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Writingエッセイ03) ライティングの3ステップ (+Hamburger Essay)

◆Writingの3ステップ

エッセイを書く際、テストであるからには当然だが、制限時間が存在する。英検®であれば、ReadingとWritingを合わせて85分(2級)、90分(準1級)などと設定されており、Readingセクションのスピードにもよるが、この場合は大まかに20~30分程度で1つのエッセイを書くことになる。IELTS®なら2問を合計60分で完成させる(目安としては20分+40分程度で、後者の問題で自分の意見を展開)。

 

そこで、本番形式で演習するシーンでは時間を意識することが重要となるわけだが、この制限時間の使い方は、大きく①Plan・②Write・③Checkの3ステップに分けられる。要は①計画を立て、②実際に書き、③見直す、という当たり前の手順ではあるのだが、いざやってみると、時間が不足して見直せない(③が課題)、あるいは、そもそも何を書いて良いやら途方に暮れてしまって序盤で時間が過ぎてしまう(①が課題)ということも少なくない。時間を意識したトレーニングが必須となる所以だ。

 

まず①Planだが、数百語ぐらいのエッセイを30分程度で仕上げる場合、ここは3分前後で通過することが多い(難易度の高いお題であればもっと時間をかけることもある)。たとえば「AかBか」といった二者択一の問題であれば、両者を分析し、自分の立場を確定させ、大まかなエッセイの流れを構想することになる。これをごく短時間に終わらせるには、十分な練習が必要となる。

  

続く②Writeでは、Planに沿ってひたすら書いていくことになる。このとき、のんびりしていると一気に時間が溶けてゆくので、見直しの時間を確保できるよう目安時間内に書きあげるスピードが要求されるのは言うまでもない。が、スピードに意識を向けすぎると今度はWHATやHOWの質がおろそかになっていく(→トレードオフ=trade-offの関係にある)わけで、ここをいかに両立させるかが課題になる。演習では、「今日は質を重視して、スピードの方は無視してWHATとHOWのクオリティを上げよう」とか、逆に「本番が近いから、とにかく時間内に書きあげることを最優先にするぞ」といったように、目的に応じて練習法を変えるのも手だろう。また、つらつらと書いているうちに、自分が何を言いたかったのかよく分からなくなってしまうケースが見られる。もちろんPlanに合わせて筆を進めればそんな事態に陥らないはずなのだが、実際のところは、書いているうちにPlan段階よりも良い内容が思い浮かんだり、強調したい点を少し変更したくなったりすることは良く起こる。そこで矛盾した話を展開してしまい、エッセイ全体の一貫性が失われてしまわないように注意を払う余裕がほしい(→やはり練習量が必要)。

 

仕上げに③Checkすることになるが、本来はできれば数分程度はとりたいところである。「本来は」ということは、現実にはそんなに確保できないケースもかなり多くあるわけだが、少しでも見直せるように時間配分したい。というのも、かなりの上級者でも、改めて読み直してみれば単純なミスが混じっているのが普通だからだ。特にパソコンで受験する場合、普段からスペリングや語尾のsの有無といったミスの自動修正に慣れていると、本番の試験(当然そのような機能は搭載されていない)ではそうした単純なミスを乱発しかねない。また、こうしたHOWの面のみならず、WHATの面でも、内容的に矛盾していると評価されかねない部分があれば表現を微調整するなど、Check段階の役割は大きい。

   

   

◆エッセイの骨格 (Hamburger Essay)

ここで、エッセイ全体の「骨格」も確認しておこう。なお、ここではいわゆる“ハンバーガー・エッセイ”をとりあげるが、英検®の場合、2級まではこの形式は要求されておらず、「自分の意見」と「その理由2つ」を、1つのパラグラフ(段落)で述べればよいことになっている(※執筆時点)。しかし、それも結局はハンバーガー・エッセイの簡略版ととらえることが可能だし、将来的にレベルが上がれば数パラグラフからなるエッセイを書くことにもなるだろうから、ここで紹介することにする。

  

とはいっても、そう身構えるようなことではなく、エッセイは基本的に①Introduction(序論)・②Body(本論)・③Conclusion(結論)の3つから成るというだけである。まずIntroductionで1段落が基本。ここで自分の意見を述べる場合は明確にそれを紹介する。続いてBodyは段落を2~3個使い、自分の意見をしっかりとサポートする理由などを述べていく。最後に1段落をConclusionに充て、話をまとめて、完了。要は、①Introductionと③Conclusionで、メインの具材である②Bodyを挟み込んでいるので、パン(正確にはバンズ=buns)が具を挟みこむハンバーガーに似ていることから、これをハンバーガー・エッセイと呼んでいるわけだ。

   

この全体の「骨格」の中に、あとは色々な「パーツ」を組み込んでいって、「流れ」のあるエッセイ(つまり『構成』が上手いエッセイ)を仕上げていくことになる。Introduction・Body・Conclusionの具体的な中身については、後にさらに詳しく紹介していこう。

  

 

〔コラム〕Bodyは何パラグラフ書く?

たとえば英検®準1級(ハンバーガー・エッセイのスタイルで書くよう指示される)であれば、指定されたPOINTSと呼ばれるヒント群から「2つ」使って自分の意見をサポートするよう指定されているので、事実上、Bodyは2段落 書くよう決まっているようなものだ(つまり全体では4段落の構成になる)。一方で他の試験の場合は、人によってはBodyを3段落書く人もいれば(計5段落のfive-paragraph essay)、2段落にする人もいる(これなら全体で4段落)。トレーニングを通して自分に合ったスタイルを見つけておきたい(なお、IELTS®では問題文の指示が数パターンあるため、それに合わせてBodyの構成を調整することが多くある)。

   

 

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