ピアノ

「busiart -ビジアート-」演奏会に行ってきました

 ちょっと前のことになってしまうけれど。今月まだnote更新できていなかったので、このタイミングで更新することにします。

 11月20日(水)。会社員×音楽家のパラレルキャリア集団「busiart -ビジアート-」のコンサートに行ってきました。
 これはどういうものかというと、音大卒の会社員によるクラシックコンサート。
 
クラシック音楽のアップデートコミュニティから誕生したものだそうです。
 

 音大卒業後の音楽との関わり方が限定的になりがちなクラシック業界を変えたい、会社員をしつつ音楽活動も続けるロールモデルを提示したい……と謳っているコミュニティだけあり、運営面も演奏も、とにかく全体的にクオリティが高かった!
 既にクラシック音楽に馴染みがある人も満足できる、音大卒ならではのハイレベルな演奏はもちろん、
 クラシック初心者のビジネスマン……どちらかというと「パラレルキャリア」のほうに関心がある人にも満足できそうな、小ネタを交えた内容になっており、とっても楽しい演奏会でした。
 会の構成としても、いい工夫が随所に見受けられました。以下、クラリネット演奏家・浅原ルミ子さんのブログから引用します。

・演奏会は休憩込みの90分→初めての方でも疲れにくい長さ
・20時半終演を事前に明言→帰り時間の目安あるし遅すぎない
・後半のみのチケットも販売→ビジネスマンへの配慮
・チケットはPeatixでペーパーレス→スマホさえ持っていれば来られる!
・パンフレットもデジタル→帰りに荷物増えない!
・写真OK、拍手掛け声OK、SNS掲載歓迎←OKできるステージ進行とプログラムの工夫あり

 個人的には、この「後半のみチケット」がとっても良いアイデアだと思いました。
 演奏会に限ったことではありませんが「遅れてきても会費は安くなりません」というイベントが多い中、あらかじめ遅れてくる可能性が高い人に向けたチケットを販売するというのは、参加のハードルも下がり、とても良い試みだと思いました。

 司会の高濱綾香さんによる関西弁混じりの軽快なトークや、オペラの内容を再現したような寸劇もあり、短いながらもとにかく盛りだくさん。
 プログラムも、堅苦しい説明はなく「電話でおなじみのアレ」「動物みたいなヤツ」なーんて親しみやすいものになっています。
 ビジネスマン向けと謳っているだけあり、「愛の挨拶」の演奏にも「電話の保留音でもおなじみの曲です」という説明があったり、日本製ピアノは実は海外で人気が高いというビジネスの話があったり、バイオリンは10万くらいでも十分綺麗な演奏ができるのでボーナスで買ってみるのもいいとか、卑近な内容のトークも多く、とにかく飽きませんでした。 

 個人的にいちばん気に入ったのは、「動物の謝肉祭」のフィナーレの演奏。
 ピアノの連弾ですが、ただの連弾ではなく、靴も楽譜も投げ捨て、二人が縦横無尽に動いてポジションを入れ替わり、とことん「動物っぽさ」を表現!
 そんな、普通の演奏会ではありえないようなパフォーマンスがあったところも、とっても良かったです。
「動物の謝肉祭」のフィナーレも、もともと好きな曲ではあったものの、この演奏を聴いて以来さらに大好きになり、YouTubeでよく聴いています。

 この演奏会の数日後、地元に帰省する用があり、飛行機に乗る機会がありました。
 そのとき機内のラジオで、サン=サーンス作曲「イスマイリアの想い出」が流れていました。
「イスマイリア」は、エジプトの都市の名前。サン=サーンスは旅行好きだったようです。
「動物の謝肉祭」も、彼の出身のフランスではなく、ほかの地域の祭りとして知ったものをモチーフに書いたのかも? と、ちょっと想像を膨らませたりもしてしまいました。
 私は大学では地理学を専攻していました。音楽と地理を重ね合わせてみるのも面白いかもしれない……なんてことも思いました。

 私自身は音大卒ではありませんが、合唱やクラシックが好きということと、音楽療法の仕事に興味があったため、中学時代は音高に進学することも検討していました。(ピアノが弾けないため諦めましたが)
 会社員をしていても音楽家としても活躍できる……というロールモデルを私も中高生時代に知ることができていたら、もしかしたらピアノを頑張って、音楽系の学校への進学を目指した人生があったかもしれません。

 とにかく、この「ビジアート」、本当に楽しい演奏会だったので、是非また第2回も開催されればと思いました……♪

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