみ)を打った。

上野つばめグリル

店を出ると、ダツオは博物館の昆虫展にいきたいとダダをこね始めたが、ブルタは「昆虫展なんて混雑してるに決まってるダロ!」と一喝! 上野公園の森の空気を吸って気持ちよくなっている愛野たちとともに、我々6名は上野博物館の常設展に入ることになった。

上野公園で迷う一行

国立博物館

この著名な博物館の入館料は大人一人2,200円もするそうだ。だが、ふかくさと愛野はフリーパス(障害者手帳)があるので、付き添い一名含め無料である。私が「もう一人無料で連れていけるぜ」というと、ねむ太郎がするっと着いてきた。結果、貧しいブルタとダツオはフルプライスを支払うため、当日券の行列に並ぶはめに。ねむ太郎、遠慮がない男である。ブルタ、ブチ切れである。

博物館では、高山植物やら昔の懐中時計やら江戸時代の地球儀やらフーコーの振り子やらティラノサウルスの骨っこにみんな夢中であった。

だが、ふかくさはもう電池が切れていたため、さっさと涼しい飲食店にでも入りたい気分であった。

愛野は自販機で買った清涼飲料水がまったく冷えておらず、ブチ切れであった。私は、その日の自宅最寄り駅の自販機で既に経験済であったので、飲料水を買うことはしなかった。

上野公園

上野公園の街道でやっぱり昆虫展もみたいいややめろまだ早いもう居酒屋行こうなどと我々がもみあっていると、前方を歩いている親父がこちらを振り向き、眉間を寄せて「おい、さっさと歩けよ!!」と迫真のマップ攻撃をしてきた。我々は唖然としていたが、少し経つと、細君(さいくん)と思われる女性がいそいそと親父の後をついていった。

心優しいブルタは相当なショックを受けたようだった。登山道ではみな優しくあいさつを交わしてくれる中、あのように怒鳴られることは無かったようである。その様子をみてイキがりが頂点に達した愛野が、「おいブルタ、さっさと歩けよ!」などと囃し立て散らかしながら、我々は居酒屋に向かった。

居酒屋

上野には同じ名前の居酒屋が多かったため、4回ほど間違えて入店しては即退去を繰り返したが、やっと正しい居酒屋に入店。

居酒屋では男6人集まっても浮いた話も出ず、ネットでよくしゃべっては女子に絡むおじさんの悪口大会が始まっていた。「今度はこのメンツだけで名古屋オフしようぜ!」といった軽口も飛び交った。

多少酔いが回ってきた頃、お互いのメガネを交換するという大学生みたいな遊びをやっている最中に7人目の男、(7)めてお(仮名)さんが合流。ダツオとは平成仮面ライダーやゲームの話で盛り上がるほか、左翼だからか、もはや電池が切れた上にロシアンたこ焼き(みなで一個ずつ食べるたこ焼きのひとつに強烈な辛子が入っているというもの)を見事当てて無口になっていた愛野さんともなかよくなったようだ。

めてお(仮名)、ゲーマー
長身の二人に囚われた某氏。

私はみなの会計をまとめて済ませ、カネのないめておさんと愛野さんには幾らかおごってあげた。その後、連中がどこにいったか、詳しくはしらない。私は夜の街に消えたからである。

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