連載小説【正義屋グティ】 第3話・小さな誓い
3.小さな誓い
3年前
「嘘でしょ!」
「きゃぁぁああああああ。誰か正義屋を!」
グティがデパートの屋上から落とされてからすぐのことだ。だんだんと沈んでいく夕日から逃げるように、海から上がってきた水着姿の人間たちがゲテモノを見るような目でその場の悲惨な光景を目に焼き付ける。すると人間たちは、『その光景』に拒絶し他人事のようにその場から立ち去ったり、その場で虫の抜け殻のように硬直したり、『その光景』を見てわんわん泣き叫んだりと現場はまさにカオス状態だった。『その光景』とは車が