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いい加減、自信持ちなさいよ

私は劣等感が強い。特に子どもの頃は勉強について、大人になってからは仕事について。
親にかわいがられて育った記憶があり、基本的な自己肯定感はおそらく大丈夫なのだが、なんらかの「能力」に関してどうにも自信がない。

「ノーンさんの書籍、読みやすかったから」という理由で編集を依頼されたことがある。

「えええ……ありがとうございます(ぴえんの絵文字)……でもあれ、書いてたらああなっただけなんですけどね。人様の文章のお役に立てるんだろうか」馬鹿正直に答える私にそのまま依頼してくれたクライアントは、神である(ぱおんの絵文字)。

結局、書籍はわかりやすいと好評だったし、リピートのご依頼もいただいている。大丈夫なのだ。いい加減自信を持て。

デザインは学校でセオリーから学んだからか、割と左脳が働いている。デザインは「情報の整理」なのだ。
しかし私にとって文章は違った。「文章も情報の整理」と言えるし、逆のような感じもするが、私は文章に関してはきちんと学ぶまでは超右脳で書いていた。

そして、学ぶまではすらすら書けたのに、学んで「型」が出てきたら途端に書くのが遅くなったのだ。できるだけ左脳も使うようにしているものの、今も走りながら考えているようなところがある。元々私はデザインでも、左脳でつくる中にも「走りながら考え」ているところがある。

「型があるなら、まずは忠実に守って身につけること」。崩すのはそこから後の話。基本もできていないものを崩しても、ただ崩れているだけ。
わかる、わかるよ言いたいことは。しかし、それにとらわれてかなりしんどくなっていた。嫌なんだよ軍隊みたいなのは。彫刻みたいに削り出す方が向いているんだ、私は。

自分のコンテンツなら「走りながら考え」ようと、それで破綻してやり直しになろうと、自分に降りかかるだけだからいいものの、クライアントワークでそれをやるわけにはいかない。そこから自信のなさが出てくる。

でも、できたじゃん。いい加減自信持てよ。この10年でできること、かなり増えたじゃん。
王道を歩かなくたって山は登れるよ。

王道を行かない勇者に捧げる。

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