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【世界一周・旅のカケラ #31】バンコクの高級な夜遊び。そして次の旅先は…

本当なら今頃、ラオスを縦断していただろう…。私、なんで今バンコクにいるんだろう、もう飽きるほど過ごしたこの街に!

だが、戻ったものは戻ったのだ。まずいつものカフェで過ごすことにする。

…と、突然、ある人に話しかけられた。ま、要はナンパだな。

でもきっと日本にいて想像するナンパとも違って、旅のあいだ、とりわけカオサンという街では旅人同士が知り合うことは、呼吸をするくらい自然なこと。なので私も「なにっ、私に声をかけるのでない、下心が丸見えよ!」みたいな頑なな感じにはならない。

それに旅先において出会いは、ほとんどがナンパになってしまう…。笑

さて、その彼はでも少し図々しく、私の目の前に腰を掛けた。
そしてしばらくしゃべって、私が今とりわけ急いでいないこと、すぐ先のプランは未定なことを聞き出すと、言った。

「じゃあさ、俺、コチャーン行くから、一緒に行かない?」

ラオから戻ったので、バンコク近郊のビーチにでも行こうかと思っていた私。密かに「この話、乗れそうかも!」となる。でもそれは顔に出さず、様子を見ることに…。旅先を選ぶのと同様、誰と行くかはとても大切なのだから。

前回カンボジアの道中を共にしたカナダ人のサラは、いつもの宿で出会った。だから少しなりとも人となりを知った上、だったし、何より同性だったから警戒も薄かった。

でもこの人ってば、いったい何者よ⁉ なんでうようよしているバックパッカーのなかから、しかも私にピンポイントで声をかけてきたわけ?しかもちょっと、カオサンにいるにしてはおじさんじゃない?苦笑

ちなみに彼はイスラエル人(デイヴィッドに続いてまた!)だったので、ちょっとその押しの強さに、私もかなり伝わりやすく「私は君と一緒に旅をするか、いや、したいのかわからない」言ったのだが…。しっぽを振ってついてくるんだ、これが。

でも一緒に旅に出るなら、せめて彼の人となりを知っておきたい。
彼の名はアミール(多い、この名前)どうやら彼はイスラエルエアラインで働くマネージャー(パイロットではない。笑)で、フリーフライトだか格安だかで飛び回っているそうな。そして仕事の傍ら、本を出版したりしているという。

いや、人となりを知りたいと思っても、聞いているとますますよくわからなくなってくる経歴。

「とかいって、エアラインの名前出せば、女の子に受けるとか思ってんじゃないの?」と半信半疑の私は言ってみると、彼は必死になってエアラインの写真付きIDを見せてきた。が、それにも私、「いやいや、だからこれもエセなのでは?ここカオサンだしー」と。

今書いていても、なんて小生意気な小娘だ、と思うけれど、女ひとり旅はいつもそうやって自分の身を守らなくてはならない。笑

そこでカフェではいったん別れ、後で一緒に出かけることになった。

そして、そのIDがフェイクなんかじゃないって証明されることになる。



その場所は、スクインビットからSoi11を入った辺り、モダンなクラブや高級ホテルが点在している界隈だ。そのなかから、クラブ「BED」へ。アミールが連れて来てくれなきゃ知りえなかった、貧乏バックパッカーの生活圏外にある見るからにハイソなクラブだ。

いざ入店しようとなり、ここで彼のIDが本物だと知ることに。というのもエアライン関係者はフリーなのだった。ちなみに「BED」のエントリーは当時、600Bt(当時の換算で約1,200円)。私の滞在費の2.5泊分もする!笑

さらに彼の特権に便乗して、「連れ」である私もフリーエントリーに!ここで初めて彼に対して、ちょっとだけ信頼感が生まれるのだった。

「BED」は宇宙船のような形をした不思議な空間。ベッド、という名の通り、寝室をイメージしているのか、休憩スペースは全てベッド。コンセプトのしっかりした、そこそこ大箱のクラブ。

アミールと私はカクテルを頼んで、踊り狂う人々を眺めている。
そこで私の前で、踊っていたお姉さんたちのひとりと目が合う。めちゃくちゃ美人やないか!というわけで話しかけてみると(笑)、彼女たち、ブルガリアから来タイしているモデル集団だという…!

タイのハイソなクラブで出会う、日本人である私に興味を持ってくれ、話に花が咲く。アミールはそれを見ながら、にこにことカクテルを飲んでいたのを私も目の端で捉えていた。

それ以上もそれ以下もなく、もちろん何のトラブルもなく、私とアミールは深夜頃、無事カオサンに戻ったのだった。そしてそれが決め手となった。

うん、ま、いっか。彼なら。旅のパートナーとしては頼りになるかも。帰りのタクシーのなかで、私はひとり心に決めていた。

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