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FUSIONLIZE TALK vol.1 (feat. Misato Shiono)

みなさん、こんにちは。
FUSIONLIZE TALK 運営の鶴田です。
(FUSIONLIZE TALK についての詳しい説明は、記事の一番下へ。)

FUSIONLIZE TALK第一回は、塩野美里(しおの みさと)。
「きいてけろラジオ」を運営していて、毎週金曜日にエピソードをアップしてます。

そんな彼女の、3つのキーワードは、
#挫折
#自分なりの生き方
#ダイバーシティ &インクルージョン

このレポートでは、彼女が語ってくれた三つのキーワードについて、レポートしていきます。

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自己紹介

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塩野美里です。専攻は歴史学と心理学。剣道部に所属しています。
ラジオ、お笑い、旅行が大好きです。
障害ある人をサポートする、ということに特に興味があって、福祉施設でのバイトもしていたりします。

キーワードにある、
「ダイバーシティ&インクルージョン」を自分なりに言い換えるとしたら、
=どんな人生も、どんな個性も、認められる社会
=みんなにとって生きやすい社会

この考えになったのは、キーワードにある、
挫折があって、そして自分らしく生きようって思った、
その経験からきています。


人生最大の挫折

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高校入学直後、急激に視力が落ちました。
目の病気の関係で、眼鏡は役に立たなくて。
虫眼鏡を使うようになりました。

今も、落ちた視力は戻らないと言われていて、これ以上下がらないように治療をしているという状態です。


自分が「視覚障害者」と呼ばれる立場になった。
これが大きな転換点になりました。

視覚障害の人は、いろんな見え方(="みえなさ")があって、
私の場合は、全体的にぼやけて見えないけど、特に真ん中や上が見えない。だから、拡大鏡(虫眼鏡みたいな形をしている)や、拡大読書機(写真下)というものを使っています。

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高校入学直後は、拡大鏡とか、そういうツールすら知らなかったし、それを知った後も、それがないとやっていけないのに、学校で使おうとしなかったり、隠すようにしていました。

今までできたことができなくなっていく焦り、「普通」でなくなる恐怖がって。そして障害に関するネガティブな感情があると気づきました。

自分の弟が、重度の自閉症で。
小学校時代、弟と同じ学校で通ってたんですが(特別支援学級と通常学級で、学級は違ったけど)、あるとき、校庭の端で遊んでた弟の周りに同学年の子がやって来て、悪口を言い始めた言うのをみかけて。
その時、私はなにもできなくて。
守りたい気持ちがあったけど、自分を守ることを優先してしまった。
「障害があるってそういうふうにみられるんだ。」ということを、そこで思ったんだと思います。だから、中学まで、自分の弟が自閉症ってことを言えなかったし、友人も家に招くことはなかった。

「障害者」になるまでそれを続けていました。

そして、「障害者」になった時にそういうのが跳ね返ってくる気がしたんです。


弱さを見せられない、人に助けを求められない
できないことが増えていくのに、、、。

できないときにできないって言うって、結構勇気がいるじゃないですか。
視覚障害に中途になった人って、今までできたことができなくなっていくので、それで引きこもてしまう人もいるみたいで。

私は、学校には、行っていました。弱みを見せたくなかったので。

でも、自分の居場所がなくなっていく感じがして、教室にいけなくなっていきました。どんどん、「大丈夫」が口癖になっていって、何も面白いって感じられなようになりました。


浪人して、今の大学に入って…きちんと伝えれば、協力してくれる人がたくさんいることを知りました。

助けを求めることが恥ずかしいことじゃない。
いろんな人たちと話をして、こう言うことを学んだと思います。

そんな中で、すごく心に残っている言葉のひとつが、

「かっこいい」

拡大鏡について質問されて、「これないと見えないんだよね」って言った時に、友人から帰ってきた言葉。
自分にとっては普通じゃないことの象徴だったので、えってなりました。

もうひとつは、
「あなたが頑張ることで、勇気付けられる人がいるんだよ。」

視能訓練士という、弱い視力のままでのいかに生活を向上させるためにどうすれば良いのか、を相談しにいく人がいるのですが、
あるとき、どこまでやっても追いつけないところがある、みたいなことで、どこまで頑張れんば良いのかわからなくなってしまって、相談したんです。

そしたら「あなたはもうすごく頑張っているよ」って伝えてくれて。
そして、別で担当している、5歳くらいの男の子のお母さんが大学に行けるか心配していたと言う話をしてくれて。自分が今やっていることで、誰かが勇気づけられることもあるんだって、思えるきっかけになりました。


自分のペースで、生きようと思った。

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私は、自分自身の置かれた状況を受け入れられていませんでした。
他の人を基準にしていたから、自分に負担をかけていました。

でも、人生を長いスパンで考えるようになって。
いま出来ないことでも(例えば、目の治療の関係で留学ができなかったのですが)、「今死ぬわけじゃないし」って思えるようになりました

また、自分のできないことを理解し、しっかりと伝えることが大事だと気づきました。それをできないと伝えられないと、伝えないと相手もわからない。でも逆に、伝えられたら、お互いにとって居心地の良い場所を作れるように、動ける。

それに、視覚障害者のコミュニケーションにも積極的に関われるようになりました。

ポッドキャスト

生き方の多様性を伝えたかった。
そこで、自分の好きなラジオでなにかできないかな、と思ったんです。

そこではじめたのが、「きいてけろラジオ」(Twitter→@Kitekero_Radio)でした。

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ラジオが好きになったのは、見えなくなってから。

顔もわからないし、
わかる情報は、ラジオネームと、あって年齢、あって性別。
その中で、全部フラットな感じで話が進む。
視覚に問題があることも関係なかった。

そこにはその人たちの価値観の多様性や、生き方の多様性があった。
そういう人もいるんだ、そうやって対処しているんだって学べました。

きいてけろラジオでは、テーマは絞っていません。
いままで出てくれた人で、テーマはいろいろ。
「そんなに話せることないよ〜」って言う人もいたけど、みんなそれぞれ結構話してくれました。
それが楽しいし、どこかで、誰かに、選択肢を紹介するっていう形で、役に立てば良いなと思っています。

みんなにとって「生きやすい」社会を目指したい、って書きましたが、
大きなことをする必要はないと思うんです。

どうしても、社会のシステムの中で
障害を持っている人は、不便になりやすい。

でも、ここでの「みんな」は、「障害者」の人だけではないです。


自分の近くにいる人が、居心地の良い場所
=自分が自分でいいって思える場
=認められるって思える場所 って感じてもらえるか。
生き方や価値観を肯定できる社会が、そ言う言うことを可能にするんじゃないかと思います。

みんな=「しょうがい」とか、「ジェンダー」とか、
そういうことだけが多様性じゃなくて、
内側の面でも、心の中の価値観も多様性って入れていいんじゃないかとおもいます。
いろんな人たちを含めたみんなが、居心地の良い場所ができて欲しい

それは、身近なところでもできると思うんです。
例えば、寮生活している中で、ミーティングをしてるなら、日本語がわからない人がいるかもしれない。
グループで何か遊んでいる時に、それを楽しんでないひとがいるかもしれない。

その面に想像力を働かせられることが、身近な人たちみんなが居心地が良い場所、って思えるようになるための、第一歩なんじゃないかな〜と思っています。

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この後は、9人の参加者+ゲストスピーカーのみさとで、5人づつに別れて、トークを聞いての感想や、最近のモヤモヤごとなどをじっくり、ゆっくり語ってもらいました。(FUSIONALIZE TALKは参加者同士の対話も大事にしているので、スピーカーの話と同じくらいの長さで対話の時間を設けています。)

最後の写真撮影!!

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みさとは、「きいてけろラジオ」のゲストを募集しているそうなので、興味のある人がいたら、是非話しかけてみてください^^!

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きいてけろラジオ(リンク集)



★FUSIONIZE TALKとは?

★FUSIONIZE TALKとは?
自分らしく生きたいと願う若者の心の居場所をつくることで、多様な生き方を肯定する社会の実現を目指すプロジェクト『ALL OK!』による、オンライントークイベントです。

★目的
❶であう
集まって対面して話すコミュニケーションからオンライン上でのコミュニケーションへと移行し、場所性や時間に縛られないために仕事仲間や友人らとこれまでより集いやすくなった一方で、”あらたな関係性”と出会うことが、積極的に機会を獲得しようとしない限り、むずかしくなっているのを感じます。FUSIONIZE TALKでは、想定外に出会い、繋がる場をつくれればと思っています。

❷ききあう
FUSIONIZE TALKでは、ゲストスピーカーの話をきく時間と、参加者それぞれの話を聴き合う時間を設けています。色々な情報を否が応でも見聞きしてしまう世の中ですが、目の前の人に集中して、全身で聴く時間を共有したいと思っています。

❸かたりあう
自由に対話する時間も設けています。互いの思いを交換しあい、語らう時間を持ちましょう。オンライン上でのコミュニケーションはラグや雑音があるなどの障害がありますが、障害もたのしみつつ語り合いの時を持てればと思っています。

この「対話の場」を実現するために、私たちは以下のルールを大切にしています。

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