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理科室まがった【毎週ショートショートnote】

放課後、俺は教室で部活のメンバーと今日の予定を考えていた。
俺達の部活は少し特殊だ。
正式に認められていないが、とある方法で、正式に存在することにしている。

部員は全員で5人。
顧問は世界史の真我里。
20代後半と教師の中では若く、女子生徒に人気がある。

この顧問が毎回、どこで俺達が部活動をするのか決めている。
正式な部活ではないので部室がないのだ。

「あ、理科室まがったみたいです」
唯一の1年生の言葉に他のメンバーは「またか」という顔をする。
「また理科室。先生も好きだよね」
「理科室っていうか、化学の理恵ちゃんがね」
「公私混同っしょ」

そんなことを言いながら、俺達は理科室に向かって歩き出す。
理科室では理科部が実験をしているはずだ。
俺達は顧問の真我里の「認識を曲げる能力」で他者の認識を曲げ、そこにいるのが当然と思わせて場所を間借りしている。

俺達は「超常能力部」。
部員全員が超能力者だ。
真我里が間借りすることを「まがる」と呼んでいる。

410文字


こんにちは。羽根宮です。
たらはかにさんの【毎週ショートショートnote】に参加しました。
お題は「理科室まがった」です。

最初に思いついたのは、理科室を曲がったらそこは異世界だったとか、理科室の空間が曲がって異空間に存在する話とか、そんなのだったんですけど。

不思議ですねえ。

あと、非科学的なことは信じない理科部に、超常能力部が超能力でいたずらするとか考えたんですけど。
まったく出てきませんでした。
勝手に手が動き出すことありますよね?
え、ないですか??

個人的には、認識を曲げる能力がある真我里先生が、気になっている科学の理恵先生に対して、自分に好意を抱くように意識を曲げることをせず、理科室の間借りだけしているのがツボです。

……どうして、こうなった。

当然ですが実在する人物はいませんし、特にモデルにした人もいません。

さて、裏のお題は「イカ室たぎった」だそうです。
……イカ室とは??

ここまで読んで下さって、ありがとうございました。
羽根宮でした。

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