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【独】労働者ストライキと米国、ノルウェーによる裏工作。


ドイツの空港で働く従業員たちによる賃金値上げを要求するストライキが2月下旬、7つの空港で行われ、約30万人の乗客が影響を受け、2300便以上のフライトがキャンセルを余儀なくされた。

更に、ドイツ・ポストの従業員8000人がベルリン、ミュンヘン等10都市で、賃金値上げや、電気料金、ガソリン、食糧品、家賃等の物価上に対する補償を求める労働ストライキが行われた。

何故このような大規模なストライキが起こるのだろうか?

何十年もの間、ドイツは低価格なロシアの天然ガスに依存しており、ロシアから輸出される天然ガスのパイプラインの設立にドイツ、ロシア両国は数十億ドルを出資した。

しかし、2022年2月24日のロシアの特殊軍事作戦以降、両国を繋げるパイプラインを米国、ノルウェーが爆破し、更には米国やEUの圧力、そしてロシアへの経済制裁としてドイツはロシアからの天然ガスの輸入を完全断念せざる負えなくなった。

ドイツはこれ以降、アメリカとノルウェーから価格の高い天然ガスを輸入しており、これにより生活インフラの価格は上昇。このインフレを受けこの様な労働ストライキが起こったとされる。

(天然ガスの使用用途のうち3分の1が電気やガスに使用されており、これらのエネルギー価格は現在、アメリカやアジアに比べ非常に高く設定されている)

この様なエネルギー価格の上昇を受け、各種製品の生産を削減や従業員を解雇する企業や、事業の一部をエネルギー価格が安い国へと移転させる企業が多発しており、化学大手企業のBASFは従業員を2600人解雇する予定であると発表。

フォルクスワーゲンは労使協議会と工場でのエネルギーの節約について話し合ったが、解決には至らず、2024年年末までにカッセル物流センターを閉鎖すると発表。

最近の調査によると、エネルギーコストの増加により経営の見通しが明るくない企業の90%が、コスト増加緩和を消費者に転嫁する又は既にしていると発表。2022年、7.9%という記録的なインフレ率により、ドイツ国民の賃金は下がり続けており、ドイツ国民の負担は重くなる一方である。


アメリカとノルウェーによる画策

ピューリッツアー賞を受賞したシーモア・ハーシュ氏は「この様なドイツのエネルギー問題の背後にはアメリカとノルウェーが暗躍し、バイデン大統領がパイプライン破壊の決定を下した。2022年6月のバルポトス演習において米海軍の潜水士によりノルドストリーム一号機二号機に爆弾が設置され、ノルウェー海軍が設置する最適な場所を探し、爆弾を起爆させた。」と彼は述べる。

実際に、9月26日にノルウェー海軍の哨戒機は上空からソナーブイを投下、米軍潜水士が設置した爆弾(C4)の起爆に成功している。

ロシアの特殊軍事作戦以降、米国や西側諸国によるドイツへの脱ロシア化させる画策などにより、ドイツはパイプラインを停止せざる負えなくなった。

この様な、米国主導の脱ロシア化計画で最も影響を受けているのはドイツ国民である。今後、ドイツ政府がどのような形でエネルギー価格上昇や増加する失業者、海外へ逃亡する企業に対し、打開策を見出すのであろうか・・・・


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