見出し画像

本当は文字書きになりたかった

この前の記事より。
ここで頂いた100円が、僕にとって初めて文字を書いて貰ったお金!…ではないんですよね実は。
今日は僕にとって“文字を書くこと”にまつわる、昔の夢と、それを諦めた話をしたいと思います。
自分語りをするのも久しぶりですね。フォロワーも増えサポートもいただいて、noteのモチベに火が付いたことですしがっつり書いていきますか。


遡ること5年前、高校一年生がただの無職になった時の話。
季節は秋。夏休み明けに母親と大喧嘩をし、勢いだけで高校を辞めた僕は何もすることがなく自室でずっとぼーっとしてました。
中学時代もほとんど不登校だったので自室に篭るのは慣れっこですが、オンラインゲームをしようにも一緒にゲームをする相手はみんな学校に行っているわけで、日中凄く暇なんですよ。
じゃあ中学時代は何してたの、って話なんですがずっと動画やアニメ、特にアニメを見ていることが多かったです。

しかしながら、この時もうすでに面白いとされているアニメはほとんど見たし、自分の好みの系統の作品はほとんど見切っちゃって頭打ち状態でした。
やることねーなーアニメも見飽きたしなーととにかく暇を持て余している状態。
なにより、中卒になった挙句向かっていけるやりたいこともない将来という終わった現実を直視するのがただただつらかった。
現実逃避出来る逃げ先を求めていたんですよね。

なので、このときずっと興味のあった『ビジュアルノベル』の世界に足を踏み入れました。
ビジュアルノベルという単語に聞き覚えがない方が多いと思いますが、小説に絵や映像、音などを加えたコンテンツのことです。
要はギャルゲーとかエロゲーですね。
察しの良い方は高1がエロゲ…?と思ったかもしれませんが

画像1

この場を借りて謝罪します。僕は18歳になる前から18禁ゲームをやっていたのは間違いありません。
法を犯しているわけではないので許してください。ごめんなさい。


話を戻します。
インターネットでアニメオタクをしているといつかは出会うエロゲの存在。
エロゲ原作のアニメも結構ありますし、エロゲ畑から多くのクリエイターを輩出していますし、何よりオタクカルチャー黎明期を支えたのはエロゲ文化ですから、オタクとしての深度を増していけば必然的に存在を知るはず。
何度も言っていることですが、ビジュアルノベルを構成する要素の一つである音楽が、僕の場合エロゲに興味を持った要因でした。
エロゲをプレイする前からエロゲソングを知っていたし、よく聞いていましたから、この曲の作品をプレイしてみたい!となるのは必然ですよね。

そうして僕が手に取った初めてのビジュアルノベルが、『マブラヴ』シリーズ。
今でも胸を張って一番好きだと言えるコンテンツです。
いつかマブラヴの魅力を語る記事も書きたいですね。オルタのアニメ化も決まったことですし。

オルタをプレイしているとき僕には衝撃が走り続けていました。
特に感動したのが物語を構成するシナリオの部分。
こんなにも緻密に練られた世界観でこれだけ重厚な物語が展開されるのかと。

アニメや映画などの映像作品は、製作コストの都合上尺が決まっていて泣く泣く削られたり製作者の本当に表現したいものを表現しきれなかったりすることがあるでしょう。
しかし、でもビジュアルノベルは違う。とんでもないシナリオ量だって表現できてしまいます。その分話に重みが生まれる。
そこに、書籍ではできない視覚と聴覚によるアプローチが加わってビジュアルノベルでしかできない表現が生まれるのです。

だから別のメディア形式が嫌いというわけではないです。アニメも映画も小説も大好き。
ただ、このビジュアルノベルというメディア形式が僕にすごく合っていたんだと思います。魅力を語り始めたら止まらないのでここまでにしときますかね。

マブラヴを機にすっかりビジュアルノベルにハマった僕は、有り余る時間をいいことに名作ビジュアルノベルをプレイしまくりました。
素晴らしい作品たちに触れては心を動かされ、部屋から一歩の出ていないのに真っ黒の僕の人生に彩を与える存在。
ここでビジュアルノベルとの出会いがなければ、重すぎる現実に押しつぶされて今僕がここにいなかったかもしれません。文字通りの生きがいでした。
まあ、今でもサクラノ刻とマブラヴ インテグレートをプレイするまで死ねないと思って生にしがみついている節があるので、生きがいなのは変わらないんですけど。

こうしてビジュアルノベルをプレイしているうちに、「僕もこんなに面白くて感動できる話を書けたらな」と思うようになります。
苦節16年、何の目標も芯も持たずにブレブレで生きてきたオットセイくんが抱いた初めての夢。
働きもしなければ学校にも行かず、完全に塞ぎ込んでいた中でシナリオライターを、文字書きを目指して動き始めます。


その最初のきっかけになったことがあります。
年上の大変お世話になっているフォロワーさんがいまして、ある日その人とゲームをしようとしたら、「仕事が終わらないから手伝ってくれない?もちろんお金を出すから」と提案されました。
内容を聞いてみると、指定された内容について調べて短い文章をいくつも書いていくというもの。

まさにこの時の僕にとってはもってこい、快く引き受けました。
文章を考えるなんて中学の作文以来ですから、フォロワーさんの添削や修正を受けながらでしたが、3日間必死に取り組みまして。
なんとかやり遂げることができました。あの時の集中の使用は今でも鮮明に思い出せます。
その対価で受け取ったお給料が、僕が文字を書いて受け取った初めてのお金なんですよね。

在宅のライターの仕事に初めて触れた僕はこりゃいいやと、案件を受けて自室で働き始めます。ニートからネオニートへの成長ですね。
雑誌のちょっとしたコラムから、指定されたもののレビュー、時にはゴーストライターの案件なんかも受けたり受けなかったり。
でもね、これがま~~~~~~きっついんすわ。

この手の案件の給料って、だいたい1字/0.2円みたいな感じで決まってるんですよ。
にもかかわらず、ここはこの文字数でって指定があるせいで、ありえん量の案件数や物量をこなさなければまともな稼ぎになりません。
バカみたいな規模の案件を受けたときは1週間ずっとWordとExcelに張り付くことなんかも。
それがもうしんどくてしょうがなくて、段々文字を書くということが嫌いになっていき、気付けば少しずつプログラミングなんかにシフトしていきました。

ライターの案件をめっきりとならくなった僕は、「文字書くのがこんなにつらいのは自分の興味もなければ書きたくもないことを書かされているからや!」と思って、自分の作品を作ろうとし始めます。
僕がやりたかったのは温泉の効能や今売れている新ブランドの話ではなく、面白い物語なんですから。

しかし!何も!全くアイデアが出ない!

物語を書き始めるのはおろか、世界観の構築の時点で何もできずにノックダウン。完全に挫折します。
正直、たくさんのお話に触れてきて、この作品はここがこうだからいいとか、ここをこうしたらもっと面白くなったのにとかそういうのはいくらでも出てきてたんですよ。僕みたいな人結構いると思いますけど。
なんで、良いものが自分なら作れるという根拠のない自信がありました。

なぜこんなにも上手くいかなかったのか?
それは、純粋に独創力がなかったことと、僕の人生経験がペラペラすぎたことにあると思っています。
本は著者の人生そのものとはよく言ったもので、まさにその通りなんです。
この世の中にはたくさんの物語が存在していますが、そのうちの多くは作者の経験や知識に基づいて話や世界観が構築されています。
軍事の知識に長けていれば良い戦記物が書けるし、少年時代音楽活動に人生を捧げた経験があればバンドの青春物の物語が書ける。

では僕にあるのは?学校にすらまともに行ってなければ、持っているのも偏った世界史の知識くらい。
振り返ってみれば、ただただコンテンツを消化しているだけの人間。
薄いんですよね。人生が。
人の心を動かせる作品を創るには、一生懸命に人生を生きた人でないと難しいんですよ。僕はそこから程遠かった。

しかし、自分の中に何か長所があることが良い物語の絶対ではなくて、自分の想像力・妄想力で物語全てを構築してしまう天才タイプの人もいる。
ファンタジー作品や、学園物のライトノベル作品を書かれている方がここに当たると思うのですが、そもそもの創造力が欠落しているのでまずこちら側にはなれませんでした。
大学で創造力を鍛えるための授業を取っていたのですが、実際ボロボロでしたしね。改めて自分の創造力のなさを実感した瞬間でした。
自己分析を重ねた結果、0から1の人間じゃなくて、1から10の人間だったってことです。
クリエイターに向いていなかった。


以上、夢を諦めた話でした。
普段偉そうにアニメやエロゲの評価をベラベラと述べている僕ですが、一方的に読者の目線で感想を語っているだけであって、作品を完成させたクリエイターの皆様は無条件で尊敬しています。
物語の世界観を構成し、登場人物を創り、それを動かして物語を綴っていく。それだけで本当に難しいことなんです。
表現が変わってもそれは同じ。作曲者さんやイラストレーターさんだってそう。
どのような作品であれ、作者は自分の作品の中では神様ですから。

そんな中、このnoteの存在はものすごく居心地がいいです。
文字書きで飯を食っていくことは辞めましたが、文章を書くことをちょうどよく趣味に落とし込めているな~と感じています。
好きなこと書けるし、自分だけの世界を創る必要もないし、あったことおもしろおかしく書いてるだけでも楽しいもんです。
勧めてくれた友人に感謝。


クリエイターになる夢を諦めた今、素晴らしい作品の作り手にはなれずともそれに携わりたい、恩返しをしたいという気持ちのもと、コンテンツビジネスについて学べる大学に通っています。
専門的なことは今年度からですけどね。
結局僕はコンテンツを消化する側の人間にしかなれなかったけれど、作品に付加価値を生み出したり、魅力を多くの人に伝えられる人間であればいいなと、そう思います。



オットセイに課金してもガチャは回せません。