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自分を“安く”見積もってしまう私たち


これまでの人生をちょっと振り返ってみても、男性って、根拠のない自信に溢れている人が多いと思う。

(失礼だけど)大した顔じゃない、大して頭も良くない、大した実績もない、それでも何故か「俺イケてる」みたいな自己理解をしている人が多いと思う。「こんな俺、どう?よくない?」みたいな。

私はこれまで散々書いてきたように、彼のことが無条件で大好きだけれど、彼もその類の男性だ。

「(俺)優秀だからね」
「俺みたいな人材、企業は欲しいからね」

と、サラッと言ってしまうその態度。
『え、よくそんな自信満々でいられるね…?』と、驚いてしまうことがしばしばある。その無限の湧水みたいな自信どこからくるの?と。

彼のことはもちろん大好きだし尊敬しているけれど、
客観的な視点で見れば彼より優秀な人はたくさんいるし、
(実際、夜の世界でも昼の世界でも、年数千万、年数億単位で稼ぐ優秀な経営者をたくさん見てきたし、それと比べれば彼はそこまで仕事ができる人というわけではない。どちらかというとソーシャルスキルで損しているタイプだ)
彼だって完璧な人というわけではないのだが…


それに比べて女性。女性はわりと自己肯定感が低いように思う。

「私はそこまで可愛くないから」
「私はそんなに面白い人間でもないし」
「どうして私はこんなに仕事できないんだろう」

先日も、長年仲のいい女友達(仮にMちゃんとしよう)がこんな風にこぼしていたのを聞いて、私はいたたまれなくなった。

Mちゃんは32歳。地方出身。ご実家は自営業で、両親も立派だ。
お母さんはちょっとヒステリー気質だったみたいだけど、それなりに愛されてすくすく育った。
幼少期から可愛くて、小中高では多感ながらも生き生きと過ごし、クラスではいつも目立つ存在だったようだ。

Mちゃんは今も可愛い。目も生まれつきのぱっちり平行二重で、鼻筋も通って、唇も程よくふっくらしている。こまめにジムに通っているからお尻もキュッと上がっているし、背筋もついて姿勢も綺麗だ。長年通い続けている美容院で月に一度整えるヘアスタイルも洗練されているし、洋服にもネイルにもお金をかけている。
留学経験もあり英語が堪能で、現在は東京とカナダをつなぐデザイン関連の職についており、国際色豊かな部下もいて年収も600万ほどある。カナダ人の彼氏とはコロナが明けたら入籍を考えているそうだ。

彼と遠距離恋愛で辛いことを差し引いても、順風満帆な人生に思える。


でも、彼女と会うと、だいたい常に「辛い」というのである。「自分なんて」と思ってしまうと。
自分という存在を、全然肯定的に受け止めることができていないのである。
もっと言うと、カナダ人の彼氏のこともそんなに好きではないのだそうだ。
確かに彼はお腹の出たニート(失礼)で、私からはとても彼女にふさわしいとは思えない。実際何度も別の男性を紹介してみた。
でも彼女は「彼しかいないのかもしれない」と、付き合いを続けている。
そして、そんな曖昧な恋愛も含め、自分自身を肯定できないのだと。

彼女いわく、「人と自分を比べて落ち込むことが多い」のだそうだ。


私は個人的に思うのだけど、女性って自分と「上」とを比べる傾向があると思う。

「あの人はあんなにお金があるのに」
「あの人はあんなに綺麗で完璧なのに」
「あの人はあんなに能力が高いのに」

とこんな調子だ。

一方で、男性って「下」を見る人のほうが圧倒的に多い気がする。

「俺って平均より稼いでるから」
「俺の顔って悪くないし ていうかイケメンの部類だし」
「同期入社のあいつより俺の方が出来がいい」


と。

余談だが、「俺巨根だから」と豪語する人が実は平均サイズだったり、
「俺上手いから」と誘う人が目も当てられないほど下手くそだったりというのはよくある話だ。

デブハゲきもきもおじさんが、我が身をわきまえずに平気で若い美人を欲するのもこれだ。


男性の自己肯定感の高さについて、心理学的にはこんな説がある。

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