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こうしてママは、ママになる。

近頃、ムスメの発音のバリエーションが増えてきた。

「あー」とか「うー」しか言えなかったのが、だんだん「ター!」とか「アター!」などと言うようになり、そこからさらに進化して「タッタッタッタッタッ」と叫びながら高速ハイハイをするようになった。(クレヨンしんちゃんのひまわりを彷彿とさせる)


そして先日、ついに「マ」の発音を習得した。
ふいに「ママー!」と叫んだのだ。

数ヶ月前のnote「それでも私は、お母さんと呼んでほしい。」の中で、「自分がママと呼ばれることに抵抗がある。」「周りがどれだけママと呼ばれていようと私はムスメにお母さんと呼ばせる。」などと声高に主張していた私。

それが、いざ「ママー」というムスメの声を聞いた途端「え、ママ?今、ママって言ったの?ママのことを呼んだのね?」と光の速さで意見を翻す自分がいた。

正確には「ママー」ではなく、どちらかと言うと「ンマンマ〜」に近い発音なのだが、それでもムスメの口から「ママ」という言葉が発せられたことが嬉しいのだ。

我ながら現金なやつだと思う。

でも「ああだから、みんなママって呼ばせるのだな」と合点がいった。要は、欲しがりなのだ。

1歳に満たない我が子にいくら「おかあさんだよ」と言っても、求めるものは返ってこない。

でも「ママ」だったら、まあまあな確率で呼んでくれる。というか、とりあえず発音はしてくれる。

そうなると、ママになっちゃうんだろうな、やっぱり。

ムスメは相変わらず後追いがすごいのだが、私が部屋を出て行くとその背中に向かって「ママー」と呼ぶ(発音する)ので、どうしても「私を呼んでいるわ!」となってしまう。

(まあ呼んでいるには違いないのだけど)

そんなこんなで、お母さんと呼ばせる計画が早くも破綻し始めている今日この頃。

いやでも、あれだけ大きな声で言ったからにはやはりお母さんだろうという気持ちと、欲しがりの私がせめぎあっている。

もし一年後、私が何食わぬ顔をして「ママ」と呼ばせていても、どうか見過ごしていただきたい。

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