運用の仕事(ファンドマネージャー、アナリスト、トレーダーについて)

運用職には様々な役割がある。アナリストの提供する情報を基にファンドマネージャーが投資判断を行い、トレーダーに発注。トレーダーはファンドマネージャーからの発注内容を基に、売買を執行するというのが運用業務の大まかな流れ。
料理に例えると、ファンドマネージャーはその日や季節に合わせた最高の料理を作るシェフ。アナリストはその日や季節のおすすめ食材を選んであげる仕事。トレーダーは必要な食材をできるだけ安く市場から買って来る仕事。
サッカーに例えるとファンドマネージャーはチームに所属する選手を組み合わせて最高の戦術やスタメンを決める監督。アナリストはチームで活躍できそうな選手を見つけてくるスカウト。トレーダーは選手や他チームと交渉してできる限り安く選手を移籍させてくる交渉担当。

①ファンドマネージャー
一番イメージしやすいのがこの仕事。
組み入れ銘柄を選び、比率を判断し、日々の資金フローに対応して保有銘柄の売買を行う。運用するファンドの形態によって資金フローの動きが異なり、仕事内容にも微妙に違いが出てくる。一般投資家向けファンド(公募)の場合は日々資金の出入りがあり、資金繰りの管理が最優先業務である。一方ヘッジファンドに代表される適格機関投資家向け(私募)の場合は資金の出入りが少ないが、より運用パフォーマンスに対する評価がシビアになってくる。公募ファンドも当然パフォーマンスが重要ではあるが、私募ファンドの投資家に比べてパフォーマンスに関する要求は下がる。
(そもそもパフォーマンスとはなにかという考え方から異なるが、長くなるので割愛)

②アナリスト
アナリストごとに担当セクターを分担し、徹底的に担当セクターと企業を理解し、今後の業績動向について把握する。バイサイドとセルサイドでそれぞれアナリストが存在する。セルサイドアナリストはバイサイドのファンドマネージャーに対して推奨銘柄情報を提供することで、売買を推奨し自社の手数料収入増加への貢献をする役割。
バイサイドアナリストはファンドマネージャーがファンドに組み入れる銘柄を選ぶ際の情報提供を行い、パフォーマンス向上への寄与が仕事。
仕事内容は同じだが、自分の名前で対外的に情報発信を行い市場関係者からの評価で仕事の良し悪しが決定されるのがセルサイドアナリスト。バイサイドアナリストはパフォーマンスに貢献する必要があるので、投資判断に直結する情報提供を行い、自社ファンドのパフォーマンス成績で仕事の良し悪しが決まる。極端な話、セルサイドは業績予想の正確さよりも、売買を促進することのほうが重要。一方でバイサイドは運用への寄与という形なのでファンドマネージャーのサポート役になりがち。

③トレーダー
ファンドマネージャーからの発注内容を基に、売買を執行する仕事。
より有利な価格で売買できるようにタイミングや証券会社選定したり、自社内の複数部署やファンドからの売買を取りまとめて一括発注して取引コストを抑えたりという仕事内容。ファンドマネージャーからのオーダーに対して、できる限り安く買って高く売ることでパフォーマンスに貢献する役割。


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